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微笑む人 貫井徳郎
事件はすべてのはじまりにすぎなかった。 エリート銀行員はなぜ妻子を殺したか。 内容(「BOOK」データベースより) この作品はこの間、 松坂桃李さん主演でテレビドラマになっていて、 面白そうなので見てみようかと思ったのですが、 貫井徳郎さん原作と知り、 ドラマを見ないで(必死で我慢した)、 原作の方を読みました。 これ、ミステリーと言えばミステリーですけど、 犯人は最初からわかっているし、 動機も最初から示されている。 なので、フーダニットやホワイダニットは無し。 じゃあ、何か?っというと、 主人公のエリート銀行員の仁藤俊実の 過去を描く小説なんですよね。 そして、驚愕の結末。 普通、驚愕の結末というと、 意外な犯人や、意外な動機が書かれるのですが、 この作品では、最後に何も書かれないのが驚愕(^^;) 結末らしい結末も無く、 ハッキリとした解答も無く、 混沌として終わります。 貫井徳郎さんらしいです、とっても。 サイコパスの物語、とも言えますが、 「普通」の感覚って何? という答えの出ない物語でもあります。 そして、一番重要なのは、 他人の事は、絶対にわからない、 ということでしょうね。 そりゃそうだ。 貫井徳郎さんらしく、ちょいと長いですが、 グイグイ読ませる筆力はサスガ。 どの作品もそうですけど、 これも読み終わった後に、 とっても考えさせられるものでした。 あと、テレビドラマは見ていないのですけど、 松坂桃李さんは主人公のイメージピッタリですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年04月28日 22時19分38秒
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