179036 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ユーカリの木陰で里の行

ユーカリの木陰で里の行

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

[マックあつこ・AKO MAKの著書]


『Tamagoー39歳の不妊治療』 Kindle電子書籍 790円


『Tamagoー39歳の不妊治療』単行本 2.310円


『インスタント・ニルヴァーナ 上巻』 Kindle電子書籍 390円


『インスタント・ニルヴァーナ 中巻』 Kindle電子書籍 590円


『インスタント・ニルヴァーナ 下巻』 Kindle電子書籍 390円


『Someday, IVF at 39』 Kindle電子書籍 490円


詳しくは、マックあつこのHP


Ako MakのHP


Copyright © Ako Mak 2018

Profile

マックあつこ

マックあつこ

Freepage List

Category

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

2022.04.07
XML
カテゴリ:子育て


先日、息子がジャバーニーズスクール中等部を卒業した。
そこは、メルボルンで暮らす日本人が
日本の教科書で勉強できる土曜日だけの補習校で、
通称土曜校と呼ばれている。
幼稚園から通っているので、11年間もお世話になったわけだ。

去年はコロナ禍で卒業式もオンラインだったそうだけど、
今年はワクチン普及のお陰で無事に卒業式をすることができた
とはいえ式には来賓も在校生の姿もなく、
保護者の参加は各家庭から一人だけと参加者数も制限されて、
式も簡易化されてしまった。
それでもこのご時世、できただけで恵まれているというものだ。

お陰で一人ひとり壇上に上がって、
卒業証書を受け取る子どもたちの姿を見守ることができた。
式辞や祝辞の後は
卒業生全員がそれぞれに土曜校での思い出を語った。
恒例の子どもたちのスライドショーも見ることができた。

幼いころと今の写真に
感謝の言葉と将来の夢が綴られたスライドが
一人ひとり流れるのを、感慨深く眺めてしまった。
入園したときには3クラスあったのに
今では2クラスに減ってしまったけれど、
殆どが幼稚園からずっと一緒の子どもたちである。
み~んな大きくなった、
立派に成長したなぁと、しみじみ。ぽっ

改めて感慨深かったのは、
これらが全て日本語で行われたこと。
ジャパニーズスクールなのだから
当たり前のことではあるのだけれども、
大半がオーストラリアで生まれて
オーストラリアで育ったことを思えば、
親としてはやはり胸が熱くなる。

夫とは東京で出会って、国際結婚をして
メルボルンに移住した。
そんな自分たちの子がこんなふうに成長できるとは
正直、思っていなかった。

ふっとメルボルンに来たばかりのころ
親しくなった友達のことを思い出した。

ポーランド出身の彼女とは
移民の英語学校で知り合った。
20代半ばにポーランド人の夫と二人で
メルボルンに移住して20年になるそうで、
英語も流暢だった。
自分の「イレーン」というポーランドの名前が、
オーストラリアでは「アイリーン」と
英語流に発音されてしまうことが多い
のだと零していた。

電車が同じだったので一緒に帰るようになって、
時々カフェに寄り道した。
お家でポーランドの手料理を振舞ってくれたこともあったし、
ポーランドレストランに連れて行ってくれたこともあった。
家ではもっぱらポーランド料理だと言っていたっけ。
ポーランド食も単に洋食と認識していたような
自分の舌には猫に小判、豚に…
なのだけど。
食に限らず、彼女はよくポーランドの話をしていた。

それは何も彼女ばかりではなかった。
移民の英語教室に
ヨーロッパやアジア、中東、アフリカ、南米と
世界中から集まってきた十数人の生徒たちは、
ならどうしてわざわざ
オーストラリアまで移住してきたのかわからん
と思うほど、自国の文化にこだわっていた
それはここに来て間もない人ばかりではなく、
何十年も住んだ移民も同様だった。

ランチともなると皆エスニック色たっぷりの
ランチボックスを開いていた。
移住歴の長~いドイツ人のおじいさんが、
メルボルンでドイツのパンを買うのがいかに困難かを
力説していたことを思い出す。
ちなみに奥さんはオージーで、パンはドイツもどき
ではなく、ドイツそのままの本格的なパンで。

移住して半年にも満たなかった当時の私には
彼らの気持ちは今一つピンとこなかったけれど、
あれから20年以上の経った今となっては
良ぉぉぉくわかる。

イレーンには大学生と高校生の息子がいた。
二人ともオーストラリア生まれのオーストラリア育ち。
ハンサムでスポーツ万能なのだと自慢していたけれど、
そんな息子たちの愚痴を寂しげに言ったことがあった。

家庭ではポーランド語を使い、幼いころから
息子たちにポーランド語で話しかけてきたのに、
現地の小学校に通うようになってから、
いつのまにか「オージーボーイズ」
(と彼女は言っていた)になってしまった、と。

もちろんオーストラリア人なのだから
当たり前ではあるのだけど、高校生の息子など
「ピヨール」という
素敵なポーランドの名前を付けてあげたのに、
いつの間にか自分で勝手に
「ピーター」という
「英語の名前」に変えてしまった
んだそうだ。

法的には知らないけれど、
子どもが自分で勝手に名前を変えてしまったという話に、
当時の私は驚いたものだった。びっくり
同時に、そういうものなのかなぁとも思った。
移民は自分の祖国にこだわるが、
2世はその国に同化する、とはよく聞く話だったから。

きっと将来、
オーストラリア人の夫と日本人の自分との間に生まれて
この国で育つ子どもたちもそうなるんだろうなぁ、と。
ただ私の両親が、孫たちと
話ができないという事態だけは避けたいから
日本語は教えてくれと言っていたので、教えようと思いつつ。

それが、蓋を開けてみれば…

娘も息子も、日本語がわかるどころか、
日本語と日本文化にどっぷりである。
二人とも暇があれば日本語の小説や漫画本を読んで、
「鬼滅の刃」とかアニメやテレビを見て、
日本で買ってきた「ファイヤーエンブレム」とか
「スマッシュブラザーズ」とかのゲームを
姉弟でキャアキャア言いながらやっている。

子どもたちが生まれたとき、
夫の日本語と私の英語という恐るべき環境
育ってしまっては子どもたちが気の毒だからと
彼は英語、私は日本語で話しかけようと決めた。
バイリンガルの子に育つように願って、
外の環境が英語のぶん、せめて
テレビは日本のDVDを見せることにしていた。

すると、子どもたちはアンパンマンやドラえもん、
ポケモンが大好きになって、
自然に日本の文化にハマっていった。
姉弟間で遊ぶときはいつも日本語だった。

食事はたいてい私が作っていたので、
ほとんど日本食(ちなみに移住して数年で私も
移民クラスに集っていた皆に負けず劣らず
自国食の大好きな人間に変貌していた)。
自然、子どもたちはケーキよりは和菓子、
ポテチよりはお煎餅が大好きで、
パンより断然ご飯党に。

雨量の少ないオーストラリアで
お米の生産量を減らすことが決まり、
かつコロナ禍で米の輸入量が案じられたときなど、
白米がなくては生きていけないと、
私よりも子どもたちの方が焦っていたほどで。
あのときは家族から
「ご飯がないならパンを食べればいいじゃなぁい」
などとは決して言われない我が身を
しみじみ嬉しく思ったものだ。

Multicultuarism多文化主義をとって久しい
オーストラリアは、寛容で良い国だと思う。
だけどやはり子どもたちと自分の育った
文化を共有できるというのは嬉しいことだ。

一緒に日本の映画やドラマを見てハラハラしたり、
陣内智則さんとかサンドウィッチマンとかを観て
ふつーに笑ったり(お笑い好きな息子のお陰で
今の芸人さんの名前もわかるようになったのよ)。
本も、私は読んでいない
「下町ロケット」の話を娘がしてくれたり、
太宰が好きな息子が「人間失格」の感想を話に来たり、
先日など内館牧子さんの「どうせすぐ死ぬんだから」
について感想を話していたし(まさか
あの本を息子も読むとは思わなんだ…)。

文化の共有って、なんてありがたいんだろう。大笑い

これも21世紀に育った
子どもたちであればこそ、なのかもしれない。
たとえばポーランド人のイレーンが
子どもたちをオーストラリアで育てた
80年代90年代では考えられなかったことだと思う。
何よりインターネットのお陰で
海外の文化に手軽に触れられるようになったし。
グローバリゼーションで海外渡航も身近になって、
一時帰国もしやすくなったし。

けれどそれ以上に、やはり
土曜校の存在が大きかったと思うのだ。
いくら家庭で「ジャパン」していても、
外に学校というコミュニティがなかったら、
こうはいかなかっただろう。
たとえ週に一日だけの学校であっても、
子どもたちがそこから得たものは大きかったと思う。

土曜校は非営利団体なので、
親も学校運営に関わらなくてはならず大変だったけど
(ボランティア活動がめちゃくちゃ多かったのよ)、
何より子どもたちががんばってくれたのだった。
現地校の子どもたちは週末お休みなのに、
土曜日に別の学校に通う。
そのうえ文部科学省の学習カリキュラムを1週間でやるため、
必然的に宿題の量も半端じゃくなくなる。
それをよくもまあ11年間も続けてくれたと思う。

ほんとうに、ご苦労様でした。
ムゥ、卒業おめでとう!

といっても、今週は土曜校の入学式。
息子は2年間の高校部門も続けたいというので
このまま通い続け、友達と一緒に
今年も生徒会活動も続けるのだと張り切っている。
娘の方も大学で勉強する傍ら
土曜校のアシスタント教員をさせてもらっている。
姉弟共々まだまだ土曜校とのご縁が続いていて、
ありがたいことだと思う。

4月―
メルボルンは紅葉葉が始まりますが、
日本は桜さくら
入学式の季節ですね。
新しい生活に入る皆様の未来が、
桜色のしあわせに彩られますように。


にほんブログ村に参加しています。
クリックしていただけると、ありがたいです。

にほんブログ村 家族ブログ 国際結婚夫婦(オージー・NZ人)へ
にほんブログ村


 さくら 四つ葉 さくら 四つ葉 さくら 四つ葉 さくら

[マックあつこの著書]

『Tamagoー39歳の不妊治療』
えっ、不妊症!? ミラー月子はたまご時計に急かされながらベイビーを夢見て先の見えない旅に出た。メルボルンからアラフォー妊活小説

『Tamagoー39歳の不妊治療』 Kindle電子書籍



『Tamagoー39歳の不妊治療』単行本

『インスタント・ニルヴァーナ』

もしもあなたの大切な人がカルトの罠に嵌ってしまったら? マインドコントロールの鎖は密かに繋がれてゆく。サスペンス長編3部作


『インスタント・ニルヴァーナ 上巻』 Kindle電子書籍



『インスタント・ニルヴァーナ 中巻』 Kindle電子書籍



『インスタント・ニルヴァーナ 下巻』 Kindle電子書籍


[Ako Mak 英語の著書]

『Someday, IVF at 39』
‘Someday, IVF at 39’
poignant, humorous and mysteriousa cross-cultural odyssey for motherhood.

『Somedsay, IVF at 39』 英語版Kindle電子書籍



[マックあつこのHP]

マックあつこのHP


Ako Mak HP





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022.04.08 19:28:12
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.