2009年11月22日に行われた「セ、パ両リーグ誕生60周年記念試合・プロ選抜vs
大学日本代表」。
■青山学院大の小池翔大(3年、常総学院高)は、大学日本代表の8番・捕手
でスタメン入り、3回までマスクを被った。バッテリーを組んだ投手は早稲田大
の斎藤佑樹(3年、早稲田実)、同じ東都大学リーグの東洋大・乾真大(3年、
東洋大姫路高)と中央大・澤村拓一(3年、佐野日大高)の3人。
大学代表チームの唯一の失点は、この小池がマスクを被っている初回に許した。
ただ小池はカウント2-2から外に構えたものの、斎藤の投球が真ん中に入った
たため生まれた適時打(打者・新井貴浩)。小池に責任はない。
また3回には、天谷宗一郎(広島、福井商高)が狙った二盗を見事に刺した。
■ボクは小池を見ていて2つのことを思い出した。 それは「歓喜」と「悔し涙」の
まるで正反対の姿だった。
(1)「歓喜」・・・今年(2009年)7月に行われた日米大学野球でのこと。
東洋大の佐藤貴穂(4年、春日部共栄高)と捕手2人体制で臨んだ大会だったが、
第5戦(7月15日、神宮球場)の延長11回裏、小池は気迫ある粘りの打撃を
見せた。
この回先頭で打席に入った9番・小池はファールで粘り続け、相手投手に15球も
投げさせ、その末に四球を勝ち取った。「何が何でも出塁するんだ!」という強烈
な意志が日本代表のチャンスを作り、その後に3番・加藤政義(4年、九州国際大)
のサヨナラ適時打を呼び込んだ。
小池がサヨナラのホームを踏み、この大会の優勝を決めた。そしてチームメイトたち
の歓喜の輪の中に小池の姿があった。
(2)「悔し涙」・・・今年11月に行われた東都大学リーグの1・2部入替戦でのこと。
秋季リーグ戦で6位に終わった青山学院大は、この入替戦への出場を強いられた。
初戦に敗れ断崖絶壁に立たされた2回戦(11月8日、神宮球場)、結局この試合も
青山学院は国士舘大(2部・1位)に負け、52季ぶりの2部転落が決定した。
初めから青山学院大が敗れるシナリオが用意されていたかのように、2戦ともナイン
を重苦しい空気が包んでいた。2試合とも青山学院は投打ともに精彩を欠いていた。
小池自身も例外ではない。凡打を繰り返し、終始うつむいているように見えた。
2部転落が決まった瞬間、ナインはその場に倒れ、また座り込んで悔し涙を流していた。
小池をはじめあまりに残酷なシーンに見えた。
■小池、今年味わった正反対の体験を生かして、来春は早々の1部復帰を目指して
ほしいものだ。ただ2部ではあっても日本大、駒澤大、専修大などの古豪がひしめく。
復帰は並大抵のことではないが・・・。
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