カテゴリ:無線機
Fig.HH0303_a <問題> 無変調時における送信電力(搬送波電力)が100 [W]のDSB(A3)送信機が、特性インピーダンス50 [Ω]の同軸ケーブルでアンテナに接続されている。この送信機の変調度を100 [%]にしたとき、同軸ケーブルに加わる電圧の最大値として、正しいものを下の番号からを選べ。ただし、同軸ケーブルの両端は整合がとれているものとする。 1、50 [V] 2、71 [V] 3、100 [V] 4、140 [V] 5、200 [V] この問題、実は自分、よくわかりません。理解できていません。 なので、しかたないので、公式暗記で対応します。 (公式) Emax=(1+m)*√2*√(Pc*R0) 基本はオームの法則 E=I*R,P=E*I P=E*I=E*E/R よって、E=√(P*R) √2倍するのは、実効値->最大値への換算 これを1(無変調時)+m(変調度)倍する。(m=1なら2倍となる) m=1、Pc=100(w)、R0=50(Ω)を代入すると、 Emax=(1+1)*√2*√(100*50)=2*√2*10*5*√2 =200(V) となります。 搬送波電力が400Wの場合は、Emax=400(V)です。 <解説>出典:無線工学を基礎から学ぶ 100%変調のAM送信機でインピーダンス既知の同軸ケーブルにかかる電圧の計算 [1]AM変調度と出力電圧振幅の関係 (よく出るので参考) AM変調の実時間波形と変調度mの関係は、Fig.HH0303_aの右のようになります。変調波振幅のピーク値をa、最小値をbとすると、変調度mは、 m=(a-b)/(a+b) …(1) と表せます。また、搬送波の電圧(最大値)をEc、信号波の電圧(最大値)をEsとすると、変調度mは m=Es/Ec …(2) とも表せます。実は、この問題で使うのはこの式だけです。 これらの式の他、AM変調には変調度と電力の関係式もあります。搬送波の出力、すなわち無変調時の出力をPcとすると、変調度がmの時の側波帯の電力をPL(下側)とPU(上側)は、 PL=PU=(m2/4)Pc …(3) Fig.HH0303_a AM変調波の変調率と電力 となります。 [2]伝送電力とケーブル内の電圧 ここでは、ケーブルと負荷は整合が取れている場合について聞かれているので、考慮に入れる必要はありませんが、普通は厳密に整合が取れていないことの方が多いでしょう。整合が取れている場合は、(1)式又は(2)式とオームの法則だけで解けます。まず、同軸ケーブルにかかる搬送波のみの電圧Ec(最大値)を求めます。搬送波電力Pcは、 Pc=(Ec/√2)2/Z0 …(5) ですから、これをEcについて解いて、 Ec=√(2PcZ0) …(6) 次に、変調度がmの時は、最大電圧Emaxは(2)式より、 Emax=Ec+Es=Ec+mEc =Ec(1+m) …(7) と表されます。この式に、(6)式から求められるEcを代入すると、 Emax=(1+m)√(2PcZ0) …(8) となるので、問題に与えられた各々の数値を代入すればEmaxが求められます。注意すべきなのは、問題中の電圧が、最大値(信号振幅)で書かれているのか、実効値で書かれているのか、という点です。引っ掛からないようにして下さい。 それでは、解答に移ります。 (8)式に、Pc=100 [W], Z0=50 [Ω], m=1 (100%)を代入すれば、 Emax=2√(2×100×50)=200 [V] となりますので、正解は5と分かります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.08.08 13:44:53
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