テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:ロサンゼルスライフ
「15年間、何を見てきたんだろう?」@サンタモニカの山
昨日の夕方、Artist’s Wayのスタッフの ひとりで、助産婦でもあるMarlaが主宰する「サ イレント・ハイク」に行く。 文字通り、一時間近く、何もしゃべらずに歩くだけ。 毎週月曜日のクラスが終わって、何か続けて行きたい と思ってたので、そのきっかけにもなるかも、という のと、単に山歩きがしたくて出かけた。 いつもあさぎのテニスの練習で行く高級カントリークラ ブの近くだが、サンセットを反対に曲がって、2つ目く らいの信号を山の方へ登ること10分。 「うわ、何、これ・・・!」 右手に突然、滝が現れる。 こんな山の中にも高級クラブ(何のクラブか不明だが)が ある。道なりに豪邸が並ぶ。 この奥にサイレント・ハイクの集合場所がある。 待ち合わせの場所には女性ばかり5人。 Marlaのインストラクションを聞いて、歩き始める。 日本では、実家のすぐ裏が山で、小学生の頃からひとりで山 歩きをしていた私にとっては、子供の頃は、ほぼ日常的な行 動であった山歩きも、家族が出来てからはなかなか出来なく なった。 時々田舎に帰ると、時間を作って、すぐに山に登る。 自然との会話は、何にも変えがたい癒しの時間となる。 が、ロスに来てからというもの、この山歩きも、自然との会話 もすっかりなくなってしまった。 最初に来た時の印象がまずよくなかった。 砂漠に出来たこの大きな街の緑が、すべて人工的なものに思え、 日本の自然に馴染んだ私は、最初からこのエセ緑に対して、拒 絶反応を起こした。 以来、空と海以外、ロスの自然を信用していない。 乱暴な話だが、本当だ。 上り坂を、歩き慣れたMarlaが速いピッチで上がっていく。 息を荒げながらも、何とかついていく。 折り返し地点で、みんなで短い瞑想をした後、帰り道は、自分 のペースで楽しみながら歩くことにした。 眼下には、来る時に見えた豪邸が並んでいる。 表から想像したより、はるかに大きな敷地。 しばらくして、ある変化に気づく。 自分の体が、日本の山の中にいる時のように、反応している。 乾燥した山肌には、昼間の熱を吸収しつくしたような褐色の花 が、ドライフラワーのような姿を晒している。 8月の終わりの山ってどんなだったっけ? 日本の季節は、体が覚えていても、カリフォルニアで、こんな 山歩きをすることもなかった私には、サンタモニカの山の季節 感なんてわかるわけもない。 まるで、自分を取り囲む自然のおしゃべりが、急に聞こえて 来た様な騒々しさ。 これまでこの地で生活していたのに、この声を聞かずにいた。 心がザワザワと騒ぐ。 五感が今まで寝ていたことに気づく。 サイレント・ハイクの仲間達は、そんな私の内部で起こって いることも知らず、200mくらい先を、思い思いに歩いて いる。 「Cappa meets Santa Monica Mountain...だな」 改めて、周りの山々を眺める。 足元の草の色を観察する。 山肌にむき出しになった切り株の形を目に留める。 「・・・痛。」 目が痛くなってきた。 ウロコが落ちて、見え始めた風景の新鮮さが痛かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 1, 2006 09:30:41 AM
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