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オバマ大統領の決定で、クリスマスまでにはイラクにいる米軍兵士たちはアメリカに戻ってくるそうです。大使館を護衛する海兵隊員160名ほどは通常通り残るようですが、これで8年間以上に渡るアメリカ軍のイラク駐在が終わりを告げます。その間にのべ100万人以上の若者がイラクの地を踏み、その内の4,400人以上が戦死しました。重傷者の数は3万2千人を越えるそうです。イラクの人々の死傷者数字は明らかにされていませんが、大変なものでしょう。因みにアフガニスタンには現在9万5千人の兵士が駐在しています。それらの撤退プランもオバマ大統領は進めています。
ブッシュ大統領の2003年3月のサダム・フセインへの最後通告を映りの悪いミクロネシアのトラック島のホテルのテレビで聞き、グアムのヒルトンホテルでアメリカ軍のミサイル攻撃を受けて燃え上がるバクダッドの町の映像を観たのを昨日のごとくに思い出しますが、あれから8年余りが過ぎました。イラク戦争のために費やされた経費は3兆ドルとも言われ、退役兵士たちに対する年金などを含めると4兆ドルにも上がるのではと推定されています。 その陰で今日はCNNで悲しい映像を観ました。ロサンゼルスにはイラクで戦った兵士たちでホームレスになっている若者が8千人もいると言うのです。それらの多くはPTSDなど戦争による心理的・精神的障害から帰還後に苦しい生活を強いられている若者たちです。アメリカ政府は帰還兵に対するPTSD治療や住宅提供などいろんな支援プログラムを提供しているのですが、それらは十分ではないようです。 まだ若い年齢ながら、経済不況の中で就職先も見つからず、路頭に迷う者も少なくないようで、彼らはホームレスとなり、不安な日々を過ごしているようです。帰還兵を世話する機関 などは予算の中から月千ドルほどの援助をしているそうですが、その情報は路上生活でテレビも観ない人には伝わらず、現状では8千人のホームレスの内、2千人ほどしか援助を受けていないそうです。 このような現状をイラク戦争を決定し、命令したブッシュ元大統領は恐らく知らないのでしょう。仮に知ったとしても、予算その他の理由で抜本的な解決策は提供出来ないのかも知れません。テレビではことある毎に「若者の愛国心を称え、国のために命を賭した若者への感謝」を大声で語りながら、その一方ではこのような現実に無頓着です。ブッシュさんに限らず、そして日米を問わず、往々にして政治家には忙しさのせいもあるのでしょうが、無責任な態度が見受けられます。 やはり戦争はすべきではないと思います。その点、リビアに関してはオバマ大統領はアメリカの兵士を送らず、NATO軍の一員としてイギリスやフランス軍と共に空爆に徹しました。もしイラクも同じような形で行っていたら、若者を100万人も送り出す必要はなく、戦費も大幅に節約出来たでしょう。そのお金を国内の産業発展や経済支援助に使っていれば、恐らく現在の不況ももう少し穏やかだったろうと思います。またそれらのお金をイラクやアフガニスタンの国民のための援助に回せば、より平和的な関係が実現出来たかも知れません。ブッシュ元大統領の8年前の決定がなければと思うことしきりです。(終り) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.24 10:28:16
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