カテゴリ:食物アレルギー情報
<離乳完了の目安>
離乳完了→幼児食といっても、今日まで離乳食、明日から幼児食と簡単にいえるものでは決してありません。この完了とみなせる時期は個人差がでますが、お子さんの状況に応じて考えると良いと思います。また、幼児食といっても、最初のうちは離乳完了期とほとんど変わりませんので、あくまでも目安程度に考えれば良いと思います。 参考までに、完了の基準を示します。 ◎3食をきちんと食べることができること ◎食べられる食材の種類が増えていること ◎食べることのできる量が徐々に増えていること 上記を満たしていれば、離乳完了だそうです。これは食材の大きさや硬さは関係ありません。歯の生える時期も異なりますし、今後お子さんの成長・発達にあわせて、徐々に大きいものや硬いものを食べることができれば問題ありません。味付けは基本的に離乳期と同様、薄味が基本であり、糖分・脂肪分のとりすぎには要注意です。完了・幼児期になると、好き嫌いも出てくると思います。口触りや味などの好みもありますが、その素材が体質にあわないため、体が本能的に拒否をしている場合もありますので、嫌がる食材を無理に与えることはやめましょう。 <幼児食> 幼児食に移行しても、食生活の基本は離乳期と同様です。和食を基本とし、特にタンパク源の回転は忘れないこと、アレルゲンとなりやすい食材の頻回・多量摂取を避けることなどが基本となります。お子さんの症状が落ち着いた頃、もしくは2-3歳頃で消化機能が発達をしてきた頃を見計らって、医師からアレルゲンの除去解除の指示が出るようになると思います。それらに関しては、必ず医師の指示を受け、除去解除の時期や方法を決めて下さい。また、我が家で行った除去解除法などは後日紹介したいと思います。 離乳完了期から幼児食を通しての、各食材に関するポイントは以下の通りです。アレルゲンとなっている食材の除去解除については、医師の指示に従い、解除後の参考として下さい。 <穀類> ★米 米アレルギー予防のために、低アレルゲン米(ケアライスなど)、雑穀、普通の白米などとの回転を行っている方は、徐々に白米を中心とした生活に移行してもかまわないと思います。もちろん、予備的に回転を行っても良いと思いますが、低アレルゲン米(レトルトや高度精白米)だとコストがかかる場合が多いので、例えば、ゆきひかり、ささにしき、日本晴れなど米の品種を変えるだけでも良いそうです。毎日の回転でも良いし、3日ごとの回転(例:ゆきひかり3日間→ささにしき3日間→ゆきひかり…)でもかまいません。 雑穀が大丈夫であれば、食物繊維や栄養補給(ビタミン、鉄分・カルシウムなどが豊富)のために、白米に約1-2割混ぜて炊くと良いと思います。ただし、5穀とか10穀のようにあらかじめブレンドされたものではなく、単品購入をします。万が一、症状が出たときの原因を把握しやすくすることと、回転を効率良く行うことを目的としているからです。イネ科の感作予防には、アマランサスやキヌアなどイネ科以外の雑穀を利用します。また、餅米、餅粟、餅きびなど、餅系は抗原性が高いので、「ハレの日」程度にとどめ、うるち系の利用をおすすめします。 ★小麦 小麦および小麦製品は、普段の生活にとても利用しやすいのですが、なるべく毎日・多量摂取にならないように配慮します。小麦アレルギーも増えていますので、これを参考にしながら、できるだけ国産のものを使用することをおすすめします。ついつい忙しいときなどは、パンや麺類を利用しがちになりますが、毎回小麦を原料としたものではなく、雑穀を用いたパンや麺類との回転をおすすめします。米アレルギーがないのであれば、米を用いた乾麺や米粉を利用してもかまいません。 小麦は多くの食品のつなぎにも使われます。大豆醤油など調味料にも小麦は含まれています。ある程度、小麦を食べさせても大丈夫という確信が得られたなら、毎日でもかまわないと思います。しかし、1週間トータルで見て、とりすぎないことを心がけます。今日は多く食べたなと思ったら、翌日は魚のソテーなどのつなぎ程度にとどめるようにするような工夫が必要だと思います。 <肉類・魚介類> 同じ食材は週に2回までにとどめ、なるべく中2日あけるようにします。例えば、諸事情により連日摂取となった場合は、次回の利用を1週間後にするなど、適宜工夫すると良いと思います。また、抗原性が高い食材にもチャレンジができるようになり、牛肉や豚肉、鶏肉、干物類などが食べられるようになります。ただし、卵の除去解除の前段階には鶏肉、牛乳・乳製品の除去解除の前段階には牛肉を用いることも多いです。肉類はいずれも「もも肉」のスープ1さじからはじめると良いとのことです。 <野菜類> 理想的には3-5日ごとの回転ですが、食事量が増え、大人とほぼ同じ内容のメニューで食べるようになったり、少人数家族である場合など、経済的・保存場所などの問題から、多数の野菜を常備することは不可能です。症状が落ち着いてきた場合には、仮性アレルゲンなどで症状が出やすいものやあくの強い野菜類に注意をするだけで、各家庭の状況に応じた最適な方法で行うことをおすすめします。でも、厳密にやりたい方や保存場所など困らない方は、今まで通りの回転法で行って下さい。 参考までに、我が家が行っている方法です。 ★半分入れかえ法 1日に使用した半分の野菜を翌日にも使用し、半分を入れかえる方法です。例えば、今日A、B、C、Dを使うと、明日はC、D、E、Fで、あさってはE、F、G、H…という利用法です。 ★気軽な方法 生協などの宅配を利用されている方は、毎週届く野菜の種類がなるべく異なるように注文します。その週はある程度同じ野菜が続くこともあるでしょうが、翌週は別の野菜となるので、週ごとの回転に近くなると思います。また、冷凍パックで購入できる野菜(里芋、モロヘイヤ、ほうれん草、小松菜など)や常温常備野菜は上手く回転をしながら、冷蔵野菜にくわえると良いと思います。もちろん、毎週同じ野菜を頼んむ場合でも、1-2日で消費できる分に関しては、問題がないと思います。 <果物類> 果物に関しては、一度に食べ過ぎないように与えること、毎日与える必要性はないと思います。果物には糖分が多いので、過剰摂取は腸内細菌のバランスを乱す原因となります(参考)。ただ、毎日ジュースを与えるならば、果物として毎日少量を与える方が、糖分摂取量を控えるという効果はあるそうです。冬の時期は、生果物は体を冷やしやすく、症状が出やすいそうなので、なるべく午前中の摂取にとどめるか、他の時間帯ではジャム状にしたものやパンケーキなどの材料にすると良いと思います。この生ものに関しては、野菜も同様で、温野菜が良いそうです。 <海藻類> 食物繊維が豊富で、ミネラル分にも富みます。アレルギー・アトピーっ子の腸内環境を整える食材の1つとして、栄養的にも便利な食材です。なるべく積極的に食卓にあがるように心がけると良いと思います。抗原性の低いものが多いので、同じ食材が週に3-4回となってもかまわないと思います。ワカメ、ひじき、昆布、海苔など種類がありますので、回転に上手く取り入れると良いと思います。 <調味料> 砂糖や油脂類などをごく少量から使用できるようになります。ただ、あえて使用しないといけないものではないので、お子さんが味なし・塩味・味噌味で食べてくれている時はそのままで充分です。お子さんの食欲が落ちたときなどに適宜利用すると良いと思います。また、お酢等も積極的に利用しても良いと思います。酸味を嫌う場合は、薄める、砂糖・オリゴ糖で甘みをつけるなど工夫をして下さい。 ◇食材の選び方・調理法・食べ方 ◇食物アレルギー・アトピー対応食品 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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