カテゴリ:ペット
次の日。
私と母は、朝一番でドミを迎えに車で走った。 折しもその日は動物病院の定休日であった。 それで先生は、次の日は基本的に病院が開いていませんが、お迎えの時間を教えていただければドアを開けておきますと言ってくださっていた。 そんなわけで、出発する前に連絡して迎えに行ったのだった。 病院に入ると、時々受付にいる女性が我々を見て言った。 (我々はこの女性は先生の奥様という認識でいるが、確証が取れていない) 「ドミちゃん、頑張りましたよー!!手術がちょっと長くなったんですけど、手術に耐えてホントよく頑張りましたよー!!!!」 …涙ぐまんばかりの表情でドミのがんばりを強調して褒めてくれる。 ありがたいけど…そんなに大変だったのか…。 「あ、ドミちゃん大丈夫ですよ、先生が夕べ一晩中寝ずに側にいて様子を見ていたみたいですから。」 …そっちの方が大問題だよ…。 日常診療こなして、夜の7時から3時間近くの手術をして、その後一晩寝ずの看病とか、いくら今日が基本休日とはいえ…。 そして、奥からケーシー(半袖の半身白衣)、マスク、帽子、そして目を充血させた先生が出てくるに及んで、確信した。 先生…うちのドミのために…着替えもせずシャワーも浴びず、そのまま徹夜されたっすね…。 この先生にまかせておけば大丈夫、そう思ってはいたけどさ…それにしたって頑張りすぎ。 「麻酔の覚めも問題ありませんでしたし、やはり痛みはあったみたいですが、今日は水も飲んでおしっこもでましたー。でもさすがに餌は食べませんねー。」 そういいながら、ドミを抱っこ連れてきてくれた。 エリザベスカラーをつけ、片目のところは毛ぞりされ、目を縫い合わされ、その部分は皮下出血していて若干腫れている、まあそんなあわれな見た目だったが、その割には元気そうだった。 きゅんきゅん言いながら我々に抱きついてくる。 …先生も頭をなでて「ドミちゃん、大変だったね、よく頑張ったね。」とか言ってくれてるのに、丸無視。 夕べ一晩、看病してもらったくせに、薄情なんだから…。 ま、しょうがないけどね、ドミ的にはどれだけ優しくしてもらっても、痛いわ、知らない環境だわ、体がつらいわでそんなゆとりがなかっただろうし。 よっしゃよっしゃ、よく頑張ったね、さあおうちに帰ろう。 …とその前に。 「ちょっと最後に注射しておきましょう。」 と先生に注射をされる。 「…キャン!」 …普段、注射なんて痛がりもしないのに…刺激に過敏になってるんだなあ…。 「それと、ここの点滴の針を固定しているテープを取りますねー。」 先生が毛にくっついたテープを、毛をひっぱらないように丁寧にハサミで切って取ってくれてるのに…。 「キャン!キャン!」 …まだ切ってないし。 手でつまんだだけだし。ひっぱってもないし。 それは過敏すぎ…まあしょうがないんだけどさ。 悪戦苦闘してようやくテープを取り、ドミは先に車へ。 私は説明を聞きつつ、お薬等をもらう。 やはり眼球の膜が薄くなっていて、取るのに苦労したようだった。 内服薬をもらい、手術前にちょっと吐いたりしていたので胃薬ももらい(というか先生がつけてくれた)、さらに栄養食の缶を一つ。 「ご飯を食べたがらないかもしれませんが、薬を飲む前に少しでも食べて欲しいので、どうしても食べないときはこれを注射器で口に入れてください。」 と、使い捨ての小さい注射器と一緒に渡された。 食い意地は張ってるから大丈夫…とは思ったんだけど、先生は先見の明があった。 ちなみに、手術代は予想したよりものすごく安かった。 …もう一人お手伝いの先生頼んだのに…入院させて一晩寝ずに世話していただいてるのに…。 大学病院並みだなんて…薬代引いたら大学病院より安いんじゃないの? いいのかな…良心的すぎて、かえって泣ける…。 車にふかふかドミ用ベッドを積んできていたので、それにドミを寝かせ、母が横について様子を見ながら帰る。私は運転手だ。 予想に反してドミは車の中で痛がりもせずずーっと寝ていた。爆睡と言ってもいい状態だ。 よほど緊張して眠れなかったのだろうと母と話しながら帰った。 家に帰ってもドミはぐだーっと寝ていた。 ちょっと体を動かそうと抱きかかえると、世にも哀れな声で「キューン…」と啼く。 ふかふかクッションにあちこち枕や毛布をおいて、なるべく楽な体勢になれるように工夫して、まずは休ませることにした。 (まだ続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 15, 2008 04:50:05 PM
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