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カテゴリ:True Happiness
さて、いよいよ本命の漫画。
これも実は後半1/3くらいしか読んでいませんが、最終回は読んでいるので話の流れはだいたい分かっています。日本に帰って落ち着いたら最初から読み直すつもり。 ここ数年で一番頭から離れないのは、この狂四郎2030とあずみとワンピくらいか。 ワンピは世界観の作り込みの丁寧さと、見た目格好良くない主人公がどえらく格好良く見えるその話の組み立てに感心したから。今後、ワンピを読んだ世代がどんな漫画を描くだろうかと考えると楽しみだ。 あずみはあずみのキャラ設定だけで話を組み立てた漫画と言って良いでしょう。あの漫画にあずみが出てこなかったらそもそも話が成り立たない。でも、ワンピにルフィが出てこなくても話は成り立ちます。要するにあずみはあずみがあずみでありさえすれば、成り立つ話なのです。にもかかわらず、映画化では上戸彩を起用。前も書いたけど、そこはハーフの新人で身体能力の高い若い女優を使うべきだった。身体能力が高いなら沢尻エリカでもOK。ちゃんと役作りすべきところはあずみだけで後はどうとでもなるはずのあずみで、そこをちゃんと抑えなかったから信じられないくらいの駄作となってしまった。ここだけが唯一悔やまれるあずみの欠点だろう。 小山ゆうの漫画はいつもどこか暗くて、不幸を背負っているような主人公がなんとかやっていくというパターンが多いのだが、あずみでははっきりと不幸を背負わせた分、幸というか、救われる部分がしっかりと描かれメリハリが付いて面白くなっていた。これも途中までしか読んでいないので帰国後読んでみたい漫画。 さて、狂四郎2030だ。「狂四郎2030 漫画」で検索してみると、結構な数の好レビューが出てくるのでそちらも参考にして貰いたいが、おすすめはここ。 この漫画、非常な殺人マシーンともいえる男のとして究極の業を背負った男と、色んな男に犯されるまくる女としては最悪の業を背負った女の純愛物語なのだが、これ字面だけ読むと決して成り立たないはずの純愛、ピュアな愛、しかもプラトニックでなく、もっと欲と欲がぶつかり合いながらもそれでも相手を想う気持ちはピュアそのものという希有な漫画です。シェイクスピアも嫉妬をモティべーションとしたイギリス文学も真っ青なストーリーだと思います。小説では決して描くことができないでしょうし、アニメや実写でも性表現がリアルになりすぎてバランスが崩れてしまうでしょう。徳弘正也が描くことによってのみ初めて成り立った漫画です。こんな二人の純愛物語を描けと言われて描ける小説家、漫画家は他に存在しないでしょう。他にも色々あるのですが、それは他のレビューにも書かれているので割愛しますが、まさに手塚治虫賞を取るべき漫画でした。モンスターや20世紀少年なんて足下にも及ばないおもしろさです。(パイナップルアーミーやマスターキートンは結構面白いですけどね。あの人は原作者が付かないと色々と暴走して話がとっちらかるのが欠点です。) この次の作品であるバンパイアも似たような雰囲気の話。ただ自身の政治観を出したのが失敗で、その後失速してしまったようだ。それでも、序盤不老不死の女性の生き方についてちゃんと描けているのは凄いと思う。江川達也も昔似たような設定で漫画を描いていたが、どうにもsexの描き方扱い方が不自然。BE FREE!の頃はその他の部分も色々変だったから結果的にまとまりがついていたが、東京大学物語とかその後の作品はその歪んだ世界観が顕在化してしまってバランスが悪くなっている。(BE FREE!は全部のバランスが悪かったからかえってありだった。) 狂四郎2030の後、同じ質をキープできていないことからも歴史に残って欲しい究極の漫画だと思います。真似しようたって絶対できませんから。 終わり方に不満のあるヒトもいるようですが、私はあれで良かったと思います。 あとお勧め漫画としては風の谷のナウシカがありました。クシャナがそこまで格好良くないので映画版はあまり好きではないのですが、テーマ的にも一番好きな漫画の一つです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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