221253 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2006年09月24日
XML

最初は予定に入ってなかった昼の部ですが 評判がよいので観ることにしました。

『車引』
桜丸の亀ちゃんがお目当てだったのですが、梅王丸の松緑、松王丸の染五郎ともにこれぞ『花形若手』で 絵面がキレイでした~♪ なかでも松緑が荒事がぴったりはまっていたので見応えがUPした感じがしました。小さい頃に父・祖父を相次いで亡くした少年御曹司の印象が強かったのですが いつの間にか31歳の父親になってたんですね~。(とにかく三之助が成長する過程がすっぽり抜け落ちてるので 隔世の感があります)
亀ちゃんの桜丸も 腰がピタッと決まっていて立ち姿が美しいピンクハート
染ちゃんの松王も負けずに頑張ってました。でも声で圧倒する大きさの面では 残念ながらこの前の海老ちゃんの勝ちでした。段治郎の松王も身長があるだけに立派だったのですが(@三越歌舞伎)いかんせん声がダメになってたのが・・・←その前月の国立の奮闘公演でつかいきっちゃったんでしょうね。

『引窓』
あまり期待していなかったのですが、結果的には昼の部で1番の演目でした。同様の意見の方をみかけましたが、自分の目で観て「なるほど、たしかに!!」でした。
殺人を犯し、長く別れて暮らしてきた実母に一目会いたさに与兵衛(吉右衛門)宅へやってくる濡髪長五郎(富十郎) 驚きながらも迎え入れるお早(芝雀)とお幸(吉之丞)。お早の芝雀がまた可愛いんです。「演劇界」の水落先生の評に『郭勤めをしていたらしい色気が感じられる。それでいて夫大切、母大事の世話女房になっている』とありましたが、まさにその通りのお早でした。
母と妻が長五郎をかくまってるとも知らず 長五郎探索を命じられて「首尾よく行けば・・・」と武士に戻れたことが嬉しくてという部分と 長年の暮らしで身についた町人の心とを上手く演じ分けつつ愛嬌もある十次兵衛(吉右衛門・町人としての名が与兵衛)吉右衛門て上手いよなぁ~とうならされるというか、「ほら、俺は上手い役者だろう」というところなく、それでいて「得心のいく」上手さ。あの世代において『別格』なのが当然という風に観客に思わせる 本当に魅力ある役者さんだと思います。どっしりとしたのある役者さん。

水鏡に映った長五郎を見て「かくまってる」とわかってから 母を思い逃がしてやろうとする心情に胸うたれます。それを知ってつかまろうとする長五郎を「夜のうちは 自分が捕らえるのが役目だが 夜が明けたならあずかり知らぬこと」←本当はまだ夜明けではない鐘を夜明けの鐘という件など 吉右衛門と富十郎だからこその濃密な芝居が楽しめました。

ただ一つ残念だったのは吉右衛門が情味のこもった台詞を聴かせているところへの小さな「チリリィ、チリリィ・・・」音。最初は「?」でもずっと続くので「あっ、誰の携帯~?さっき開幕前に電源切れのアナウンスがあったばかりじゃん」それでも音は鳴り止みません。「もぉ~、早く切ってよ~!!」となってたところで3列前の方が2列前の人に振り向いて何事かをいいました。そして2列前の人がかばんから取り出した携帯が鳴ってましたよ怒ってる指摘されるまで気がつかないなんて!!鈍すぎる!!「ばかも~ん」とつい無声音で言ってしまいました。休憩の時にチラ見したのですが 50台半ばと思われるおば様でした。はぁ~~。

『六歌仙容彩』
業平小町  ジャッキーのブログ(?)によりますと足を痛めていてそれ以外は元気とのこと。 足元がヨタヨタ不安定なのはしかたありませんね。なにせあの十二単の衣装だし。舞台に立っているだけで良しとするのか、後進のご指導に専念していただいた方がいいのか迷うところであります。梅玉の業平はすっきりと。本当に貴公子の役の似合う人だと思います。(四季でいえば石丸プリンスといったところでしょうか?)
文屋 初見なので(↑もです)へぇ~、こんなもんかと・・・可もなく不可もなくでしたが、う~~ん、個人的にはコレを削って 次の寺子屋を「寺入り」から見せてもらいたかったなぁと。ごめんね、染ちゃん。

『寺小屋』
『車引』の何段後だったのか忘れましたが・・・続きです。歌舞伎ではいつもここからの「源蔵戻り」から。
イヤホンガイドでは説明してるんだろうし、筋書きを読めばわかることでもありますが、「通し」を知らない観客には 「寺入り」があった方がなんぼか親切と思うのですが・・・
源蔵(吉右衛門)と松王丸(幸四郎)の兄弟出演。この2人が同じ板の上に乗っているというだけで観る価値ありの舞台。「長らく共演がなかったのにどんな理由があったのか私は知らない」と水落先生とぼけてますが 理由はどうあれこの兄弟の不仲は公然の秘密状態でしたから。追善の「秀山祭」がこれからも続いていきそうなのが喜ばしい限りです。

松王丸(幸四郎) ずいぶん大人しく演じていたと思いました。この方の松王、幸四郎の特徴として理が過ぎるというのか、何の役でも現代劇的風が鼻について「これは歌舞伎じゃない」になってしまうことが多いのですが 今回の松王はちょっと違ってました。それでも「桜丸が不憫でござる」と桜丸にことよせて(前段で桜丸は自刃しているというお話の流れがあります)我が子の死を嘆くのが通常だと思うのですが、幸四郎松王は最初から我が子が不憫で泣くのが前面に押し出されてて 「桜丸が・・・」の台詞を言っているにも関わらず観客にはその二重構造が伝わってこなくて 「う~~ん、違うと思う」になってしまったのが残念。
残念といえば 源蔵の刃を経文を投げつけながらかわして 最後に文机で「はっし」と刃を受け止めるのも見所なのに 経文の広がり具合が悪かった~ショック あそこでぱぁ~と広がってこそ受け止めた時の緊迫感が増すというものなのに・・・芝翫さんのお年のゆえかしら(泣)

いつもは号泣の「いろは送り」なぜか今回は うるっとはしたもののサラサラいってしまったというか胸にせまる味が薄かったのは???

3階席携帯事件(?)があったものの、それでも「芝居を観たな~」という気になる舞台でした。
久々に舞台写真も買えたし満足でした赤ハート






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年10月13日 18時20分46秒
コメント(6) | コメントを書く
[歌舞伎・文楽・能・狂言] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X