「挑戦することで自信を」発達障害児が音楽を楽しめる教室
特別支援学校の元女性教員が開設
発達障害などがある子どもたちが、
それぞれの特性に合わせて音楽を楽しめる教室がある。
特別支援学校の元教員武藤紗貴子さん(33)=兵庫県西宮市=が、
兵庫県と東京都に計5カ所を開設し、約70人が通っている。
「音楽で子どもの心の土台づくりを」
「チャレンジすればできる体験を身に付けて」-。
そんな願いを込めた教室は、
ドラムなどの演奏で活気に満ちている。
「人と違っていい」と思える環境
武藤さんが2017年に立ち上げた音楽教室
「ツナガリ ミュージック・ラボ」。
神戸市中央区と垂水区、西宮市に加え、
東京都にも2教室を構える。
かつて勤務した特別支援学校で、
「音楽を用いれば、
子どもたちが
気持ちをうまく表現できる
という場面に出合ってきた」
という武藤さん。
一方で、障害があることが挑戦の足かせになっていたり、
自己肯定感の低さにつながっていたりすると感じ、
子ども自身が
「人と違っていていい」「頑張ればできる」
と思える環境が必要と感じてきた。
教室は設立から約6年が経過。
過去に、別の教室で
「指導ができない」「下手だから辞めて」
などと言われ、
武藤さんのラボにたどりついた生徒もいる。
ラボの特徴は、ピアノやドラムなどの演奏を通じ、
生徒の特性や年齢に合った
オーダーメードのカリキュラムを組むことだ。
発達の度合いを調べる検査の結果に加え、
発語の有無や行動、
しぐさなどを1~2カ月観察して決定するという。
「その子に合わせた挑戦を、合った方法で教えることが大切」
と武藤さん。
触られるのが苦手な生徒の場合は、
選択肢を示したカードを指さししてもらうなど、
それぞれにとって最適なコミュニケーション方法を探っている。
■「やってみようかな」日常生活にも変化
「めちゃくちゃかっこいいよ」「ばっちり!」-。
ある日、
神戸垂水教室(神戸市垂水区中道2)を取材で訪れると、
講師の荒井俊一郎さん(42)が、
生徒たちを明るくほめる声が聞こえてきた。
ドラムをたたいていたのは、
同区の中川煌貴(こうき)君(9)と弟の遥貴君(6)。
煌貴君は発表会で披露するために暗譜した曲を繰り返し練習し、
遥貴君はマイクを握ってライブ風に叫びながら演奏した。
見守っていた母絵美さん(44)は
「教室に通うにつれ、日常生活でも
『やってみようかな』
と取り組むことが増えた」
と話す。
また、6年ほど通う新免(しんめん)桃佳さん(15)
は高速の連打が得意で、
荒井さんいわく「ももちゃんのドラムは華がある」。
桃佳さんはいつも、
深呼吸で気持ちを落ち着かせてから
演奏を始めるようにしているといい、
母八恵子さん(52)は
「深呼吸や伸びなどのしぐさを取り入れることで、
気持ちのコントロールを自然にできるようになった」。
練習を終えた桃佳さんは
ミラー越しの自分にガッツポーズを決め、
「ドラム好き?」
と質問すると、
「はいっ」
と元気よく答えた。
いきいきとレッスンに取り組む生徒たちの姿に、
「誰もが自分らしく挑戦できるような社会にしたい」
と武藤さん。
さらには
「音楽を通して子どもたちをサポートできる仲間を増やしていきたい」
といい、
現在、音楽指導者向けの研修を実施している。
教室は2~18歳が対象で、
体験レッスンも受け付け中。
問い合わせはメール
(contact@hitoto-neiro.jp)かラボのホームページから。
【神戸新聞NEXT】
ドラム、きっと誰でも一度は叩いてみたいことでしょうね。
年齢問わずに体験できたらいいですね。☄
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