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楽天のお友達のどん&ごろすさんのHPで時々すれ違っているあたしnちさんが紹介してはった今野敏さんの警視庁強行犯係樋口顕シリーズ「リオ」「朱夏」「ビート」の3冊を一気に読んでしまいました。
今までのようなタイプの警察ものとは一味違います。 正直主人公樋口顕係長は強行犯の刑事らしからぬ、およそどっちが犯人と言うような体育会系の刑事とは対極の刑事。 人の思惑をいつも気にしてしまう自分がいやで仕方がない。 何回も資料を読み返さないと自信が持てない。 自分の意見を強く主張することなく常に相手の発言に耳を傾ける。 そうした慎重と言えば慎重と言えるが思ったことがずばりと言えない樋口係長は自分の性格の弱さに忸怩たる思いを持っている。 しかし、周りの評価が全く別で慎重で的確でよく見ている信頼できる人物となる。 世の中にはこんな人がいるのかと思うほど実直で誠実なのだ。 どんな世界にも自己主張の強い人がいてそう言う人が一見主導権を握る。 だが、長いスタンスで見ると意外にも主張の強い人の話を黙って聞きその話の齟齬を聞き取る樋口課長のような人が周りの信頼を得ることがある。 私の周りにも一人そういうタイプの人がいる。 オジさんだ。 取り立てて秀でた能力があるとは思えないのに、なぜは周りがいいように理解してくれる。 時々オジさんて得だなぁ~!!と思うがこの樋口課長に出会ってなんとなく似てるなぁ~!! と思った。 話がかなり違った方向に行ってしまった。 この樋口顕係長シリーズは一般的な刑事ものと違って、推理に重きを置いているわけでなく、警察官たちの人間ドラマにかなりのウエートを置いている。 シリーズの3番目の「ビート」が一番良かった。 親の思い通りには育たない子供に対する親の苦悩がとてもよく描かれている。 不良息子と思っていた息子にかける刑事である父親の言葉に涙さえ出てきた。 違ったタイプの警察ものとしてお薦めのシリーズです。 ただ、一作目の「リオ」の中に繰り返し出てくる全共闘世代つまり団塊の世代への痛烈な批判にはたじたじとなる。 今野敏さんのお年を見るとやはり彼はその大人になることを拒んだ無責任な全共闘世代=団塊の世代(と小説には書いている)から5,6年後の世代。 その世代は、大人になることを拒んで世の中の既成概念の否定をし、数で力を言わせた団塊世代が壊したものを作り直した世代だと言う。 勿論、それは主人公樋口係長の言葉。 私も時々、モンスターピアレントなどという存在のニュースを見てうすら寒い気持ちになる。 だってそういうモンスターピアレントを育てた多くが我々団塊世代だから。 大人は自信と責任を持って子供たちに何が正しくて何が間違っているかを教えなければならないと言う樋口係長の言葉に、つくづく自信をなくした大人になりきれない人が多い世代の一人として考えさせられた。 こんなことを書くと、反感を持つ団塊世代のお仲間もいはるでしょうが、5,6年後の世代からはそういう目で見られているかもしれないということを知ることは無駄ではない気がする。 いくつになっても知り考えてみるとことは遅いことはない。 子育てに失敗したと言う立派な経験や反省は、今度は孫に何が正しいか何が間違っているかを勇気を持って伝えることができるから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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