カテゴリ:小説すばる2021年
小説すばる 2021年12月号
ヒトラー 第六回 佐藤賢一 合言葉は「ベルリン行進」。 その日が来たら、 一人でも多く参加せよと ヒトラーは広く呼びかけ続けた。 (小説すばるより転載) 五月一日に「ベルリン行進」をしようと 計画するヒトラー。 しかし、バイエルン州政府はそれを許さず、 州警察を出動させて阻止してきた。 「ベルリン行進」が出来ず、 無残に敗北したヒトラーはアルプス山麓に 引っ込んで、表舞台から姿を消した。 その一方、ドイツではハイパーインフレが起こり、 ルール地方のフランスによる占拠はそのままのため、 一部の国民に不満が高まっていた。 エーリッヒ・ルーデンドルフ将軍を担ぎ出して、 体制を整えたヒトラーたちは、 再度「ベルリン行進」を企画するのだった・・・。 ヒトラーも逮捕されたり、引退したりと 目まぐるしく人生が動きますね。 ハイパーインフレと失業者が増えるドイツ では政治に対する不満がどんどん増えていく。 混乱の極みにあるドイツで、 ヒトラーがのし上がっていく下地が 次第に出来てきたのは、 歴史のうねりなんでしょうか。 私なんかはドイツの頂点に達した後の ヒトラー(のイメージ)しか知らないので、 前半戦はこんなにも苦闘の連続だったんですね。 社会がヒトラーを生んだのが なんとなくわかる気がします。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月21日 22時40分34秒
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