不動産で失敗したくない。
成功したことは誰でも公言したがるが、失敗したことは誰でも隠したがるのが人情だ。住宅も含めて不動産を購入するとき、誰もが慎重になる。慎重になりすぎるぐらい慎重になり、身動きとれなくなる人も稀ではない。しかし、慎重も度が過ぎると、慎重ではなくなる。「決断」を先延ばししているだけのただの「優柔不断」である場合も多い。「不動産で失敗したくない」・・・、誰もそうだ。しかし、不動産のプロは一瞬で買う買わないを判断するものだ。不動産のプロこそ、ヘンな不動産を買って失敗したくはないものだ。しかし、不動産のプロは、現地に立ってみて、一瞬で判断を下す。不動産のプロだからこそ分かるのである。自分以外にもこの物件を検討する不動産のプロがいるだろう。「買う」のなら、一瞬でも早く決断したほうがよい。逡巡しているうちに、他のプロに買われてしまうからだ。それは、日常茶飯的に不動産に接しているからできることではあるが、「決断する」という行為においては一般人となんら変わらない。一般人は、「ここだけの話・・」とか「アナタだけに特別に・・」に弱い。そういう話し方をする人間は誰にでもそうなのだが、ついつい、なにか得しそうだ・・・という誘惑にかられのってしまう。それを裏返すと、「失敗したくない」という強迫観念に似た思いがある。現実は、しかし、そういう思いが強い人ほど不動産で失敗しているのだ。不動産は必要があって買う場合が多い。必要があるということは、目的もあるわけである。不動産で失敗しないための鉄則は、必要な条件を満たす不動産を買うことである。そこに、将来、値上がりするかしないかとかの打算をもってはならない。そういう打算が働くと、所期の目的を忘れてしまう結果になる。所期の目的から外れた不動産は、結果的に、失敗するのである。