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2008年12月18日
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カテゴリ:何とも言えない話
黒 です。

学生の皆さんはそろそろ冬休みですね。
社会人になると、全くそう言う長期休暇がなくなっちゃうので今の内に楽しんで下さい。

私は、夏休みとか、冬休みを思い返すと、「宿題の思いで」が頭を過ぎります。
私は、昔からよく言えば短期集中型、悪く言えば集中力はあるけど持久力に乏しいたちだったので、宿題は、長期休みの前半1週間でほとんど終わらせていました。
「後をのうのうと遊ぶにはコイツさえかたづけておけば良い。」
基本怠け者なので、後で思う存分怠ける為には実にこれが妥当なやり方でした。

日記とかダラダラやるものはあまり好きではありませんでした。中でも、小学校一年生の時の「朝顔の観察日記」は最低で、コイツだけは、開花の予測等が不可能であったが為に、自らコツコツ観察し、昔も大変苦手であった絵を描かなくてはなりませんでした。
・・・あの頃より、悪知恵だけ猛発達した今であるなら、友達の開花日にプラスマイナスいくらか足し引きして適当に書いたと思いますが、その頃は悔しい事にまだその域までいたっていませんでした。
しかし、絵日記なども、別にどこに行くわけでもないので、最初の3日間で約40日分を書ききりましたし、ドリルやその他も必死で終わらせたものです。
突貫工事で作った工作など、あまりに適当なボロで、部屋に置いておいても提出するまでにどこかかんかがボロっと取れてきて、これだけには閉口したものです。

私は、とても古いタイプの日本人なので、宿題だけすれば後はフリー!な子供時代を過ごしていたのです。塾もなにもありません。朝のラジオ体操くらいなものです。学校のプールに行かなくてはならないのが一番気の重い事項なくらいです。
そうして、フリーを満喫するのが私のやり方だった訳です。

そんな私には、二歳年下の弟がおりました。
コイツが、私の真逆をやるヤツで、本能の赴くまま全力で夏休みを遊ぶのです。最初から最後まで。彼の辞書には「宿題」というものは全く無く、彼は一切なにもせず、夏休みの最終日を迎えるのです。如何に7日程度集中すれば出来るのが夏休みの宿題とは言え、流石に24時間で、一人で仕上げるのは困難と言えます。
・・・そこで、弟の泣きが入り、ウチでは一家を挙げて弟の宿題に取り組む事になるのです。
弟はべそを書きながら、ドリルと問題集をやり(これだけは助けるなと親に言われた)、私は自分の古い朝顔の観察日記や絵日記を取りだし適当に日記を書きます。読書感想文なんかも私は得意なのに、あの男は全く文才が欠乏していたので、私が書く。それを、彼は必死で自分で清書する。父が○付けをしたり天気を書き入れたりし、じいさまが工作のデザイン等を決定する。母が弟をしかり飛ばしながら工作を手伝い、末の幼い妹は絵日記や観察日記に色を塗る。

正に、宿題という名のマニュファクチャー(工業製手工業)であったのです。
そうして、休みの最後の日は我が家は必ず徹夜でした。
休み明けの朝日はヤケにまぶしかった・・・

忘れもしないある年、図画工作の宿題で、貼り絵というものが出されました。
彼が、小学校の5年生の夏の事でした。
貼り絵というのは、色紙を細かくちぎって貼り付け絵にするもので、このときのテーマは
「生き物の貼り絵」でした。
こんな、手の掛かるものを後回しにしてしまうと本当にどうしようもありません。
そこで、じいさま登場です。
私のじいさまは、職人でした。手先がとても器用でおまけに絵も字もとても美しい。
とにかく、芸術家の一部に職人さんたちは属する生き物なのです。
「じいちゃん!何でも良いから生き物で貼り絵作って!!」
と、弟に泣きつかれ、渋々ながらも受けちゃうじいさまはやはり孫が可愛いか!

部屋の隅っこの方で、なにやらさらさらと下絵を描き、ぺたぺたと迷うことなく紙を貼り付ける。ちょうどその時私は弟の読書感想文(チョコレート工場の秘密)を書いていたので、あまりその動きをみていなかったが、約二時間ほどで、「出来たぞ」とじいちゃんが言う。

・・・その作品を見て、私達家族は戦慄した。
そこには、とても生き生きとした錦鯉が描かれていたのだ。余白の白を生かし、どこか深い水面から浮かび上がる様な錦鯉。もう、それは、貼り絵の域を超え芸術の域だった。
それを、こんな短時間に・・・じいさま、流石というか、恐るべし。
額に入れて飾っておいてもなんの遜色も無いだろう見事としか言えない出来栄え。
私達は、作品のあまりのすごさに息を飲んだ。

「じいちゃん!!ダメだよ~!!あまりに上手すぎる!!」
弟の悲壮な叫びに、皆われに帰る。
・・・だよなぁ。あまりに凄まじく上手すぎると言うか、次元が違う!!
ぼんくら不器用坊ちゃんが作ったとは、どう見たって思えない!
作り直して!と懇願する弟に、じいさまは、「飽きた!」と冷たく言い放つとそのまま夜の町に消えてしまいましたとさ。
・・・さて、どうする?弟よ!!
彼は、時間も無いしどうしようも無いためそのまま持っていく事を決意なされた・・・
あれは、度胸だけは良い男だった。そして、言い訳もちゃんと用意する。
「夏休みの間中、じいさまの指導を受けてここまでになった」っと。
私のじいさまは結構有名な職人だったのでコイツで通じると彼は思ったらしい。天と地が引っ繰り返ったってキミには無理だと言う事を解っていなかった。ある意味彼も大物だ。

そして、後日。
弟(じいさま)の作品は、どういう訳やらとがめられもせず校長室の掲示板に貼られたのだそうだ。おそらく、弟への見せしめと思われた。
弟は、それから半年以上飾られたその作品の前を小さくなって通り過ぎたのだそうだ。

ちなみに、もう一つが彼を旋律させる事になる。
私の書いた、読書感想文。
コイツが、どういったわけでか、なんかの賞に入り人前で表彰されることになってしまったのだ!ばれたらどうしよう・・・彼は死刑囚の様な面持ちで賞状と盾を受け取ったのだと後で聞いた。なんであんなに嬉しそうでないのか?と皆一様に思ったらしい。

そこで、懲りるか?と思いきや、ヤツはヤツだった。
中学の時も、やはりそう言う状況に陥った。
最終日の宿題マニュファクチャーはヤツが高校生になっても続いたのであった。





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最終更新日  2008年12月18日 20時02分14秒
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