AMOKの庵

[Science/Medicine] カテゴリの記事

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• 【コラム】日本の科学技術は生き残れるのか？

  本日の事業仕分けは我々にとってかなり重要な案件。本日の案件リストはこれ。実際、昨日までの流れを見ていると、基本的に廃止。それを政治家を使ってぶった切らせるというわけだ。で、今回事業仕分けに挙がっている案件は下記。▽国立大学法人運営費交付金▽大学教育・学生支援推進事業▽グローバルＣＯＥプログラム▽グローバル３０▽組織的な大学院教育改革推進プログラム▽戦略的大学支援プログラム▽大学等奨学金▽科学技術振興調整費（革新的技術推進費、先端融合領域イノベーション創出拠点の形成）▽同（若手研究者養成システム改革）▽科学研究費補助金（若手研究Ｓ～Ｂ、特別研究員奨励費）▽特別研究員事業▽女性研究者支援（科学技術振興調整費「女性研究者支援システム改革」）▽世界トップレベル研究拠点プログラム実はこれらは若手研究者の雇用を支えているものばかり。もちろん、最先端研究開発支援プログラムの残りの500億がそれをカバーすることになるのだが、応募対象者は40歳くらいの立ち上がり始めたばかりの若手300人と女性50人で、上記で挙がっている予算を持っていた大物とは微妙に層が違います。恐らく路頭に迷う若手が相当数出るでしょう。公の放送よりこちらの方が顔がはっきり見えてわかりやすいです。日本の昼はアメリカの夜なので今日は眠れないかも…

  2009.11.13

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• 【日記】HOMEWOOD SUITES Hilton @ CHICAGO

  今回泊まっているのは、HOMEWOOD SUITES Hilton。キッチン付きのホテルを探すと、こことResidence Inn by Marriottしか見つからなかった。Residence Innは例年シャトルバスが来ないのとWhole Foods Marketが遠いので外したのだが、実際今年はバスが来るようだ。とはいえ、食材および水の購入で店が近い方が良いのでやはりここしか選択肢はなかった。宿泊費は一人150ドルまで出るのだが、ここだとどうしても足が出てしまう。それで、駄目ということはないので食費を多少削るのと、前日入りや翌日出立をしないことで経費削減すれば他の人と大して違わないだろう。学会の醍醐味は、ポスターもさることながら毎日支給される食費50ドルでいかに美味しいレストランに行くかというのもあるのだが、今年は知り合いがあまり来ていないことも重なって未だにまともなレストランに行っていない。一応最後の夜の今晩行く予定だが…昨日は飲み会で結局3次会まで行き、帰りはほぼ午前3時だった。シカゴはリトルニューヨークと呼ばれるように高層ビルが整然と並ぶ大都会だが、マンハッタンと違うのはビルが新しいこと。よって道も綺麗。イメージ的には裏通りがなく、かといって一階にはちゃんとテナントが入っている東京都心といった感じだろうか。食事に関してはマンハッタンの方が美味しいだろうから、美味しさという意味では惜しくはないのだがもっと外食したかったorzちなみにこのホテル。割とまともな朝食が付きます。さらに平日は夕食もある程度フリーで出るみたいだけど、食材の質が悪いのは明らかなので見てもいません。中には持ち帰りパックでどうみてもランチ用と思われる食事を持ち出している人も結構いました(^^;;

  2009.10.20

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• 【日記】久しぶりのバケーション

  この2ヶ月は本当忙しかった。学会で発表するためのデータ取り。しかも、どんなデータが出るか分からない状態。学会の申し込み締め切りは5月なわけよ。その時はこんなことします。たぶん、こんな結果が出るかもと申し込んだわけ。ところが、そもそもその実験の系が動いていないという問題が発生。何とかリカバリーしたが、それが3ヶ月前。仕込みで2週間は待たないといけない上当然データをまとめる時間もいる。毎日がジェットコースターというか、絶対その日にしないといけない実験でスケジュールで一杯の上、さらにルーチンの仕事と、その上本来の仕事を同時進行させないといけない。失敗したらジ・エンドというぎりぎりの状況の中、出るデータが全部ポジティブデータ、しかも、予想したものよりも良いというか、想像しうる最善の結果が出続けてね。本日、最後の実験でまぁ軽く失敗して終わったけど、とりあえず一息付けそう。昨日は嫁さんのポスターと自分のポスターを午前2時過ぎまで作成。コーヒー600mlくらい飲んでしまった。うちのラボは珍しくボスがポスターを一切チェックしない。ラボでもチェックしない。野放し。まぁ、ポスターなんて記録に残らないからね。逆に言うと、時々ポスターの中には一般的には受け入れられないけど非常に魅力的な話を書いているものもあるから侮れないんだけどね。嫁さんのポスターを作ったのは、翌朝別の仕事をしてもらうため。私が苦手な作業なのよ。しかも、午後のミーティングまでに必須のデータでしかも嫁さんにしてもらったのはあくまで仕込み。そこでポジティブデータがでないとまずいという状況で超ドキドキ状態だった。その上、昨晩は取れたデータをボスに送ったは良いのだが、実は過去の発表の矛盾点を突くようなデータなわけ。要するに話に整合性が取れないからあえて無視していた事案。そこに切り込んでいったデータで、当然今まで誰もしていないし、しかも案の定今までのストーリーと合わない結果。ラボとして良いのかどうか、日本人のボスだったら逆ギレしてもおかしくないようなデータなわけ。ラボを支えている仮説を真っ向から否定するわけだからね。で、ボスがどんな態度を取るかわからなくて、さらに午前中は動かせない別の仕事があり、別の建物へ。そこでずっとドキドキしながら仕事していた。コーヒーのせいで眠れなくて睡眠時間は3時間ほどだったけどアドレナリンが出続けて全く疲れない眠たくない状態。ドラッグやっている時ってこんな状態なのかというような感じ。昼間ラボに戻ると、ボスが凄く興奮していたと嫁さんが言うわけ。メールの返事もいつになくAWESOMEとかTERRIFICとかが並んでいる。その上後でベンチに来て直接気に入ったと言ってくれた。こんなの普通のラボだったらあたりまえだけど、うちのボスがわざわざベンチに来るのは大抵論文を投稿したときの最後の追い込みでどうしても直接話さないといけない時くらいなのよ。本当珍しいこと。実はまだ見せていないビックデータがあったりするんだけどね。当然、ポスターには触りというか、基本のデータしか載せていない。ラボのみんなにAMOKの仕事はあんなものかと思わせておいて、帰ってからの仕事の発表で全部まとめてドカンと行きますよぉと企んでいるのだｗ

  2009.10.14

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• 【コラム】Canvas vs Powerpoint

  今日はポスター作成。超ギリギリでかなりヤバイ。といっても、再来週ラボで自分の発表があるのでデータは半分くらいしか載せないつもり。問題はそのプレゼン用のファイル作成だ。どうやら学会期間中にホテルで作ることになりそうorzさて、ポスターを作っている途中に気がついたこと。まず、以前Canvasの整列機能が劣化したと書いたが、そうではなかった。どうやら最初に選択したオブジェクトに合わせて整列されるようになったようだ。それがわかると今の方が使いやすい。Powerpintが一番クソなソフトであることに変わりはないのだが、Mac版のPowerpointを扱ってみると、export機能が付いているではないですか。最新のWin版にもついているのかもしれないが、とりあえず2003には付いてない。今まではPowerpointに落とし込んだら二度と高画質で取り出せない欠点があったが、600dpiとか1200dpiのJpegやTiffファイルで各スライドを取り出せるようになっている。Macで作ったPowerpointファイルをWinで開くと絵がばけたり表示されなかったりするのでこのexport機能は役に立った。ImportするのはもちろんCanvasなんだけど。Canvasの欠点としてはプレゼンの時にカンペを表示できないこと。よって、英語で話すときカンペを用意したい場合は向かないソフトである。動画もたぶん苦手。私の場合はスポンテイニアスに話すのが好きなので、カンペはいらない。原稿を読むだけなんて面白くないじゃん。その代わり事前に何度か練習する必要があるけど。本番でドキドキしながら80点くらいのパフォーマンスを出すときの興奮が好きなのだｗ

  2009.10.13

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• 【コラム】コカインで本当にストレスは取れるのか？

  選挙のニュースですっかり下火になった酒井・お塩ネタ。酒井法子はコカインをやることで、洗濯や掃除などやる気が出てきたと言っているそうだ。また、芸能人コメンテーターの中にはストレスがあるからといって麻薬に逃げたら駄目だと言う。では、本当にストレスに効くのだろうか？例えば、コカインほど強くないが、シナプス間隙のドーパミン濃度を上げるメチルフェニデート（リタリンとか）は少し前までうつ病の治療薬だった。（中毒性があるのと、社会問題になったので承認却下された。）このことからコカインもストレスに効くと思いがちだ。ということで本当に効くのかどうか文献などを調べてみた。まず、ストレスでうつ病に近い状態になっているマウスにコカインを投与する。コカインはおよそ30分ほど効果を発揮して行動量が異常に増えます。それを4日ほど続けた後、再度ストレスレベルを調べると、なんとコカインを打つ前よりもより鬱のレベルが増えているようです。この理由として考えられるのは、コカインやメタアンフェタミンを使うとドーパミンが大量に放出されるためかえって枯渇してしまうことがわかっています。つまり、やる気になろうとしてもそのモチベーションが起きない状態です。これと中毒性は別の機序ですが、習慣的にやるようになってしまうのはそれが理由でしょう。恐らく酒井法子は家事の直前にやっていたはずです。30分だけですがとりあえずやる気にはなれる…でも、やればやるほどストレス感受性は上がってしまうという悪循環というのが実情です。最終的には躁状態で落ち着きますが、刺激が強すぎて脳が萎縮してしまい、少しおつむの弱い、でもやたらハイテンションな人になってしまいます。

  2009.08.31

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• 【日記】初めての査読

  今日は朝4時半頃起きたせいもあるが、目がしょぼしょぼしてしんどかったわ。やっぱり昨日の下痢で相当体力をもがれたようだ。さて、昨日今日は-20度の冷凍庫が霜取りのため使えないこともあって初めて頼まれた論文審査をしていた。やってみてわかったのは、別にjournalのランクに関係なく要求する追加実験の内容は変わらないということだ。ただどこまでやるかのハードルの設定を審査側で上下させる感じ。つまり、字面上は同じことを要求するけど、実際にやってきたことに対する判定基準に差を付けるわけ。で、そのことが何となく伝わるように追記するのだ。たまたま私の最も得意とするところの分野だったため（だから頼まれた）、張り切って返事を書いたら3ページ19項目にもなってしまった。カワイソス。でも、基本的に通すつもりだし、やらないといけないことは簡単な実験だけだ。流れとしては最初にべた褒めして、次に一番大事な追加実験の説明をして、中盤にシステムの欠点をちゃんと書きなさいと書いて、その例を挙げる。ただそれって、このシステムが使えない子ってことってくらいみそくそに書いてあるのでそれをどれだけ書くかだよね（いじわるっ、でも、このことはちゃんと言っておかないと世界中の予算が無駄に使われてしまう。）。最後にちょっとした修正と書いていない情報をちゃんと書きなさいとして終わっている。さて、どんな返事をよこしてくるでしょうかね。

  2009.07.18

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• 【コラム】好きな言葉

  大学の先生が授業のあり方について議論しているところで、「これは試験に出すから」というと眠っていた学生まで急にノートを一生懸命取り出すと言っていた。よって、一番大事なことはこの決めぜりふで教えれば大丈夫だと。これにちょっと違和感を感じてね。いや、別に彼らが異常なのではなくて、私が異常なんだけどねｗ私は今まで試験対策で勉強したことはほとんどないわけ。だから試験範囲が決められている学校の中間試験なんかはぼろぼろの成績だったし、受験だって受ける大学の問題の傾向は考えなかったし、対策も取らなかった。だから、過去問もいよいよ最後になってやることがなくなったときにちょっとやった程度だ。大学の授業も基礎は全部自宅でひとりやっていたし、上に上がってからは面倒なので一応授業は全部受けたが、自分で勉強していたのは絶対試験に出ない専門書や各論の本だった。おかげで今でも覚えているのは自分でした勉強で、授業で受けたことはほとんど覚えていない。なんで、そうするのか。逆にだから、そうなのだとも言えるけれど、私の好きな三つの言葉が関係している。それは、無駄、無謀、無理論理的に考えるとそれらは無駄な勉強だ。本来の試験勉強をせずに絶対試験にでないものを勉強しているわけ。最初に設定する目標も絶対無理なところに設定する。でも、それは無謀でできないことを勘案した上での目標だ。そこまで到達できないだろうけど、それでもある程度のところには行くはずである。そこまで行ければよいと考えてやっている。また、仕事に関してもそれは言える。我々の仕事は論理性を最重要視する。しかし、全ての生物学的な現象がすでに分かっている事実と考えられているもので説明できる方が無理があるし、過去常識とまで考えられていたことが逆転したことは枚挙にいとまがない。よって、一見、無駄で無理で無謀に見えるようなことでも、意外な新発見につながることもあり得るし、逆に常識と考えられていたことがひっくりかえることもある。この世界で成功している人はよく論理的に考えることが大事だと学生に教えている。それはこの世界で論文を発表するにはその論文の中で論理性に破綻があってはいけないからである。逆に言うと、嘘でも良いから、AはBになる、BはCになる、よって、AはCになると言えれば通ってしまう世界なのだ。論文では最後にディスカッションのところがあって、別の可能性も考察するのだが、自分の論理を否定するようなことまでは踏み入れない。しかし、いつかその論理性が崩壊する可能性はあるわけ。そのことを恐れているなら、「論理性が一番重要だ」なんて言葉は出てこないはずである。

  2009.07.08

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• 【コラム】ニュースニュース

  -------------------いがわさんは「たんじょうびぜじんつの６がつ２８にちに　げきんな　おなんのこを　しっゅさん　いしたました。ためいんした　ちさいな　ちさいな　いのちの　そざんいは、あまりにも　あっうとてきで　いおとしく、いま　とても　しわあせな　きもちで　いぱっいです」とこんめとを　よせた。いがわさんは１４さいとうしえのファショッンデイザナーまつもとさんと６ねんにけっこん。しごとふっきはたちいょうを　みがならになるという。-------------------今日は午前中公園。その後、フレッシュプリキュアの続きを見る。イースが何故メビウスに心酔しているかの説明があった方が良いと思うのだが、それは来週に期待しておこう。しかし、あれだけ悪役っぽい態度を取っていたイースがいきなり味方になるというのはなかなか気持ちよい。昼は寝不足を解消するために昼寝して、夕方から仕事。すると、アナベルの親から遊ぼうと電話。アナベルはどうやらウェストのGifted & Talentの学校に行けるらしい。どうもそのためにウェストに引っ越すようだ。つまり、ウェストに引っ越すことで、学区が変わったので編入させてくれとGifted & Talentの学校に頼むわけ。そもそもウェストサイドの学校は試験はなくてくじ引きなのでくじ引きの時期が過ぎていれば枠さえあいていれば入ることができる。さて、最初の文だがちょっと古いネタだけど、人は単語の最初と最後さえあっていればちゃんと言葉を認識して読めるという話。ちなみに下記が元のニュース。別に井川遥のファンでも何でもないのだが、適当に最新ニュースからピックアップした。---------------------井川さんは「誕生日前日の６月２８日に元気な女の子を出産いたしました。対面した小さな小さな命の存在は、あまりにも圧倒的でいとおしく、今とても幸せな気持ちでいっぱいです」とコメントを寄せた。　井川さんは１４歳年上のファッションデザイナー松本さんと０６年に結婚。 仕事復帰は体調を見ながらになるという。

  2009.07.06

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• 【コラム】ウォール街とコカイン

  情報のソースが又聞きなので、どこまで本当かはわからないが、ウォール街で働いているビジネスマンの9割がコカイン中毒という話がある。英会話教室のアメリカ人に聞いた話なので、9割とはいかないまでも割と蔓延している可能性は高い。実際、アメリカの高校生の麻薬使用率が50%以上であることを考えると無い話でもないだろう。ウォール街で働いてるヒトがリッチなのは確かだから、金ほしさに無茶をするということはないだろうが、無茶な取引を仕掛ける可能性はある。アッパーな状態で理性的な判断ができるとも思えないからね。一方、下級市民はコカインは高いのでクラックを買うことが多いそうだ。まぁ、ブームは過ぎているらしいがそれでもコカインには手が出ないらしい。で、クラックの方を違法扱いにしてウォール街のヒトは捜査しないのだと。日本でも田園調布かどこかで密売人のイラン人が逮捕されて、犯人曰く空前の売り上げだったと自白しているにもかかわらず実際に買った人が逮捕されたという話は聞かない。あまりにひどいから少し釘を刺したといった扱いだったのか？よく中毒から抜け出せないのは意志が弱いからだといった調子の記事が出るが、一度落ちてしまうともう意志でどうこうできるわけではないからね。日本では蔓延度が低いからリハビリ施設も充実しないのだろう。ちなみに中毒のメカニズムは、たばこも大麻もコカインもSEXも基本的には同じ。作用する受容体が違うので、シグナルの流れは違うが共通して蓄積する蛋白質があり、共通して反応する電気生理学的な変化もある。さらに実は中毒は遺伝したりする。後天的に親の生活を自然とまねてしまうこともあるだろうが、生き別れの場合でも遺伝する可能性があったりするわけ。メカニズムはまだ全然わかっていないけどね。一方で、メタルミュージシャンで完全に克服できるヒトもいるわけでこれも解かなければいけないメカニズムだろう。記憶しているネットワークの細胞が死んでしまっただけというのが最初に考えられる仮説だが、それだけじゃない気もするし…一応、脳の側座核にある遺伝子変異体をぶち込むと中毒自体は抑えることができるが、それ以外の効果が全く分からないのでヒトではまだ無理。中国で試してくれないかしら(^^;;

  2009.06.04

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• 【コラム】抗がん剤は癌を悪化させる話

  昨日のナルトの話からふと思ったこと。抗がん剤耐性癌細胞というのがある。抗がん剤を使っていると、それが効かない癌細胞が増えてくる場合があるという話だ。ほとんどの抗がん剤は細胞死を誘導する薬物である。そして、それが何故癌に効くかというと癌細胞の増殖スピードが速くて、その薬物が主に増殖している細胞を選択的に攻撃できるからである。また、抗がん剤は増殖している細胞だけでなく、そういう毒物に対して耐性の弱い細胞も殺してしまう。これがいわゆる副作用となって現れてくる。増殖している細胞とそうでない細胞の大きな違いは染色体の状態にある。増殖している細胞は染色体がほどけて場合によっては核膜が無いときもある。一方、そうでない細胞の染色体は基本的に密に凝集した状態である。よって、抗がん剤の多くは染色体を構成する核酸つまりDNAを攻撃するものが多い。どうするかというと、多くはそれ以上増殖できないほどのダメージを与えるのだが、当然その効果にばらつきはある。そして、そのダメージの内容が問題なのだ。基本的に細胞は設計図を含む染色体が重要であるのをわかっているので、それを修復する機能を4重くらいに持っている。よって、多少のダメージは修復可能だったりする。つまり、軽いダメージで済んだ癌細胞はそのダメージを回復できてしまう。その際、異なる染色体同士を結合する場合も出てくると思う。通常はほとんどないのだが、頻度が増えるとそういう細胞も出てきやすい。その組み合わせ次第では抗がん剤が中に取り込まれにくい細胞とか、染色体の異常をものともしない細胞とかが出てくる可能性が出てくる。通常の癌細胞だけなら、最初にたまたま入った変異を持ったものだけで済んだかもしれないものが、抗がん剤を使うことでそういう特異体が出てくる可能性も上げてしまうのである。もちろん、通常の癌細胞だけでもそういう細胞は出てくる。増殖スピードが速すぎて普通に発生するDNAダメージを修復しきれなくて出てくるのである。しかし、抗がん剤を使ったときの比ではないだろう。癌細胞はひとつでも残っていると、また増え始める。そう考えて、臨床の現場では正常な細胞も含めてまず根絶やしにしてそれから残った正常な細胞だけで回復して貰おうというアプローチを取る。これは結局、癌細胞を全部切り取って、そのために作られた傷は正常な細胞に修復して貰おうという外科手術と同じ戦略で、本来体が持っている回復力におんぶにだっこな方法である。よって、抗がん剤を使う条件というのはそういう抗がん剤耐性癌細胞が出てこられないくらいの短期で一気にけりが付けられる場合でかつそのダメージに正常な部分が耐えられる場合である。で、なんでこの話がナルトと関係があるかというと、ナルトって強くなるためいつもトレーニングするじゃない。あれと同じで癌細胞も抗がん剤で鍛えられているんじゃないかとふと思ったわけ。患者さんを不安にさせるからそういう視点で語られることはないけどね。

  2009.05.18

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• 【コラム】 プレスリリース

  サイエンス、特に生物系のプレスリリースは変なものが多い。元々プレスリリースで実際にニュースとして流れるのは記者とコネのあるヒトが意図的に流していることが多い。知名度が上がれば、予算獲得の時に覚えが良くなり有利に働くからだ。それもあって、ほとんどの発表が何故かかなり背伸びした内容となっていて、２ちゃんねるなどを見ると見事にミスリードを誘っているのがわかる。元々基礎研究は臨床にはほとんど役に立たないのだ。ただ臨床で起こった現象を理解するときの基盤として役立つのである。基礎研究で発見した遺伝子なり蛋白質なりをダイレクトに臨床で使うことはほとんどない。しかし、研究費のほとんどが税金でまかなわれているため、いかにも役に立っているような振りをしないといけない心理的圧力が厚生労働省なり、経産省にある。また、本当に詳しい内容を伝えたところで必要なバックグラウンドが多すぎて一般の人は理解できない、もしくは理解したいとも思わない、理解する時間が無いという問題もある。本当に大事なことは二つ。基礎研究はダイレクトには臨床に役立たない。しかし、臨床で実際に起こっている現象を理解する上で必須であり、その情報は多ければ多いほど正確な理解が出来る。医学がサイエンスに近づけるという言い方も出来る。もう一つは、サイエンティスト側からの情報提供の量を増やすべきである。大方の研究および研究者の給料は税金でまかなわれているにもかかわらず、研究者本人にその自覚がなさ過ぎる。ヒトによっては我がの個人的な財産かのように振る舞うヒトまでいる。いやね、本当に個人の財産で研究しているならどんな態度を取っても良いと思うけれど、パトロンである国民のために働いていること、そして、得られた研究がどれほど重要かちゃんと伝える努力が必要なのではないか。日本では一部タレント的に知名度の高い研究者はいるが、タレント活動の宣伝はするけれど我がの、もしくは関連した研究結果を一般の人向けに解説することはほとんどない。ましてそれほど知名度の高くないヒトは尚更である。そういう努力を惜しむから、ちゃんと理解して貰えないのだ。別に臨床にダイレクトに役立たなくても良いのである。ただ正確にこういう部分でつながっていますよという説明をすれば良いのだ。げたをはかせる必要は全くない。そういった発表が多ければ、興味のあるヒトはそれらを紡いでちゃんと正確に理解してくれる。研究費を取る上で、業績だけでなくこういった啓蒙活動も評価の対象としてはどうだろうか。昨今の研究活動はほとんどがキットを使ったものが多く、研究費の多寡とその質の高さが相関関係になってしまい、勝ったものが勝ち続けて、負けたものは這い上がれなくなっている。それをそういった啓蒙活動の質の高さと今後の研究目標で評価して予算を配分すれば、ちゃんとした敗者復活戦になると思う。本当は具体例を挙げようと思ったが、それは明日にでも挙げることとする。

  2009.03.30

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• 【コラム】癌の考え方

  癌は体に必要なもののはずというのは学生の頃から感じていたことだが、その頃は上手く説明できなかった。数年前にその理屈がわかったので細かい各論は省いて概略だけ書いておく。癌というのは遺伝子に変異が入ってできるというのはほぼコンセンサスだろう。いろんな癌があるが、この部分は共通したメカニズムである。その際、変異が入る遺伝子と細胞の組み合わせによって癌のタイプが変わってくる。染色体および遺伝子に変異が入るのは環境の変化に対応するため生物学的に必須の機能でこれがない種はほぼ確実に絶滅する。例えば、致死性のウイルスが流行ったときにそのウイルスに全く反応しない変異の入ったヒトがある一定数いるからこそ今まで人類および他の種は生き延びてきたのである。その際、紫外線など外的要因で入る変異もあるが、ほとんどは細胞内の活性酸素などによって引き起こされる。活性酸素はミトコンドリアを介してエネルギーを作るのに必須であり、また、細菌感染などの時の除菌に役立っている。特にエネルギーを解糖系以外の経路から得ることができ、飛躍的に上がった細胞機能を維持する上で外すことのできないものである。体に異物が入ってくると、まずそれを取り除こうと細胞が活動する。主に働くのは免疫細胞だが、異物は拡散することが多いので実際はほぼ全ての細胞が多かれ少なかれそれに対応する必要がある。その際、当然エネルギーが必要になる。異物を分解するのに活性酸素を使う場合もあるだろう。いずれにしろ、ミトコンドリアが活性化されてエネルギー産生と共に活性酸素も同時に作られる。その活性酸素が遺伝子変異を誘導するわけであるが、これにはもう一つの見方がある。異物が多い場合、それを効率良く処理するため処理能力の高い細胞があると便利である。それが癌細胞である。癌細胞はリミッターが外れて個体が死ぬまで無限に増殖すると思われている細胞（たぶん実際はもう少し複雑）であるが、増殖スピードも正常細胞より早い。それだけ外部から材料を取り込んで次の世代の細胞ために再構成する必要がある。その際、異物も大量に取り込んでくれるので正常な細胞にとっては非常にありがたい存在なのだ。癌細胞の転移についても同様のことが言える。処理工場を各地に建てることで効率良く処理することができる。そのために本部の人間が地方に移転して新しく処理工場を造る。それが転移である。たまに民間療法で、外科手術をせずに癌が治るヒトがいるがそういう見方で読み取ると理由がわかってくる。癌の本質的な治療は、癌細胞が必要ないような体と環境にしてあげることなのである。それがファーストプライオリティーであり、そこを軽視すると程なく再発か、別の癌ができるだろう。癌を取り除くという考え方をしている限り、「治る」の本質は見えてこないと思う。

  2009.03.26

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• 【日記】山ん中先生

  今日はロゥクフェィラーでアイピエス細胞の山ん中先生の講演を聞いてきた。そのうちいつか分生ででも聞けるだろうから別に行かなくても良かったのだが、嫁さんが山ん中先生の英語がどれほどのものか聞いてきてというのと、他にも日本人が多数来るだろうから知り合いがいるかもということで行くことにした。６時頃出発して、エッサベーグルで夕飯を買い、ホームデポで工具を買って、片桐でかぼちゃとしょうがを買っていざ会場へ。エッサベーグルもH&H同様ダズンで買うとひとつおまけしてくれるようだ。会場は500人くらいが座れるホール。しかし、最終的に階段から後ろまで立ち見や座り見で超満員の大賑わい。英語の方は中の上くらい。スピードはかなり遅め。ちゃんとした発音の練習をしていないから英語の発音になっていないが、べたべたの日本語英語ほどはひどくない。文法はちょこちょこ間違っていたが、いかにも日本語英語的な文で、日本人にはわかりやすいが外人にはスピードも合わせてちょっとくどいと感じられたかも。まぁ、英語の実力と業績は別に比例しないのでどうでもよい。それより感心したのはちゃんと笑いをとっていたところ。つかみで笑いを取るのはよくあるが、中盤も始終笑いをとっていたのが意外と凄い。一部英語でつまらなければ、もっと笑いを取れていただろう。話の内容は、今までの研究の歴史。実は15年という短さで、しかも、アイピエス細胞どころか、未分化細胞に取り組んだのもここ5年程度。それまではそれなりに仕事はするけど、ビックヒットもないというどこにでもいそうなポスドク歴。大学院も、ポスドクの最初と最後も全部テーマにつながりがない。ポスドクの最後にした仕事がようやく未分化細胞につながる程度。序盤は、「ちょっｗこの程度の業績ならその辺にいくらでもいるよ～、どうしてこんなに有名になったの？？？しかも、全然未分化細胞出てこないし。」という興味で観衆を見事に惹きつけていました。日本に帰ってきてから、ふとした転機で今のアイピエス細胞の仕事につながっていくのですが、それまでずっと未分化細胞をしてきたヒトはこの発表を聞くと相当悔しいでしょうね。だって、そこにたどり着くチャンスは誰でもあったのです。でも、たまたま山ん中先生だけがたどり着けた。その肝は、まず、分化した細胞から未分化細胞を作るというできるかできないか分からないけど、できたら凄いという一番インパクトのあるテーマを採用し、しかも、その答えを得られる最短のアプローチをたまたま取れたこと。リソースが限られていたにもかかわらず、ちゃんと答えが得られたのはテーマにぶれがなかったことと、そのためのリソースの充実をはかる努力をしていたことだろう。あとはやっぱり、運なのだが強運を引く確率を上げる努力してからこその当たりなのだ。具体的にいうと、最初に日本で作ったノックアウトのneo遺伝子をエンドにノックインしていたからこそ次のステップに移れたこと。さらに、未分化にさせる遺伝子の候補24個にちゃんと答えが含まれていたこと。この二つの強運で見事に結果を得ることができた。また、山ん中先生自身はもっと論理的にごりごりして、自身の業績にあぐらをかいてポリティックになるといった日本の典型的な成功者風のヒトかと思っていたが全然違った。むしろ、その辺にいくらでもいそうなポスドクがたまたま当たりを引いたという感じで、みんなに希望と夢を与えるようなヒトであった。行って良かったと思う。

  2009.03.20

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• 【コラム】医局その２

  ＞＞科にも寄るのですが、実際は教室員の結婚式の仲人で50万、100万と貰えたりします。＞＞地方大学だと、ほとんど強制だったらしいと聞いたことはあります。＞でも今の情勢なら、強制なんかしてたら刺し違える医局員がでると思います。まともな危機管理が出来ていれば、受け取らないし、受け取ってもほとんど別の形で全額お祝い返しをしますね。時代は変わったということです。東京でも一般の人の仲人のお礼は高い方で30万くらいらしいので医師の収入を考えれば、50万くらいが妥当でしょう。100万は外科系のスタンドプレー的な金額です。しかし、全額返されると渡した方の面子をつぶすことになるので、かえって嫌がられるかもしれません。これは時代というより地方の問題ですけど。地方だと私はおまえの結婚を祝いたくないと取られる可能性すらあります。それに今なら仲人なしの結婚式という手もありますから、教室の中の結婚でも無い限り頼まないという選択肢もあります。ただ仲人だけでなく、スピーチを頼むとそれだけで車代として100万という話もあるんですけどね。それもあって、入局前に結婚とか、遠隔地で結婚とかが昔は逃げ道としてありました。それでも、こういった問題は強制でなければ問題ないかなと思います。捕まっている人たちは強制していたから反発で告発されているのでしょう。患者から貰うのは主に外科系で内科系は貰いようがないのであれですが、結局、ばあなさんの指摘した教授の給料が少なくてバイトもできないという部分をこういった収入で補うというバランスがあったのだと思います。こういう収入があったからこそ、文句も出なかった。このお金を持っているヒトが余計に払うというアラブ的な仕組みは意外と機能していて、これが患者側は治療に見合ったお金を払えとか、医師側が仕事に見合ったお金を払えとか言い出すと、それこそお金持ちしか治療が受けられないアメリカと同じ社会になってしまいます。恐らく、コストが最も低いシステムは強制せずに払いたいヒトだけ払うという一昔前のシステムを緩くした方法なのですが、それには医師に対する信頼と尊敬の念が必要なので今のようにマスゴミによる医療叩きがあると無理なのかもしれません。でも、どこに向かえばよいかというと、結局、コストがかかるもっとドライなシステムということになるのでしょうけど、貧乏人が治療を受けられない社会というのは医師にとっても不幸ですよね。＞はっきり言って、上記のような脇の甘い教授は脅され放題。教授間闘争なんかで、リークされて＞アウトですね。今は超簡単に録画できる時代ですし。この辺はやはり人望が大事ということで、チーム医療を質の高いものにする上でも医局員の意向を重視する教授選というのが実は良いのかもしれません。尊敬できる教授であれば、それだけ文句も言わずに黙々と働けるし、働きがいがある。政局や業績だけで教授を選ぶとひどいことになってみんなが不幸になりますよね。患者を増やして大学病院の収入を上げるという意味でもこういった教授選は十分検討に値すると思います。＞＞でも、その大学院に行っている4年間の収入が簡単には得られないことです。＞＞それまで無所属でも、大学院生になったら通常自動的に医局に属します。バイトで十分＞稼げます。ただ、研究に打ち込むほど、バイトが出来ず薄給になる。＞このあたりのバランスが難しいところです。これは知りませんでした。でも、医局に属したらそれなりのお礼奉公が必要ですよね。よもやバイト先を埋めるためだけに入局させるわけではないでしょうし。nonMDから言わせると、研究に打ち込むほどというより、平日にバイトに行くMDの方がふざけているということになるのですけどね。 一般的にMDは研究量が足りなさすぎです。＞＞その代わり、貧乏人は病院にかかれなくなります。＞オリックスはそれを目指しています。「金持ち優遇だと批判されますが、金持ちでなくとも、高度医療を受けたければ、家を売ってでも受けるという選択をする人もいるでしょう。それを医師会が止めるというのはおかしいのです」＞政治を牛耳っている経団連はそういった方向性ですね。本当自分たちがどこに向かっているのか、国民がわかっていないのが困りものです。マスゴミだけでなく、ネットでも医療批判は盛んですから自分たちの首を絞めていることに気付かない…そのうち、昔は良かったなんて言えるだけの年配のヒトもいなくなってそういった状況を当たり前と感じる世の中になってしまうのでしょうか…＞＞私の提案は研究を諦めて医師になりなさいという話なので、＞＞これまでの経験から、研究に対するインセンティブが無ければ、どうみても楽な分野に＞流れると思います。不足している分野の足しにはあまりならないと思います。＞高校生に奨学金で足かせをして、僻地勤務させる方がはるかに現実的ですね＞ただ、もはや崩壊した僻地には指導医が枯渇しているのが大問題私も不足している分野の足しになるとは思っていません。そこは別の策が必要でしょう。でも、臨床現場での研究のレベルの低さは相当なものです。大学院にいってちゃんとした力をつけたヒトは中堅の主力としてあらゆる雑用がまわってくるので研究どころではありません。若い人は経験がないので、その仕事はどうしても遅いし、多角的に取り組めない。経験さえあれば、サイエンスになるような仕事は山のようにあります。一方、元ポスドク側は基本的に研究が好きなのですよ。ずっとMDサイドにいたヒトは研究はあまり好きではないようで、学位さえ取れればよいというあからさまな態度を取るヒトが多いですが、サイエンティストならモチベーションは十分なインセンティブとなります。問題はその研究をするだけの十分なお金があるかどうか。そこがネックになることの方が多いと思います。＞＞経済が回るという意味ではそこまで悪くはありません。＞医療の場合、人件費が５割程度（医師は１割）で、土建業のように一部のものが大部分＞をせしめる構造がすくないですから、広くお金がいきわたります。＞公共事業よりはマシな分野に金をかけてほしいですね。そういった意味では、今回の定額給付金は公共事業よりははるかに良策と思っています。この辺は一度利権を握ったものはそこで得たお金を使って、維持しようとするからなかなか厳しいですね。とりあえず、2世議員は同じ選挙区から出馬できないようにすることから始めないといけないのですが、すでに２世議員が半数以上を占めるので無理という…いっそのこと小沢一郎が自爆覚悟でそれもマニフェストに入れてくれないかしら。＞一例として三重県医師会＞ http://www.mie.med.or.jp/hp/iryou/iryou.htmlここのサイトは良かったです。ご紹介ありがとうございました。公共事業の表が結構衝撃的でした。もっとも、アメリカの道路なんてぼろぼろだし、建物も地震がないしで、100年以上保つという事情もあるのですが…＞バイト料を合わせれば、1300は行きますよ。ただ、なんというか、日本有数の施設なのに、、、ということを考えると悲しい。この金額は一般的な感覚から言うと妥当じゃないですかね。バイト料が結構な比率を占めるとは思いますが…何年もいるような病院じゃないですし。＞＞これは病院側が初診料、再診料をがっつり上げるべきケースですが、＞＞聖路加なんて規定されている少数の無料ベッドを除き、差額ベッド代が最低でも１日35000円前後でしょう。がっつりとっていますね。保険外で月100万はかかりますんで。それでも、経営が厳しいと聞きますが。もうなにがなんだか。そんなに高いのですか。それはそれでびっくり。そして、儲けたお金はどこにいっているのでしょう。そっちが気になります。それとも、山王病院並みに取らないと儲けが出ないのですかね。＞大学の使命は基本は研究と思っていますので、変なことをしなくてもよいような十分な給与と新たな研究者が希望を持てるインセンティブが望ましいと思います。＞臨床現場での研究の問題は指導者がいないというか、指導者の時間がないところです。これはいつまで経っても解決しないでしょう。ということは、実際に手を動かすヒトにあらかじめ研究能力をつけておくしか解決法がないというのも私の提案の背景にあります。

  2009.03.19

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• 【コラム】一石七鳥の医療医学改革＋ポスドク問題の解決法

  本当に医師の絶対数が不足しているかどうかは置いておいて、准医師ではなくて、医師不足を解決しつつ医療医学のレベルを上げる一番の方法。結論から言ってしまうと、生物系のポスドクを医学部で受け入れてしまえばよいのです。もう少し具体的に書くと、彼らはすでにPh. D.の学位を持っています。しかも場合によっては医学博士です。そして一般教養はすでに大学で済ませていますから3年から4年で卒業できるようにします。昔は医学部の最初の2年間は一般教養だけで全く医学の授業はありませんでしたからカリキュラムを工夫すれば可能なはずです。特に昔なら3年生の時に習う生化学、生理学、および免疫学、遺伝学、神経生理学など専門によってはすでに教科書以上の知識を持っているはずですから授業を受ける必要はありません。中には家族持ちのヒトもいますから、医学部に通っている間は年間500万円ほどお金を貸し付けます。無利子が望ましいですが、つけるとしても低金利で。また金額も500万を上限に本人の申請通りでも良いでしょう。4年間だと借金は2000万になります。住宅ローンのように死んだ場合はチャラにします。受け入れの人数は、+20人くらいが望ましいですが、医師会が人数の増員に反対というのなら今の定員の100人の内20人とかでも良いでしょう。そもそも受験生が昔の半分に減っているのに、医学部の定員数が昔のままということは昔なら絶対医学部に進学できなかったヒトも入れるようになっているということですから削るのは問題ないはずです。さらに別に全ての医学部で受け入れる必要はありません。某●●医科大のように受験で合格点を取る女子の比率が高すぎるために女子の合格者の上限を決めているような大学もあるわけですからそういうところが枠として40人とか設けるのもありでしょう。おっさんばかりですが、とりあえず男子ががっぽり入ってきますから男女比の問題はかなり解決するはずです。ポスドクの女子が入ってくる可能性もありますが、その歳で2000万の借金を背負うことを考えると微妙ですし、絶対数も少ないはずですから問題ありません。さて、ポスドク問題について少しだけおさらいしておきます。前にも紹介しましたが、ポスドク1万人計画で国が科学振興のためにポスドクを一気に増やしたのですね。しかし、ポスドク後のポストは準備しなかった。さらには最近の公務員削減の圧力から大学の教員だけ増やすわけにはいかず、むしろ、減る方向にあるくらいでポストはむしろ減っています。教授が辞めた後、次の教授を決めないで放置している教室が沢山あるほどです。一般企業は新卒の大学生を取りたがり、拘りの強いポスドクを取りたがらないというミスマッチがあり、就職もままなりません。アメリカだと主に製薬会社などの収益が日本の10倍近くあるので十分受け入れる余地があるのですが、今にもつぶれそうな国内の製薬会社ではそんな余裕はありません。この結果どうなったかというと前も紹介した博士が100人いる村という状況です。この問題はここやここやここにも載っています。自分の業績と環境を見れば、自ずと芽が出るかどうかわかるはずなのにポスドクまで進んだのは自業自得、自己責任だ。勝手にタクシーの運転手でもコンビニのレジ打ちでもしてせいぜいのたれ死にしなないように頑張ればというのが主に市場原理主義者の勝ち組の言い分です。一方、ポスドク側の言い分は、政府が率先してポスドクを作ったのだからちゃんと責任を取ってポストを作れというもの。まぁね、土建屋に回っている公共事業費をほんの少し分けて貰えればみんな雇えるのですが、それは年金、健康保険、社会保障など切迫している他の分野全部に言えることですから置いておきましょう。中間の意見として、最近の教師は理科の実験もまともにできなくなっているという話などから、小学校、中学校、高校の教師として働けるようにすれば良いという意見があります。まず、最後の教師として受け入れるという案。これ自体は素晴らしい案なのですが、まず既存の教師側が対等な関係として受け入れないでしょう。学歴上は学位があるわけだから彼らより上な訳です。しかし、こと教育という面では素人同然。理科の授業の実験補佐として働く分には問題ないです（そしてその給料としては年間50万程度が関の山でとても生活できません）が、一教師となると別です。ぺーぺーの一年目の教師として扱いたいけれど、下手すると年齢では自分たちより上、学歴も上となると、対人関係のトラブルが絶えないでしょうし、その前に教師側が拒否すると思います。教育論なんて同じ教師でも左巻きからリベラルまで色々いるわけで、その点での経験と知識と理念で上だといっても説得力ありませんし。政府がもっとポストを作れというのは、まぁ、わからないでも無いです。アメリカの研究予算は昔は日本の10倍ほどありました。今は3倍くらいまで追いついているのかな？といっても、研究試薬や機器などは輸入される際に中間マージンをがっぽり取られてその値段は2-3倍、場合によってはもっと増えています。そのため3倍差でも実質6-9倍差とも言えます。但し、日本の研究室の利点は、大学院生をただ働きどころか、授業料を取って働かせられるところ。アメリカだと給料をあげないといけません。さらに給与の税金が30%くらいと日本の3倍ほどあることを考えれば、それだけの研究費や軍事費をアメリカ政府が捻出できるのも納得がいきます。また、アメリカは大金持ちの寄付で成り立っている研究所も沢山ありますね。日本だと税金がかかりますが、アメリカだと免除されるので、どうせ税金として持って行かれるなら自分なりに社会に役立つところに使って貰いたいという意志を尊重するところは素晴らしいです。とはいえ、今の財政状況を考えると、別段イノベーションで新たな産業やお金になる特許を産み出すわけでもない分野にそこまでお金は出せないだろうというのが常識的な見方です。生物系のポスドクが医学部に入るメリットデメリットを考えます。●医学部の研究のレベルが飛躍的に上がる大学の医学部では医師が凄い研究をしているかというそうでもありません。そのほとんどが銅鉄実験（銅でこうだったから鉄ではどうだというもの。但し、追試として過去の発表の真偽を確かめるという意味では有意義です。）ですし、そもそも優秀なヒトにはそれだけ患者もつきますから臨床が忙しくて、研究どころではないのが実情です。一部の大きな科では人数も多いですから機能的に先輩が後輩を指導できますが、地方の大学や小さい科では指導する先輩も十分いません。そこに自分で研究計画を立てることができて、必要な実験技術はほとんど持っていて、さらに教科書にも書かれていない最新の知識を持ったおっさんだけど一年目の研修医もしくは3年目のドクターが入ってきたらどうでしょうか？実験できる環境さえ与えれば嬉々としてやってくれるでしょう。●他の出世を目指す若い医師と競合しないしかも、おっさんですから今更出世を目指して競争するなんてことはありえません。出る杭は打たれる日本社会ですが、折れた杭が「実験さえできれば良いんです」といっているわけですから、出世を目指す若い医師と組んで実験すればよいのです。この点が小中高の教師と違う点です。●医学生の教育内容が充実する20代前半の若者とアラフォーの場合によって子持ちのおっさんやおばさんが一緒に学ぶわけです。人生経験も大きな差がありますし、勉強の上でも教科書以上、場合によっては教科書に載るようなことを発見した人と共に学ぶわけですから彼らから受ける影響や知識は計りしれません。●医学部の教育レベル自体が上がる中堅どころの医師となると、教師のはずの先生が下手すると業績的にも自分より上のヒトの指導することになります。当然、かなり高いレベルの質問も出るでしょう。これは相当なプレッシャーですよ。自ずと半端な授業はできなくなります。一部大学では英語で授業しているようですが、そんな無意味なことよりももっとすべきことがあるはずです。英語は別に発音の教育をするだけで十分です。●医師数の調節がしやすいアラフォーのおっさんおばさんですから実際に働けるのはせいぜい20-30年です。もし、将来医師数が多くなりすぎても、減っていくスピードも早くなりますから調節はしやすいでしょう。●優秀な人材が研究の分野に入ってくる将来MDとしてやっていける道を担保として提示してあげれば、今までそのリスクから研究分野への道を諦めていた優秀なヒトが参入してくれて結果的に日本の科学の進歩につながります。●最新の生物学の知識を持った医師が増えるもう年ですから、教授を狙うとか、高い技術を要する外科系に進むヒトはほとんどいないでしょう。内科的なgeneralな医師になるヒトが多いはずです。とはいえ、最新の生物学の知識を持った医師ですから、当然病気に関して最新の知識を反映させた考察をするはずです。40年前や50年前に医学部を卒業したおじいちゃん先生と比べるといくら経験の差があるとはいえ、病因や治療法に関しては新しいものを見つける可能性は遙かに高いです。また、借金を返さないといけないので、開業するはずですが経験が少ないのであまり人気のないところを選ぶ傾向があるはずです。大学でPIになるという夢は果たせませんでしたが、人生の締めくくりくらい求められるところで働きたいと思っても不思議ではありません。また、ある意味人生の挫折者ですから、高慢な態度を取るようなヒトもそんなにいないはずです。ここでその進路として、救急や産科など足りない科に進ませるとか、眼科皮膚科精神科など比較的楽な科には進めないようにするとか、田舎の地域医療に従事しなければいけないとかの制限は設けない方が良いと個人的には考えていますが、卒後10年後の地域医療への従事というのはありかもしれません。そのために医師の足りない地方出身者の優先的な入学はありかもしれませんが、入学基準と合わせてそれも各大学の裁量に任せるのが良いでしょう。各大学が色々取り組んでベストな方法を実験的に模索していけば自ずと一番良い方法に落ち着いていくと思います。とりあえず、女子ばかりで困っていて、かつ卒業生が出身大学に残ってくれなくて、研修医も足りない、研究する人出も足りない某●●医科大学なんかが取り組んでみてはいかがでしょうか？少なくとも研究に関しては究極の兵隊が集まりますよ。余っているポスドクの数は1万5千人くらいらしいので、全部をこの方法で吸収することは不可能ですし、適性もあるでしょうから知識とやる気のある人をサルベージできれば良いでしょう。デメリットに関してはとりあえず何も思いつかないのですが、何かあればご指摘下さい。

  2009.03.14

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• 【コラム】お酒とコカイン

  東京の高級住宅地で覚醒剤が飛ぶように売れていた事件があったが（そして、買った方を追求しないのが誰のための警察なのかを暗示しているのはいつものこと）、マンハッタンでもWall streetで働いている金融ビジネスマンの中でコカイン乱用が蔓延しているらしい。高校生の半分がドラッグを使ったことがあるようなお国柄ですから、金を持っているやつがはまるのは十分うなずけます。ちなみにメタル系のミュージシャンのドラッグ汚染率は90%近いと思いますが、年を取るとクリーンになるヒトが結構います。まるで自分の意志で克服できたようなことをインタビューで言っていますが、実は加齢によりある蛋白質の発現が減って中毒になりにくくなっている可能性が高いです。でも日本に住んだことのあるアメリカ人に言わせると、毎晩居酒屋でべろべろになるまで飲んだくれているサラリーマンの方がクレイジーなのだそうだ。こちらでは人前で醜態をさらすというのはヒトとしてあり得ないという感覚を持っているのだろう。一方、日本人はなかなか他人と打ち解けないものだから他人との心の障壁を取り除くために酒を飲むことが多い。コカインを使ってもこうはならないだろうから、やはり日本人にはお酒の方が合っているのだろう。北朝鮮のヒトもコカインはコミュニケーションというより疲れたときに使うといった使い方をしている。Wall streetのビジネスマンもそういう意味合いで使っているヒトが多いようだ。だから使って良いということではなくて、薬を求めて犯罪に走るという社会的負の面だけでなく、脳神経のダメージが強くて将来ぼけやすいだろうし、躁転化して無駄にハイテンションになったり、逆に鬱状態になって自殺するリスクが上がったりとデメリットは色々ある。オーバードーズで死ぬことだってある。酒は酒で癌のリスクがぐっと上がるので、飲まないことに越したことはない。だいたいヨーロッパの人でもワインは一杯だけ味を楽しむもので決して次から次におかわりするような飲み物ではないのだ（とアメリカ人が言っていたが、ドイツ人のビールなんかはそうじゃないような気もする）やっぱり子供の頃にコカインをうつとどうなるかをちゃんと見せておくのが大事な気がします。リスクがわかっていれば、それなりにちゃんと行動できるでしょう。ちなみに大麻はもっとたちが悪い側面があります。これはそのうち解説します。

  2009.01.14

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• 【サイエンス】「＜たんぱく質＞アトピーなど誘発、仕組み解明　阪大教授ら」の嘘

  論文を読む前から明らかに変なことが書いてあるニュースがあったのでピックアップ。元ネタはこれ。これが毎日クオリティーなのか…ちゃんと記者の名前を書いているだけ良心的だが、それがかえって悪質な結果となっている。------------------＜たんぱく質＞アトピーなど誘発、仕組み解明　阪大教授ら免疫細胞やがん細胞を活性化させるたんぱく質で、過剰に働くとアトピー性皮膚炎やがんなどを招くと考えられている「ＮＦ－κ（カッパー）Ｂ」が、活動を始める仕組みの一つを、大阪大の岩井一宏教授（生化学）と徳永文稔准教授（同）らが発見した。治療薬開発の手がかりになる成果という。１２日、英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」に論文が掲載される。　岩井教授らは、人体の中で、不要になったたんぱく質の分解を担っているたんぱく質の一種「ユビキチン」に着目した。マウスの細胞を使った実験で、ユビキチンの分子が直列にいくつもつながった「ポリユビキチン」が、別のたんぱく質と結びついて、ＮＦ－κＢに活動を始めさせることを確認した。　ＮＦ－κＢの活性化を抑える薬には、ステロイド剤などがある。しかし他のたんぱく質にも作用するため、さまざまな副作用が生じる。ポリユビキチンはＮＦ－κＢだけを活性化させているとみられるため、岩井教授は「ポリユビキチンの働きを抑えることができる物質を見つければ、今よりは副作用の少ない薬になる可能性がある」と話している。【野田武】------------------まず、おかしいのはNF-kBはトップ５に入るかなりメジャーなシグナル系であることである。メジャーなというのはそれだけ研究されているというだけで別に必ずしもそれだけ重要ということではないが、そこそこ重要なのは間違いないだろう。その働きは病気に関わる癌、免疫、脳神経の３大分野で知られており、別にアトピーだけで活動しているシグナルではない。NF-kBを薬を使って抑えることで、免疫だけでなく、癌や脳神経など多くの生体機能に影響を与えるのは必至である。さらにユビキチン自体は別にNF-kBだけに働いているわけではない。記事にも書いてあるように「不要になったたんぱく質の分解を担っているたんぱく質」である。正確にどれくらいの蛋白質分解にかかわっているかの実数は知らないが、早急に分解されないといけない活性の強い蛋白質の多くはユビキチン系で分解されている。それを抑制してしまうと、その他の強力なシグナルが一切制御されず無秩序に活性化されて、もっと悲惨なことになるのは目に見えている。この手の記事は大抵学者側のリークから書かれている。つまり、岩井教授側から記事にしてよと働きかけた可能性が非常に強い。岩井教授が医師でないならば、新しい発見が実際の医療の現場のこともわからず、脳天気に病気の治療に役立つと思い込むことはありえるが、今回の場合、それ以前の問題である。にもかかわらず、何故そんな嘘をついたのか？野田記者もやばいと直感的に感じたのか岩井教授の言葉として治療の可能性を書いている。一つ考えられるのは岩井教授の立場である。大阪大学は日本で一番ねつ造が多い大学である。びっくりするくらい上も下もねつ造をしている。結果、外から見ると毎年かなり良い仕事が出ているように見える。すると、まじめにやっているところは逆にあそこは駄目だと相対的にみられがちである。結果、多少怪しくても仕事を出すインセンティブが働く悪循環が働いているところなのだ。そういう裏があって、少しでも目立つためにこのような発言をしたのかもしれない。しかし、結果的にかなり格好悪いことになっている。Mixiを見ると、このニュースに本当に期待している患者さんがいるから尚のことたちが悪い。で、先ほど件の論文を軽く見てみた。論文自体は非常に素晴らしいものだった。データ量も通常の論文の３倍くらいあるし、相当しっかりきめ細かく実験している。しかし、論文の中にはアトピーの一言も書かれていない。これはあくまでNF-kBシグナリングの良い仕事の一つに過ぎない。臨床とは全く持ってほど遠い仕事なのである。論文自体が素晴らしいだけに非常に残念である。

  2009.01.13

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• 【コラム】「マウスの記憶の選択消去に成功、PTSDの治療に有効か」←ちょwwwww

  サイエンスがらみの変なニュースをピックアップしていくことにした。元ネタは下記。-------------マウスの記憶の選択消去に成功、PTSDの治療に有効か 【10月23日 AFP】米ジョージア医科大学（Medical College of Georgia）はマウスを使った研究で、マウスの記憶を選択的に消去することに成功したと、23日発行の医学誌「セル・プレス（Cell Press）」に発表した。PTSD（心的外傷後ストレス障害）など、記憶に起因する障害の治療に応用されることが期待される。 　記憶は通常、獲得・連結・保持・想起（再生）の4段階に分けられる。各段階で一定の役割を果たすとみられる「記憶分子」は、これまでの研究ですでに特定されている。 　今回、研究チームは、この記憶分子と呼ばれるタンパク質の一種、「CaMKII（カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII）」の活動を短時間で操る化学的な技術を開発した。CaMKIIは脳細胞間の伝達において重要な役割を果たし、学習・記憶におけるあらゆる局面に作用する。 　チームは、CaMKIIを大量生産するように遺伝子を組み換えたマウスで、短期的・長期的な恐怖の記憶や、新たな物体認識の記憶の再生を操作できるかどうか試験した。この結果、記憶が刺激されたときに、マウス脳内のCaMKIIを操作できることを確認した。さらに脳が刺激に関連する記憶を再生する能力を観察した。 　CaMKIIの操作によってチームは、刺激に関連する記憶の再生を遮断するだけではなく、 その他の記憶再生能力にはまったく影響を与えずに、該当する記憶だけを消去する技術を 発見した。 　研究を主導した同大のジョー・チェン（Joe Tsien）氏は、「記憶の選択消去はもはやサイエンスフィクションの世界だけのものではない」と語る。チェン氏は1999年に学習・記憶能力を強化した遺伝子操作マウス「ドギー（Doggie）」を開発したことでも知られる。 　同チームは、今回開発した新技術はまだごく初期の段階にあると強調するが、将来的には戦争帰還兵などのトラウマ的記憶や深層心理に根付いた恐怖を消去するなど、PTSDなどの治療に役立てられることが期待されている。 (c)AFP http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2531231/3457955-------------実際はNEURONと呼ばれる雑誌に投稿されていた。NEURONはNature neuroscienceと並んで専門誌の中ではトップの雑誌。これ以上となると、いわゆるCNS(Cell, Nature, Science)しかない。Nature neuroscienceの方が派手な結果やトリッキーな論文が比較的多く、NEURONの方は比較的堅実な論文が多い印象か。この論文はトリッキーなタイプ。論文はここ。大学なら読めると思います。CaMKIIが記憶に大事なことはずいぶん前から知られていたことで、この論文の肝はその機能を化学試薬によって調節したという点に尽きる。正直何故NEURONに載ったのか不明なのだが、記憶をやっている脳科学者が多いからだろうか？CaMKIIが記憶に大事というのは昔、利根川進氏が報告してとても有名な仕事なのだがその流れかなと思い調べてみるとやはり利根川研出身のヒトだった。最初の報告も今から見ると不完全な系を使って間違った解釈をしているのだが、CaMKIIが記憶に大事という点だけはたぶん正しい。で、このニュースだが、突っ込みどころ満載。まず、大本の論文にPTSDの言葉は一切出てこない。実験に使っているのが、恐怖記憶の系だから引き合いに出したのだろう。ところが、今日聞いた話では、恐怖記憶を記憶特異的に消すことはできるのだが、そのためにはその記憶を直接思い出すような状況が必要とのこと。その前後に特定の処理をするとその恐怖記憶は消えるらしい。そのため、臨床的にはできるだけ安全な「特定の処理」の開発がまず必要。それについては目処が立っているのだが、問題はフラッシュバックする状況を作る必要があるところ。例を出すと、レイプされた女性を、またレイプされそうな状況において、その前後に薬を飲ませる必要があるということである。そして、今回の論文をその特定の処理に使うことは絶対無理。何故かというと、aCaMKII-F89Gという変異の入った蛋白質を過剰発現させたマウスを使っているから。そんな蛋白質が過剰発現しているヒトはこの世に存在しないし、そもそも、そんな重要な蛋白質が過剰発現しているわけだから、発生そのものに異常があってもおかしくない。あとからウイルスを使って過剰発現させることも海馬だとでかすぎて無理だし、何より他に悪影響がありそうです。蛋白質の機能を生きた動物で外から調節する系を使って、しかも、記憶という脳神経機能を調節できましたよというだけの話で、それで？というのが本当のところ。それよりも、下流のシグナルとか、ネットワークで記憶しているのか、細胞で記憶しているのかとかの方がよっぽど重要で面白い話。

  2008.12.13

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• 【日記】発表

  一昨日は自分の発表があった。結構衝撃的なというか、大風呂敷な内容だったのだが、要旨には一切触れられていないため単純に要旨を見て興味を持ったヒトだけが来たようだ。実際、今日ポスターをまわっていたら私のポスターに来た人たちはみんな同じ遺伝子を扱っているヒトばかりだった。さて、ポスターは作っていたが、説明の練習をしていなかったのでかなり行き当たりばっかりの説明になってしまった。ある程度言うことを決めておけば発音にまでしっかり意識を持って行けるのだが、それができなかったのが悔やまれる。英語を話すときに注意すべきことはsとzをかなりはっきりしっかり腹に力を入れて出す。Rの発音をしっかりうなるようにして出す。二重母音の部分をゆっくり山なりに話す。落ち着いてゆっくり優しく話す。なのだが、実際はそれでも通じないことがある。問題はアクセントとイントネーションでこればっかりは慣れである。いよいよ明日が最終日でマンハッタンに帰る予定。

  2008.11.19

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• 【日記】MacOS X Leopard

  昨晩、外付けHDDをフォーマットしようとしたときに間違って内蔵HDDをフォーマットしてしまいWindowsが立ち上がらなくなってしまった。正確にはフォーマットではなくて、200Mほどのパーティションを消去してしまったのだ。消去した段階では別に異常はないのだが、次からWindowsが立ち上がらなくなってしまったのである。ちょうどシステムが不安定になってきていたところなので、一からインストールし直すことも視野に入れて朝一番に五番街のApple storeへ。ここは24時間営業となっており、中でネットにつながったマックが複数台展示されているため、さながら飲み物食べ物のない無料ネット喫茶のような感じとなっている。五番街でちょっとネットで調べ物をしたいときなどに重宝しそうだ。そこでLeopardを買って帰ってきた。HDDの入れ替えもお願いしようかと思っていたが、どうせべらぼうに値段が高いだろうから、後日自分ですることにした。今だと320GBが100ドル程度のようだ。帰宅後、まず元々使っていたBoot campを立ち上げようとすると期限切れといわれる。そこで内部時計を過去に戻して立ち上げてみるも、消失したパーティションは復活できず。次にXP professionalを再インストール（データは事前に保存していた）。ここで、パーティションをいじっている間にまたもや再度現れた200Mほどのパーティションを消去してしまう。そうすると、今度はMac OS Xのドライブが認識されなくなる。つまり、MacBook ProなのにWindowsしか立ち上がらない状態に。この時点でプレインストールされていたOffice Macが使えなくなる。もっとも別にOffice Macは買ってあるのでインストールはできるのだが。これはこれで別に困らないのだが、極まれにデータのやりとりでMacが必要になることがあるため、結局、Leopardをクリーンインストールすることに。Mac用のドライブを15GBに設定するとぎりぎりとなってしまった。まぁ、Macはほとんど使わないからそのままXPをインストールして次々にソフトを入れていくことに。まずはXPとOffice (Word, Excel, PowerPoint)を入れてUpgrade。さらにCanvas 11クラリスインパクト3.0Firefox3.0を入れる。SigmaPlot10は11が発売されていたため、11を購入して後日入れることに。アップグレード版で199ドルだった。（アカデミックも同価格）11は統計機能が付加されているため、今までANOVAで使っていたKaleidaGraphはとりあえずインストールしないことに。ウイルスバスター2009もダウンロードしてインストール。年間契約ではなかったはずなのにまた年間契約方式に戻っている。2005年に4ライセンスくらい買って（実際に使っているのは3ライセンス）、2008でも追加料金を払わずに使っていたはずなのだが覚え違いか？サンダーバードも新規にインストール。前のはゴミメールでサイズが1GBを越えていたので今後はしっかりゴミメールは捨てるようにまとめていく予定。BasiliskIIによるMacOS8.1もコピー。ATOK2008のダウンロード版を購入してインストール。類語辞典とジーニアスとライフサイエンス辞書も併せてインストールする予定。他に保留しているのが、Photoshop CS2、CS4を買うかもしれないので保留。Endnote X、Endnote X2になってようやく自動でpdfをダウンロードかつ登録してくれる機能がついた。これでZOTEROを使わなくて済むかも。購入予定。Samplitudeは外付けDVDドライバーを読み込めない状態のため保留。他に細々としたものとしてスキャナーの読み取りソフトDVD焼きソフトOpen Jane解凍ソフトeo, Lhacaftpソフト英辞郎秘密のソフトXなどがある。全部インストールしたらバックアップを取るつもり。

  2008.11.12

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• 【日記】ノーベル賞

  そういや先日、嫁さんがある有名なノーベル賞受賞者の人にサンプルを貰えるかお願いした。その人は業界でもかなり有名な人なのだが、ガードが堅いことでも知られていて、出ていったOBも含めて自分たちのサンプルを外に提供したがらないらしい。もう80歳近いのにね。一応、論文で発表したものは要求されれば出さないといけないという決まりなのだが、ものが無くなったとか、量が少ないからあげられないとか難癖付けてくれない場合もある。特に競争相手には絶対あげないだろう。また、論文が載る商業誌の一部はそういう規定がないため、渡す必要もないというのもある。さて、ガードが堅いと分かっていたので、下っ端の私たちでなくボスが一度連絡してみたところ案の定、「そんなものはない。代わりにどこそこの誰々が似たようなものを持っているはず（私たちも論文でそれを使ったのだ）」と言ってきた。ところが、論文には自分たちでそのサンプルを作ったとある。このことをボスに連絡すると、ボスがさらに連絡してくれて、5分後には「やっぱり、あった」と手のひらを返すような返事があったらしい。で、そんなやり取りがあった翌朝、ベンチにはすでにそのサンプルが届けられていた。同じニューヨークとはいえ、この手のやり取りは本当に早い。で、お礼のメールを送ってくれたテクニシャンの人とついでにボスとそのノーベル賞受賞者にCcしておくと、なんとノーベル賞受賞者から「頑張れよ」みたいな返事が来たではありませんか。ということで、歓喜していた嫁さんであった。（やっぱり、女の子だから返事があったんじゃないかと勘ぐってみたりｗ）

  2008.10.31

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• 【日記】プレゼン準備

  今週末、仕事のプレゼンがある。そのため、今はその準備で忙しくしているところ。だいたいこの2年間一度もプレゼンしていないというのがある意味凄い。まぁ、英語の発音の練習はしていたので、発音に関しては別に不安はそれほどないが果たしてどうなるだろうか。さすがにシニアの部類にはいるので、ドキドキ感はあまりなくて、ちゃんとわかってもらえるかどうかが一番の心配。英語の表現もそうだが、内容がかなり複雑なので理解して貰えるだろうか…だいたいこの仕事、日本でもぽかーんな状況が多かったからね。で、スライドを作ってみたら50枚。時間は議論も合わせて1時間で、発表中も質問が飛び交うので結構時間がかかる。前の大学だと絶対終わらない量だが、今の大学は新たにメンバーが組み直されているので様子見のような雰囲気があり意外と質問は少ないかもしれない。で、発表までこれから毎日昼間家で予行演習していくつもり。今日のタイムは42分。質問がなければ余裕で終われるが、果たしてどうなるか。ソフトはCANVAS11を使った。細かい描写も出来るし、色々と微調整しやすいからだ。そういえば、以前、整列がちゃんとしてくれないとクレームを付けたが、どうやら最初に選択したオブジェクトに合わせて整列されることが判明した。以前のバージョンだと、整列させたいものを全部選んで、一度反対側に整列させてから、本来の方向で整列ということをしなくて済むようになっているわけだが、慣れればそっちの方が早いし、いちいち基準となるオブジェクトを先に選択しないといけないのは結構面倒だ。何も考えずにボタン二つ押すのと、ちゃんと選択の順番を考えて選ぶのでは面倒くささが随分と違う。で、発表は例えば、PowerpointだとあんちょこをPCの下部に出して、でも、プロジェクターではそれが見えないなんて事が出来て、英語の発表の場合、原稿をそこに置いているヒトも結構いるらしい。場合によっては、Jpeg化してPowerpointに移動することも考えていたが枚数が多すぎるのでこのまま行くつもり。よって、あんちょこは無し。あとはひたすら練習することで必要な表現をどれだけサルベージ出来るかである。

  2008.10.21

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• 【日記】ポータブルHDD

  ここ2，3年使っていたポータブルHDDが死にそうになっている。変な異音もしなかったので、伸び縮みする細いUSBケーブルの方が一部断線しかかっていると思っていたのだが、他の機器をつなぐとちゃんと認識できる。ということで、大事なデータもあるため中身をレスキューしようとするのだが、大量にムーブ・コピーさせようとするとハングアップする。そのため、小さなフォルダ毎にちまちま移動して、移動したファイルは消すようにしている。だいたい移動は終わったのだが、やはりバックアップの必要性をひしひしと感じる。一応、バックアップ用のHDDはあるのだが、つなぐのが面倒なのでたまにしかつながない。それに頻繁にセーブするファイルはマイドキュメントに置いてあるので、ますますバックアップを取るのが面倒になるという悪循環だった。現在、バックアップ用外付けHDDとマイドキュメントに一時的にデータを置いているが、スピードが遅い遅い。そこで、当時はほとんどなかったRAID1の外付けHDDにしようかと色々探してみる。日本の価格コムみたいなサイトとしてNextagというサイトがある。そこでピックアップ。ちなみにホテルや航空券も比較できるようだ。調べてみると、RAID1を組めるポータブルとはやや言い難い持ち運びができるHDDのケースは売っているようだ。100ドルくらい。中身のHDDを交換できる分こちらの方が良いのは確かだがやや大きいと感じざるを得ない。それに調べてみると、RAID1を組んでも同じようにHDDを使っていれば、同じ時期に死ぬ可能性があり、あまり保全性としては宜しくないという意見もあるという。MacBookProはマウスを使ってしまうと、あいているUSBポートは一つしかない。そこにたこ足のUSBポートは付けることも出来るのだが、電力供給量が減るらしくACアダプターの付いてない機器は立ち上がらないことが多いわけ。そんなわけでたこ足HDD2台接続は選択肢として選べない。結果的に選んだ案は、まず、全く同じポータブルHDDを2台買う。但し、USBだけでなくFirewireにも対応したもの。選んだのはこれ。クッションが付いているのはアメリカではこれしかないようだ。で、普段はFirewireに1台つなげて使う。帰宅時にUSBにもう1台つなげる習慣を身につけて、あとはフリーウェアのバックアップソフト（フリーになければ、購入）で自動的に差分バックアップをすれば完璧ではないか。HDDを注文する段になって、あるサイトを思い出す。Academic Superstoreだ。ここならもっと安く手に入るのではと調べてみると確かに同じモデルがあった。但し、値段は3ドル安いだけ。ソフトと違ってハードはそう安くできないか。とはいえ、一般に売られている安売りショップも心配なので一応Academic Superstoreに申し込んだ。一度買っているので、登録済みのはずだが連絡無し。アメリカだし、週明けまで待ちか…

  2008.06.09

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• 【日記】ガソリン

  昨日は朝からホンダに行ってきた。タイヤの圧が落ちた原因だが、なんとやっぱりタイヤに穴が空いていたそうだ。あの事故現場を通り過ぎるとき何か踏んづけたのだろうか？ということで、パッチを当てて貰うことになった。1時間ほどかかり20ドルだった。日本で自転車のパンクの修理をしてもらうのに1000円かかることを考えるとえらい安い。普段は車の総点検をして貰うとき、もっと短い時間で120ドルとか取っているくせに何故20ドル！まぁ、一安心してそのまま職場へ向かった。しかし、原因がパンクということは、最近の燃費の落ち込みはやはりクーラーをつけているせいなのだろうか？一時、26.0まで増えた燃費も今では22.1まで落ちている。左足ブレーキを使っていたときが19くらいだからまだましな方だができれば23くらいに抑えておきたいところ。ガソリンの値段もどんどん上がって、とうとうダラスで見た最低価格の倍の値段を見かけるようになった。今まで一番安いときで198とか188があったのだが、最近は378とか386とかがRace tracの価格で、他の安さを売りにしていないところは400を越えているところもある。話変わって、ラボのニューヨーカーが結婚した。相手は隣のラボの大学院生。身近にいる中では一番の美人である。美人ではあるが、アメリカ人には女を感じないので話していると男と話しているような錯覚に陥るｗさて、彼女は医学生なのだが、一緒にNYに来るらしい。アメリカの医学部は転校ができるのだ。びっくり。日本ではあり得ない話だ。国立から私立だから無理をきいて貰えたのだろうか？でも、よく考えたらうちのラボにも医学生は二人いて、二人ともNYに行くので転校だｗ

  2008.06.04

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• 【日記】Defense seminar

  今日は卒業する二人の学生の学位審査（？）があった。？が付くのには理由がある。学位審査の英語名はDefense seminar要するに学生の間に研究したことの正当性と、学習の到達レベル、プレゼンレベルを審査する場である。そのため、日本では3人の教授が事前審査として、プレゼンに対してこれでもかというくらい細かい質問をして研究に対する理解度と、科学的なものの考え方がどれだけ身についているか確認するのである。この時、ダメ出しされると再審査、もしくは学位が取れないということになる。臨床系ではなぁなぁで甘い審査が多いかもしれないが、基礎系ではかなり厳しいことが多い。しかも、その審査は予備審査であり、本審査は教授会で行われる。但し、予備審査で通っていればまず落ちることはない。たぶん、この形式はアメリカのDefense seminarを丸々パクっているのだと思うのだが、私のいる大学では防御というより、普段以上に笑いのネタを仕込んだ仕事の紹介でデータもかなり省いていることが多い。質問も3人の教授ではなく、他の参加者から質問されるだけである。また、日本だと必ずレビューされる英語論文誌掲載が卒業の条件となっていることが多いが、こちらではそれは必須ではないようだ。また実際は、審査する3人の教授が学生の間に半年か年に一回プレゼンを聞いて、深達度とどう展開すべきかの助言を加えるというシステムが取られているため最後はほとんど見る必要はないというのも防御的にならない理由とも言える。この審査教授に対して現金を渡していたとして、横浜市立大学医学部が問題になっていたが、未だにこんな習慣が残っている大学があったのねとびっくりしてしまった。そういう時代があったのは確かだが、私の頃は菓子折を持っていくだけだった。それでも一部の医局では菓子折に現金が100万入っていることもあるという話もあったが（審査する教授に対してでなく、所属している医局の教授に対してである、アホな話だｗ）さて、今回、卒業する学生。歴代の学生の中でもトップ3に入る業績で4年間で一人はCell, Science, Neuronx2, PNAS, 他2報（Firstは二つ、ひとつはCNS）もう一人はCell, Science, Neuronx2, Nature Neurosciencex2, 他3報（Firstは一つ）日本だとこんな学生は年に5人もいないだろう。追記発表でのネタというのは、まず教授が学生を紹介するときに、学生の子供の頃から今までの面白い写真（女装など）を使って笑いを取りながら褒めちぎって紹介する。それに対して、発表する学生は教授に対して謝辞を述べるのだが、日本みたいに堅苦しい挨拶ではなく例えば、教授の奥さんにこっそりお願いして教授の子供の頃の写真をスキャンさせて貰いそれをネタにしながら謝辞を述べていくといった感じである。

  2008.05.24

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• 【ショートコラム】CANVAS 11でPowerpoint

  CANCAS XでPowerpointの読み込み書き出しに対応できるようになったと以前紹介した。ところが、CANVAS 11にバージョンアップしてから読み込みは最新のpptxファイルまで対応するようになったが、書き出しは全く出来なくなってしまっている。PowerpointからCanvasに乗り換えたユーザーはそれでも構わないが、ファイルの交換をしている時たまにPowerpointでないと駄目という頑固なヒトがいるのでそういうときに不便になる。あとプレゼンするときにソフトがPowerpointを指定していてかつ自前のPCを使えない場合などを懸念するヒトもいるかもしれないが、Canvasには自前でプレゼンソフトとして機能するようにexeファイルを書き出せるようになっているし、もしくはpdfファイルとして書き出せばプレゼンには困らないだろう。その場合、アニメーションなどは使えなくなるが、余計なアニメーションはかえって気を散らすことになり、伝えたいことがアニメーションの中身そのものでもない限りプレゼンの質は下がることになる。また低画質のしょぼいスライドよりはくっきりはっきりしたスライドの方が好感が持てるというのもアドバンテージだ。とはいえ、プレゼンに使われるプロジェクターの解像度以上のスライドを作っても仕方ないので、一昔前の主流であったビジネス用720pプロジェクターでdot by dotに近い形で表示できるように1024x768でファイルを作ることが多い。でも、これももっと高い解像度の方が良いのかな？あとCanvas 11で直して欲しいバグが一つある。整列時に本来合わせたい線の反対側のラインに整列されることがたびたびあることだ。バグフィックスしやすいもののような気がするが未だにアップデートが発表されない。そんなわけでほとんど使っていない嫁さんのPCのCanvasをXのままにしてしばらく様子見である。

  2008.05.07

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• 【日記】大学院

  昨日は英語のクラスの後、フリマに出した要らないものを日本人の家に届けてから公園へ。ノーベル賞を取ったことのある某有名なボスのラボで働いているヒトなのだが、部下のアジア人とアメリカ人では扱いが違うと言っていた。アジア人にはwork hardを求めるが、アメリカ人にはテキサスアメリカ人的なのんびりした生活態度を許すらしい。アジア人、特に日本人は放っておいてもwork hardするわけだからむしろ精神的に余裕を持たせるような態度を取った方が最終的な効率は良くなるんだけどね。ヒトの使い方が下手だなぁと思った次第。その点、うちのボスは本当に必要なときにだけはっきりと急げというけれどそれ以外は無駄に鞭打つような態度は取らないし、基本的に差別もない。よその大学はどうか知らないが、うちの大学は何故か医学部の5，6年の前に3年ほど基礎に行って博士号を与えるシステムとなっている。つまり、将来医者として働き出すときにはすでに博士号を持っている状態となる。しかも、大学院生にはお金が出るから経済的な不利益はあえて言えば医師としての収入でなく、学生としての収入しか得られない期間が出ると言うこと。しかし、卒業して働き出すとき、いきなり博士号を持っている分就職するときにも有利に働くからトントンか。しかし、3年で論文を書くというのは今の時代かなり無理がある。そのため、そのラボではそういった大学院生のために周りが割を食うことも多いようだ。うちの場合、結果が出やすい系と言うこともあって論文を書くことを心配することはあまりないが、それでも結果が出やすいものを与えられるのでともすると大学院生の方がインパクトファクターが高い雑誌に出したりするがそこはアイデア次第だし、ラボ内での競合競争もないので本人次第だろう。さて、この制度、日本とは真逆の方向性を取っている。というのも、日本では研修医が義務化された。つまり、基礎で学びたくても2年は臨床で研修医をしないといけなくなったのである。実はこれをしなくても医者にはなれて、単に個人で開業する資格が無くなるだけらしいのだけれどとりあえず研修医をするヒトが増えたのは確か。さらに研修医と医局が切り離されたため、医局で今までこき使われていた研修医が将来入局するかもしれないお客様となり、雑用が3，4年目の医師に割り振られるようになってしまった。3,4年目の医師は今まで基礎研究することが多かったのだが、医局の雑用をするために基礎には行かせて貰えなくなり結果的に基礎の研究室に学生が来ない事態となっている。それを補うためにnon MD(医師免許を持たない学生)を受け入れるわけだが、農学部や理学部と違って就職口を紹介するわけでもないので卒業後路頭に迷う学生が増えるという悪循環となっている。その結果、このような事態を悪化させることとなっている。（前にも紹介したような気がする。）この医局制度を解体するという方向性のメリットは若手に自由な選択権を与えることに尽きるのだが、結果的に産婦人科医や小児科医が減り、田舎の病院での働き手が減り、さらには中堅どころを育てる環境に適したヒトを配置出来なくなっている弊害を産んでいる。独立志向の高い優秀な医師は専門機関で臨床の実力はどんどんつくけれど、研究者としての視点を育む時期がないので結果的に実力はあるかもしれないが、教科書通りの力しか身につかない。さらに悪いことに研究費が東大など大きなところに集中する傾向が強くなっており、小さなしかし将来光るような研究の芽をどんどんつむような状況となっている。小泉改革で既存の枠組みを壊したはいいが、結局旧来の日本的な良さをつぶしただけというのはここでも同じような状況となっているのである。

  2008.05.05

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  【コラム】MacBook Proの電源アダプター

  ガソリンが3.44ドル/ガロンまで値上がりしていた。天気予報では洪水警報が出ているのだが、天気図ではどこにも雨が降っていない…昨日の雨が溜まっているということか？そのせいか午前中駐車場が割とガラガラだった。さて、日頃はMacBook Proを使っているのですが、最近電源が頻回に落ちていた。電源アダプターから出たところのケーブルに余裕がなくて折れやすい構造となっている。で、毎日持ち帰っている間に何度も折り曲げられるため接触不良になっているようだった。その部分をある角度にすると電源が通じていたのでだましだまし使っていたが、もし完全に断線してしまって、次のアダプターがしばらく届かなかったら仕事ができなくなるので次のアダプターを買うことにした。その際、今までと同じように扱っていてはまた断線するので職場用と家用に二つ購入して電源アダプターは持ち運ばないことにした。で、注文画面を見て、アップルの消費者レビューを見てみると、すこぶる評判が悪い。何度も折り曲げたせいで断線したと思っていたが、持ち運びせずに机の上に置きっぱなしでも同様のことが起こるらしい。レビューにはmeltという表現が使ってあってよく見ると自分の電源アダプターもそのような状態だった。今回、購入したのは下記のようにサイズが小さくなったもの。しかし、それでも構造的に弱い部分はそのままだし、meltする欠点はそのままのようだ。よって置きっぱなしの使い方でもやはりmeltする懸念があったが、PC本体につないでいなければ電源アダプターは熱くならないようなのでmeltする可能性は低いだろう。今後、MacBook Proをお使いで、かつ家と職場で24時間起動しっぱなしの可能性がある人はアダプターを二つ用意しておくことをお薦めしておきます。そういえば、このMBP、売り上げがかなり上がっているようだ。増えた分のほとんどはBoot campを使ってWindowsをインストールしているユーザーだろう。実際、WinのノートブックでMBP以上に所有欲を満たす商品がないのだから仕方ない。余談だが、こっちではWindowsという表現は使わない。Windows vs Macではなく、PC vs Macで表現される。本来、Personal computerとして使われていたのはMacの方なんですけどね。

  2008.04.25

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  【コラム】フォントを買ってみた

  英語の授業での最後のグループプレゼン用にフォントを買ってみた。締めて15000円也。やっぱり良いと感じるフォントは比較的高い。しかし、一度買ってしまえばずっと使えるし英語フォントはサイズも小さいのでそれほどシステムを圧迫しないのが良い。Fontはここで探した。まずはタイトル用にMonotype Corsiva少し仰々しい感じ。パラグラフタイトル用にもう少し読みやすいものを選ぶ。Bible Script Packageややフォーマルな感じ。フランクな感じのものをとりあえず三つ選ぶ。ITC Weber HandPlain PensleAmerican Writer最後に手書き風味のものを選ぶ。FG Erinかなりコミック調。ITC Weber Handはletterとletterの間が開きすぎているので外す。さらにAmerican WriterとFG Erinの使い道が被ってそうなのでAmerican Writerを外す。代わりにPlain Pensle Boldを追加した。実際のフォントの例は下記。今日来た保育園の遠足の注意書きが面白かったのでそれを例文にしてみた。

  2008.04.02

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• 【ソフト】3DCG歴

  まずは前振り。今の子は学生時代からPCに慣れ親しんでいるが、私の時代はまだワープロの時代。そのため、コンピューターを持ったはのは就職してからになる。それから一気にブラインドタッチや各種ソフト、周辺機器を集めたのだがCGにも興味を持っていた。たまたま職場に5000万ほどかけてUNIXマシンのO2が2台とMAYAが導入されていた。それだけで5000万だったのか、その他のビデオ編集機器群やゴム製の3次元モデル作成機も含めてのものかは忘れてしまったが、O2とMAYAだけで5000万というのは変なので全部含めてだろう。それでも当時のMAYAは数百万円したのではないかと思われるが…で、買ったは良いけど使っているヒトは一人だけで、しかもあんまり使っていなかったので取扱説明の講習会を聞いた後、暇なときに遊んでいた。今から考えると就職1年目は本当に楽しい一年間だった。普通就職1年目はそんな暇はないのであるが、9時5時で帰って農学部に実験をしに行き、昼間も抜け出してこんなことが出来ていたのである。当時はMacOS8.1くらいの時代でO2の処理速度の速さには感心したものである。たぶんちょうどその頃がハリウッドでもMAYAが全盛を振るっていた頃で、その影響で導入したのかもしれない。さて、Macでは六角大王を入れたりしていた。MAYAとの違いにどうもやる気が起きず放置していたが、欲は出るものでWinに移行してから自分のPCでも3DCGを扱いたいと思い出した。そこで色々調べた結果、まずはモデリング用にメタセコイヤを買い、その後の処理用に安くなったばかりのStrata3Dproを買った。全部で5万円以下かな？Strata3Dproを選んだ理由は１） 当時はまだNubus系とポリゴン系が分かれている時代でどうもポリゴンは使い慣れない印象を持っていたこと。２） 蛋白質の3次元情報が公開されているのだがそのデータ形式を取り込めるソフトがStrataくらいだったこと。３） 脳の切断面の図から脳の構造を3Dで再構築したかったのだが、そういったバベル機能的なものがStrataにはついていたこと。といったことが挙げられる。２）は取り込んでみたものの自分の作ったものとの融合が難しくて断念。３）は2D画像の縁取りをイラストレーターで終わらしたところで燃え尽きた。あと数十枚の絵を処理するだけの能力がPCになかったのも痛い。結局、実際に利用したのはメタセコイヤでモデリングした簡単な箱の絵をStrataでレンダリングしただけで終わったような気がする。その他にmcというソフトを使って、組織のスライス写真から3Dを再構築するなんてのをやっていたが、当時のマシンのスペックが低かったのであまり意味のあるデータにはならなかったね。今なら顕微鏡のソフトで簡単にできたりするのだが…その後、MAYAが巻き返しを図るために27万円に大幅値下げなんて情報を得たが、特に書きたい絵もなかったのでスルーしていた。それが…(つづく)

  2008.03.29

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• 【日記】グラント

  某誌の記事で全米で8個以上のグラントを持っている科学者リストでうちのボスの名前が載っていたらしい。全部で22人とのこと。とはいえ、全米トップ22かと言えば、そうではない。一番多い人で32個のグラントを取っているが、そのトータル金額は4900万円だ。普通のR01グラントの2，3個分くらいだろうか。一番金額の多い人で25億円、少ないヒトで2500万円だった。つまり、同じグラントとはいえ、一つのグラントの金額はばらばらということ。2，3個のグラントしか持っていなくても10億円以上のヒトも沢山いるのだろう。日本で言えば、万能細胞iPS細胞がらみだと普通より大きな金額を一つのグラントで持てるような感じ。さて、記事ではうちのボスは5億円の予算を持っていることになっているが、実際はそんな金額を持っている印象はないと言う。というのも半分は大学にピンハネされるからだ。うちのラボは比較的大きいがいわゆるビックラボではない。全部で20人程度だから一人頭2500万円ということになる。これに自分たちの給料が入っているので、半分大学に持っていかれることを考えると…取り立てて大きな金額ではないな…。マウスを飼ったり、マイクロアレイをしたりすることを考えるとむしろ足りないくらいか（一つの実験で100万くらいかかることもある）。日本では主力の大学院生はただ働きの上、ポスドクは低い給料なので予算のほとんどを機器や試薬に使える。試薬類は輸入業者がピンハネしまくりでアメリカの2，3倍するのだが人件費がほとんどかからないのが日本のメリット。おかげで機器類はアメリカよりも日本の方がはるかに新しいものが沢山入っている。その割に良い結果が日本から出ないのはひとつは英語の問題。もう一つは横のつながりの薄さだろう。こっちでは困ったことがあるとすぐに他のラボと共同研究でどんどん進める事が多いのに対して、日本では全部自前でやろうとするのとできないことは諦めるというのが理由だろう。いずれにしろ、その5億円を支える仕事をしないといけないわけで結構なプレッシャーなわけである。で、アイデアはあるが、手が足りないのが実情。早く一区切り付けたいものである。

  2008.03.20

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• 【ソフト】CANVAS 11

  今年の初めになるが、CANVASがバージョンアップして11になった。以前も書いたかもしれないが、再度解説。CANVASは基本的にグラフィックソフトである。PhotoshopとIllustratorとPowerpointを足したようなソフト。Web構築も少し出来ます。さらに今のシステムになってから、Powerpointファイルを読み込めたり、吐き出したり出来るようになっておりPowerpointから乗り換えしやすくなっている。本当に写真を処理したい向きには役不足だが、素人が画像処理する程度なら十分の機能を持ち、プレゼン用のスライドもPowerpointより遙に高い精度で作ることができる。Powerpointの欠点としては１）拡大が4倍、1/4倍までしかできない。CANVASは3200倍までできる。２）一度取り込んだ画像は元の画質よりかなり落ちた状態でしか取り出せない。あらゆるソフトの中で最も低画質になってしまうのがPowerpoint。本当に大事な画像は別に保存しておかないといけないのがPowerpointクオリティー。CANVASだとあらゆるフォーマットで出力できるので、取り込んだファイルだけ保存していても問題ない。３）グラフに文字が絡んだ図を作った場合、図を拡大縮小しても文字の大きさは図に追随しない。元のポイントのままである。これでは図と文字が同じ比率を維持したまま拡大縮小できない。CANVASだとグループ化することでこんなことには絶対ならない。以前のCANVASだとこんなあり得ない仕様はなくて、小さくすれば、小さくなっただけのフォントサイズに変換されたのだが、今のシステムは不安定性をなくすためとPowerpointに歩み寄ったシステムにしてしまったため小さくしても元のフォントサイズを覚えている状態となっている。実際のフォントサイズと異なるためこれにはやや違和感がある。４）私が一番嫌いなPowerpointの特徴は、選択線の太さ。元々ビジネス用のプレゼンソフトということもあるが、まるで小学生の工作時間かと錯覚させるほど選択線が太い。余りに太すぎて背景の絵が見えないほどである。５）あとはものを動かすときの最小幅がやたらと広いことがあるが、これはCtrlボタンを押すことで微調節できる。さて、CANVASである。今回からMacはフォローされなくなって、Winのみとなる。ちょうどMacがBoot campを正式サポートし始めたので、どうしても使いたいヒトはWinを走らせてねと言うことなのだろう。今回の売りはVista対応が一番で、システムの構造は基本的にXと同じ。XPを使い続ける私にはあまり意味のないバージョンアップだが、その他の改善点としてはpdfの読み取り精度がかなり上がっている印象。Powerpointで作って、pdf化された図の一つ一つの構成要素まで再度CANVAS上で調節できるほどだった。また、アプリの各ボタンもVistaに合わせて少し立体的になっているようだ。あと写真の調整用に各社のデジタル写真フォーマットの読み込みにも対応しているが、rawデータから写真をいじるならPhotoshopで構わないと思う。Photoshopの固い牙城を切り崩すよりも、選択肢がなく渋々使われている糞ソフトPowerpointとリプレースできることをもっと強調して欲しいものだ。一番気に入ったのは、ものを選択したときの囲み線。以前は細い黒の線だったのだが、今回、極細の青で縁取りされた細い黒の線になっている。いかにも選択しているという感じであり、かつ背景のものを隠してしまわないように細さをキープしているのが良い。一番対応するAdobe商品はIllustratorなのだが、Illustratorがメッシュ機能を持つことで異次元に行ってしまったためやや置いてきぼりの状態となってしまった。それまで、Illustratorはせいぜいパス線だけが売りで、フリーハンドで絵を描くヒトにはPainterやComicStudioなどがあり、Illustratorは本当に使えないソフトだった。それが、メッシュ機能で一気に存在感が増したのである。メッシュ機能とは何か。それまで立体的な絵を描こうと思ったら、進んだ3D技術を使って、3Dで起こしてそれに光を当てて2Dの絵にするといったアプローチだった。ところが、必要な絵が一枚だけだった場合、3Dで細かいディティールまで再現するのは非常に無駄。そこで、写真を下地に2Dでそのまま写真っぽい絵を書けるような疑似立体化技術がメッシュ機能である。私も解説本までは買ったのだが、Illustratorそのままはまだ買っていない。英語版なら激安で手に入るのでそのうち買うかもしれないが…ちなみにメッシュ機能を使うとこんな感じやこんな感じの絵が描ける。で、CANVASもこれに対抗した機能をつけるのかと期待していたのだが、残念ながらそこまでの機能は追加されていなかった。ということで、やっぱりIllustratorも買おうという話に戻るのである。あともう一つ大きいソフトを入れたいのでできれば、イメージング処理用のPCが一台欲しいのだが、日本から持ってきたPCは船旅の間に死んでしまっており、かといって家にノートパソコンが6台もあるのにさらにハイスペックマシンを組み上げる元気もない状態。そのうち、このMacBook Proが死ぬんじゃないかと少し心配している…

  2008.03.19

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• 【コラム】忘れていた最大の趣味

  色々書きたいことはあるのだが、なかなか時間が取れない。順番が逆になるが、実は十日ほど前から一人暮らしをしている。詳しい事情は後日書くとして、同じ階にいる唯一の日本人女性から「楽しい独身生活ね」なんて言われたが、果たしてどうなんだろうか。先日挙げたように趣味の優先順位から鴨葱をしまくるのかなとか予想していたが、PSPの電源を全く入れない状態。すっかり忘れていたことがあったのよ。最大の趣味＝仕事だｗ仕事といっても、自分の興味のあることをお金のことを気にせずに、雑用の全くない状態で好きなだけ実験する、これが今の私の仕事。日本にいた頃はお金を払って、同じ事をしていた頃もあったが、ここだとお金を貰いながらできる。こんな夢のような環境で仕事できるなんて、たぶん同じ仕事しているヒトでもあまりいないだろう。もちろん、それだけの結果を出さないといけないわけだが、ここ半年は二人ともプレッシャーでなぁ。周りからは英語を話せないあの日本人達は何故雇われているんだろうなんて目でみられるわけよ。（正確に言うと、そうこっちが勝手に感じてるだけｗ）しかも、英語が話せないから機器の使い方などスムーズにいかないことも多くて最初はストレスがかなりあった。それでも、自分の仮説を信じて好き勝手に実験していたのだが、今日ようやく先が見えたよ。みんなへの発表は半年以上先になるが、なるほど確かに英語は話せないが、結果は出せるやつのようだと少しは分かって貰えるだろう。ところで、自分たちのように運の良い人は実はかなりレアケース。まず、自分の興味あることを出来ないことの方が多い。日本ではまず無理。アメリカに来るとき、興味のあることをしているところに行ければよいが、行けたとしても普通は興味の赴くままに実験なんてさせて貰えないだろう。これは自分たちがマテリアルを日本から持ち込んで、最低限の結果が出ることが補償されているからというのがひとつと、私の提案した仮説にボスが興味を持ったからというのがある。実はここに来たとき、ボスから3人分くらい仕事をリストアップされたわけ。全部はすぐには出来ないだろうけどぼちぼちやってねと。正直言うと、あまり面白い話ではなかったの。で、そんなことするならこうした方が良いんじゃないとかなりチャレンジングな提案をしたわけ。向こうの提案もかなり改善してね。チャレンジングすぎることは却下されたけど、そしてその方が良かったと思うのだが、目がありそうなものは残して貰えた。それをずっとしていたのだが、最初のデータがようやく出たというわけ。そんなわけで、ちょっと安心している。三つくらい仮説を立てていたのだが、どうも全部当たりっぽい。まぁ、これからそれらを証明する方が大変なのだが…お金のことを気にせずにというのは、まぁ、普通にビックラボだからね。これはアメリカには結構ある。といっても、そういうところで働ける日本人は限りがあるし、大抵はかなり良い仕事を日本でしてきた人達だ（私たちは違うんだけどねｗ）。NIHなんかだとここよりもっと潤沢にお金があり、何でもディスポでできるようだが、そこまで楽したいとは思わない。自分で調節したいこともあるからね。雑用の全くない状態というのはアメリカで同じ立場で働いているヒトはほぼ全員そうだろう。これが日本だと、下級生の世話や教室の管理などで自分のことがあまりできなくなるわけ。でも、夢のような話でも現実は厳しい。2チャンネルを見ていても、ここ2年くらいで雰囲気はがらりと変わった。みんな先行きが不安なのである。博士の数を増やそうということで大学院の枠を増やして、さらにポスドクを増やした。ところが、その後の就職先は作らずにむしろアカデミックポストは減らす方向になっている。アカポスを減らすのは賛成だが、就職先は増やすべきだろう。詳しい事情は下記のブログにまとまって書いていますわ。http://blog.so-net.ne.jp/catenamas/post-doc-suicide私も同じ立場なわけ。ここでの契約は3年。（実はこれも珍しい。普通は1年で様子を見てから契約延長する。3年というのはビザの最大期間。つまり、最初から最長契約。3年目以降はビザの変更手続きが必要になる。）とはいえ、どんなに長くいても5-6年が限度だろう。私は日本にしがらみがないからそれだけ長く居られるわけで、逆に言うと、帰る場所が無いとも言えるwwwwww問題はその後どうするかである。昔みたいに留学から帰れば、バラ色の人生が待っているなんて時代ではない。というわけで、この夢のような生活をできるだけ楽しむために自ずと仕事しちゃうわけ。土日に加えて、夜もやっているが、好きなことだから別に苦じゃないしね。やればやるだけ結果が出るわけだし。この結果が出る瞬間(世界でその事実を知っているのは自分だけという瞬間ね。)を忘れられなくてみんな樹海に入っていくわけであるｗ 言い換えると、将来、路頭に迷うのは分かっているのにこの道に進んでしまうということ。というわけで、なかなか他の趣味に時間が割けない状態wwwwww

  2007.06.07

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• 【日記】2月なのに…

  150日目 2007/Feb/21 Wedシーボスに買い出しへ。店主に顔を覚えて貰えたようだ。151日目 2007/Feb/22 Thu152日目 2007/Feb/23 Friセミナーがある。学生さんだったため、今一わかりにくいスライドだった。先週まで冬用のスウェットで寝ていたのですが、ここ2,3日はTシャツとパンツで寝ている。それでも結構寝苦しかったりする。まだ2月なのに、なんとなく春のような暖かさなのである。まだ2月なのに…夏は死ぬかもしれませんｗ

  2007.02.24

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• 【日記】137-143日目　凹んでました。

  137日目 2007/Feb/8 Thu特になし138日目 2007/Feb/9 Friセミナーがある139日目 2007/Feb/10 Sat午前中仕事。その後、買い出し。140日目 2007/Feb/11 Sun昼からちーやんとお出かけ。その間に嫁さんが仕事。141日目 2007/Feb/12 Mon全体ミーティング。だいぶ言っていることがわかるようになった。ただ爆笑していた2カ所の会話の内容は不明…142日目 2007/Feb/13 Tue特になし143日目 2007/Feb/14 Wed特になし今更なのだが、一個下の後輩がNatureに載っていたのをたまたま発見してね。ちょっと凹んでおりました。こんなブログ書いている暇じゃないだろうという感じ。あと似たような境遇のヒトのブログを見ると、よくそんな暇があるよなというくらい論文を読んでいる。読んでいるだけならともかくそれをわかりやすくブログ上で説明しているのだ。似たようなのは起ち上げていたが、久しぶりに見てみると内容を全然覚えていない。少なくとも私にとってブログという形式は論文まとめには向いていないようである。代わりに良い方法を思いついたので、今後はそれで行こうかと思っている。具体的には関連する情報を一つの絵にして描いていくのだが、後々の総説や論文を書くとき、またプレゼンのイントロなどで重宝すると思う。で、そのNatureのネタが素晴らしくてね。もうちょっと拡張していけばノーベル賞ものかもと思えるほどの内容である。Only oneの極地で誰もマネできないし、分野的にもマネされないところだしね。それでいてテーマは本質的なんだわ。教科書に載るような内容ね。一方、私のアプローチはやろうと思えば誰でもできるアプローチ。ユニークではあるが、同じ技術を持ったヒトは世界中にいる。すぐマネされるonly oneであるため、number oneであることも同時に追求しないといけないのだ。そのため、常に新しいアイデアを考えておかないといけない。でも、まぁ、ピンチはチャンスというか、ここで感じた危機感と鴨葱で常に脳が活性化されているおかげでこの1年で一番ヒットと思えるアイデアを思いついてね。まぁ、Natureは無理かもしれないが、姉妹紙くらいなら何とかなるだろう。（今のボスの力もあるしね）しかも、共同研究で複数論文が出る可能性がある。そんなわけで気持ち的には少し持ち直した。ただ、また忙しくなってね。そのアイデアを絵にする暇がない。日本での仕事と今の仕事を一つ片付けたら絵にしてボスに見せてみよう。のどから手が出るほど欲しがるようなアイデアではあるからね。

  2007.02.15

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• 【日記】130, 131日目　喧嘩

  130日目 2007/Feb/1 Thuみぞれのような雨が降っている。131日目 2007/Feb/2 Friセミナーがある。ここ2，3日は帰って、夕食の後すぐ寝る生活をしている。熱は出ないが、咳と鼻水が出ています。先々週あたりだろうか、ようやく保育園に慣れたのか、楽しそうに通っていたちーやんがまたぐずり出しました。母親がリリースするときに泣くし、朝も保育園に行きたがりません。ちょうどその頃、癇癪を起こしたときに何でも叩くようになっていたのですね。母親からは「パパがビシビシしてと小さい頃から叩かせているからよー」と攻められましたが、母親も父親も引っ込み思案で気が弱いですから、放っておいてもこの子もそうなるでしょう。しかし、少しでも自己主張できるようにとそうさせていた面もあります。で、どうも同じように友達を叩いてしまったようです。叩いたはよいが実際は弱いですから、その後その友達から冷たくされて、凹んでいたようです。子供の生活に親が干渉するのは良くないので、「お友達を叩いたら駄目よ」とだけ諭して一週間。一昨日あたりからまた楽しそうに通うようになりました。また、癇癪を起こして叩くのも減ったかな？彼女なりに学習したのでしょう。何事も経験してみないとわかりませんから。今回のことはこれで良かったと思います。最近はまた良く笑うようになりましたしね。

  2007.02.03

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• 【日記】124日目　スペシャリティー

  124日目 2007/Jan/26 Friセミナーがある。昼からポスドク候補のヒトのプレゼンがある。私の場合、昨年学会会場でボスと会っただけで、しかも、仕事の説明（過去の仕事と未来の提案）もほとんどせずに二人揃って雇うことが決まったわけだが、今回の候補のヒトはラボのいろんなヒトとインタビューした上、プレゼンまでしていた。とはいえ、ここに来るだけでもほぼ確定なのではなかろうか？たぶん、年間100人以上（もっとかも。1000人はいかないと思うけど…）の申請があるはずでその中からわざわざここまで来るということは人柄などの最終的なチェックと思われるからである…話の内容は大変興味深いもので、最近Nature姉妹紙に載った話だった。機材的には既存のものを使っているが、テクニック的には今のところ世界で彼女しか試したことのないことなのでスペシャリティーは文句ない。あとここはベンチが空いたら、1週間もしないうちに次のヒトが来ることで有名らしい。どの人も何らかのスペシャリティーを持っているわけで、それだけの結果を出さないといけないとなると、結構なプレッシャーである。

  2007.01.28

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• 【日記】116, 117日目　ロシアのCD

  116日目 2007/Jan/18 Thu雨。帰りにWhole food marketに寄っていつもと違う道で帰っていると、玉突き衝突でレクサスが道の真ん中で半壊している。その後、怖くて緊張しながら運転したためかなり疲れて、ちーやんと一緒に寝てしまう。12時に起きて、2時まで鴨葱。117日目 2007/Jan/19 Friセミナーがある。面白い方法論を思いつく。作るのは簡単だろうが、やらせて貰えるだろうか…先日注文しようとした下記のロシアのバンド。● DARK PRINCESS「WITHOUT YOU」「Stop My Heart」http://darkprincess.ru/album1.htmlSATYRIANを調べているうちに見つけてしまったロシアのバンド。これも当たりじゃんか。女性ボーカルをフューチャーしたゴシックメタル。こういうのは安心して聴ける。さすがにアメリカのアマゾンでは売っていなかった(^^;;日本から取り寄せるかどうか悩んだが、eBayで1st albumのみ見つけたので思わず、bitボタンを押してしまった。7.5ドルと安かったしね。しかし、送料が6.5ドルもかかるという。ぐはぁ…という感じ。といっても、合わせて14ドル。日本で買うよりはるかに安いし、通常なら30ドルかかって仕方ないのでよしとする。まだ注文していないが、その他のCDもアメリカだと新品が13-14ドル程度で買える。たぶん、アマゾン経由のケイマンコムで揃えることになるだろう。

  2007.01.20

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• 【日記】110日目　reservedな駐車場 前編

  110日目 2007/Jan/12 Friセミナーがある。昼から初代培養を習う。なんとかできそう。朝、弁当を持って行くのを忘れたため、昼は抜き。いずれにしろ、昼飯を食べる暇はなかった。しょうがないのでWhole food marketsでプリ夕食。帰ってから忘れた弁当を食べた。夕方から大雨。ガソリンが2.03ドル/ガロン。正月が2.19だったので、大幅に値下がりしている。どうも天気が悪い時はガソリンの値段が下がるようだ。昨日は2.06だった。こっちのガソリンは徐々に値下げして、一気に値上げというパターンらしい。正月はたぶん特別手当のために値上がりしていたのだろう。さて、車でどこにいっても、必ずあるのが、reservedな駐車場。誰がreserveしているかというと車いすの絵が描いてあるので、身体障害者ということになる。ところがである。こっちにきて、車いすに乗っている人には病院以外で1回しか見たことがない。一見、身体障害者に優しい社会のようにみえるが、日本に居たときの方がよっぽど頻回に車いすの人や身体障害者のヒトをみかけている。この建前と本音、ダブルスタンダードなところが空恐ろしいところではある。世界的に身体障害者は10人に一人ということらしい。アメリカでは彼らはいったいどこに閉じこめられているのだろうか…

  2007.01.13

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• 【日記】85,86,87,88日目　洗車

  85日目　18Dec2006 Monセミナーがある86日目　19Dec2006 Tue特になし87日目　20Dec2006 Wedシーボスにいく88日目　21Dec2006 Thr特になし先日の洗車の話。洗車をしようということでWal martで洗車セットをいろいろと買い込む。で、日本の洗車パーキングのようなところを探すがなかなか見つからない。それにその日はかなり寒かったのよ。で、洗車するにも子供が寝ている間がベストだと思って昼寝の時間にでかけたが走っている間に起きてしまう。そんなわけで渋々、「Car wash」専門店に入ることにした。日本の洗車機だと傷がつくようなイメージがあったので敬遠していたのだが、こちらは洗剤をかけてゴムべらのようなもので車をひたすらびんたするような感じで洗ってくれるので傷がつくというような感じではなかった。何段階かコースのがあるのだが、料金体系がよくわからなくて、オプションみたいなものの中から一番安いものにしてみたらそれが全料金だった。全部で12ドル。これだけで洗車マシーンにかけた後、ヒトが3-4人で窓から何から拭き上げて、さらに中の掃除もして貰える。一番高いものだとさらにワックス処理の上、レインXも塗ってくれるようだ。それで24ドルだった。こんなことなら最初から一番高いコースにしておくんだったと少々後悔。ちなみに12ドルのコースだとそれこそ8分くらいで全部終わる。時給換算すれば、かなり安いと思うのだが、どうなんだろう。日本で洗車したことがないのでよくわからないが…あといわゆるガソリンスタンド店員という職業がない代わりにこういう職業があるような印象を受けた。そんなわけで最初に買った洗車セットは返品することにした。

  2006.12.25

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• 【日記】73,74,75,76日目 義母と義妹が来る

  月曜日の午前中、義母と義妹が遊びに来た。約一週間の滞在である。最初の二日は家で待機して貰い、3日目にガレリアに送る。4日目も家で待機して貰い、週末観光してもらった。滞在中の一週間、ちーやんは保育園に行かず、おばあちゃんと過ごしたわけだが、もうこんな元気なちーやんは見たことがないと言うくらいハイテンション。ちなみに保育園は半額の325ドル/週であった。帰ってからの3，4日は苦労したが、スカイプで話せるのでその後は立ち直ってくれた。ちーやんにとっての優先順位はばば＞嫁＞＞私なため、ばばがいないとパパと寄ってきてくれるが、ばばがいると下の下の扱いになってしまう。トホホ。クリスマスパーティーは14階にある見晴らしの良いパーティー会場で行われた。Departmentだけでなく、学生さんなど関連するヒト全部が招待されているようだ。最初、お酒を飲みながら会場の周りで立ち話をし、その後、レストランを使って、ビッフェ形式の食事が出ていた。自作ビデオを流していたが、面白さが今一わからず。周囲はよく笑っていた。食事は普通に美味しかった。ダラスの水族館は南米の爬虫類展とミックスしたようなもので規模もかなり小さかったらしい。ケネディー暗殺現場は300円余分に払うと日本語の解説が付いているそうだ。73日目　6Dec2006 Wedガレリアに送る家で食事74日目　7Dec2006 Thr14階でクリスマスパーティー、かなり豪華。75日目　8Dec2006 Friセミナーがある午前に水族館に降ろし、午後からケネディー暗殺現場へ76日目　9Dec2006 Sat一緒に買い出し、North lakeの近くのモール

  2006.12.17

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• 【日記】64,65,66,67日目 音出し2日目

  64日目　29Nov2006いつまで経ってもSSNが来ないため、再請求しに行った。1ヶ月後に送られてくると聞いていたが、すでに7週間経っていたのだ。行ってみると、係のヒトがコンピューターでチェックした後、「Very Bad!!」と一言。1週間以内に送られてくるから来ないならまた来てとのこと。行きの途中にセントラルマーケットに寄る。65日目　30Nov2006みぞれが降り出す。保育園も2時半に終了なので途中で帰ることにする。6回目にして成功！！66日目　31Nov2006成功したものを切り出す。67日目　1Dec2006 Fri電話が通じ出す。電話会社には何も言っていなくて、アパートの管理人にだけクレームをつけただけなのだが…セミナーがある。Targetに行って、携帯購入。パーティーがあったので顔を出す。Sea boseに行く。さて、あまりに音が変なので、チャンネルチェックをしてみると、案の定左右が逆だった。そんなわけでケーブルをつなぎ直す。しかし、それでも音の芯が出ない。スピーカーを壁際にくっつけていたので前の方に出す。よく考えたらオーディオを始めたときからスピーカーは常に壁から1mは離れていたもんね。これで若干立体感が出てくるが、納得のいく音ではない。試しにボリュームを上げてみると、「おおっーーー」濁りのない綺麗な音が出てくる。部屋が広いとこういう音になるのかと方向性が見えてきたが、いずれにしろ、ボリュームが必要ということ。とりあえず、現在は土日にボリューム7絞りぐらいで聴いている。もう少し上げられそうな気もするのだが、家族がいるので微妙なところ。

  2006.12.14

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• 【日記】56,57,58,59日目 ガレリア

  56日目　21Nov2006 セミナーがある57日目　22Nov2006 感謝祭でDepartmentのパーティーがある58日目　23Nov2006 下の階のPIの家で食事59日目　24Nov2006 感謝祭の安売り日。日本だと1月2日に当たるが、アメリカだとこの日が一番安く売るらしい。といっても、余った商品や客引き商品が安くなるだけなのだが…キッチンエイドを買う。54日目の日記は買おうとしただけで買ってはいなかったようだ。この日が安くなるかと期待したが、店頭価格は据え置きであった。インターネットでかなりの値引きを見つけたがSSNがまだ来ていないためクレジットカードが使えなくて買えず。さて、ガレリアとはダラスにある一番の高級モールらしい。ハイウィエ沿いにあるため渋々ハイウェイに乗る。すると、10分もしないうちに到着。信号なしの状態で120kmくらいのスピードで走るとこんなにも早く着くものなのかと驚く。週末の買い出しはガレリア近くまで下で行っているのだが、下だとそこまで30分近くかかるからね。高級モールというからどれほどのものかと思いきや、ワシントンやアトランタで行ったモールよりやや格下という程度であった。一応、有名なブランドの店は全部揃っているようだが、凄く高級という程ではなかった。残念。嫁さんが一番気に入ったのはキッチン用品売り場で、私が気に入ったのは以前書いたタルボット。色の使い方ではベネトンより上手だと思うのだが、何故か日本ではぱっとしない。GAPやバナナリバプリックに行くが、最近アメリカではグランジを少しおとなしくしたようなズタボロの服が流行っているらしく、欲しい服はなかった。ちーやんの洋服とピザ焼き用器具を購入して退散した。

  2006.12.10

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• 【日記】44日目　アパートについて　前編

  44日目(水曜日)セミナーがある。家を大きく分類すると、アパートと一軒家になる。一軒家には本当の一軒家と、一軒家が2-4つに分けられているタイプがある。左右対称の家の構造をしていてそれぞれに別の世帯が入っている状態がよくあるDuplexの構造。アパートにも色々あって、一番良いのは一階がガレージ、二階三階が自分の部屋という三階建てのもの。イメージ的にはこれがコンドミニアムなんだけど、アパートの典型例は三階建てで一階と二階と三階が金太郎飴的に全く同じ構造でそれぞれに別の世帯が入るというもの。日本だと二階建てでこういう構造のものが多いよね。ただ日本と違うのは三階建てである分、構造がしっかりしていて日本のように部屋の音漏れが酷いということはない。あとこっちの家はほとんどが木造である。四階建てであっても鉄筋が入っていないことの方が多い。アパートに住むことにするとほとんどが金太郎飴タイプになるわけだが、折角アメリカに住むのに日本と大して違いのない家に住むのももったいない気がするわけですよ。かといって、一軒家で住める家賃の家は何かこぢんまりとしていて惹かれるものがない。というわけで、ほぼ迷いなく決めたのが今の家。四階建てでたぶん木造。但し、変則的な四階建て。低い丘の頂上くらいに位置しているのだが、斜面に建っているのか、裏から見ると四階建て、表から見ると三階建てという構造をしている。詳しい間取りは明日。

  2006.11.30

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• 【日記】38日目と39日目　ちーやんの病院

  38日目オデッセイの説明会。ちーやんを病院に連れて行く。熱はだいぶ下がってきていたが、今後のことを考えて連れて行くことにする。というのも、あらかじめカルテがないと受け付けてくれないことがあるという話を聞いたからだ。大きな病気を見落としたくないため、健康なときの状態を把握しておきたいというのが理由だろう。その点、日本は自由に受診できるため、本来かなり緊張感のある受診体制なはずだが、実際のリスクをそれほど感じ取れないのが欠点か。もちろん最悪の事態を念頭に置いて処置しているのだが、何が来るかわからないロシアンルーレット状態であり、あまり健全ではないわな。アメリカではそういうのはERが請け負っている。お金がないヒトは無料で受診できる代わりに研修医の練習台となるようだ。いろんな意味で合理的。差は差として認める社会と認めたがらない社会ということか。そのおかげで日本の治安が良いのも確かなのでどちらがよいとは一概に言えないけれど、表面的なこと以外の日本の良さは外から見るとわかりにくいかもね。さて、病院だが、日本人会で二人ほど小児科医を紹介して貰っていた。そこに行っても良かったのだが、結局、ラボの秘書さんが紹介してくれたところにした。やはり、アメリカ人の方がどの医者が良いかという情報は確かなものを持っているだろうからね(^^;;50歳くらいの太った女医さんで、いかにも小児科医らしい診察をして、結局、薬は処方されなかった。薬を飲む必要がないことはわかっていたし、仮に処方されても飲まさないのだが、日本では考えられないことだわな。日本ではムンテラだけで帰そうとしても不満な顔して帰る人もいるからなかなか難しい。医療＝処方という概念をぶちこわせたら良いのだが、薬屋さんが困るし、詐欺まがいの民間療法が跋扈し出すのでそうもいかないのが難しいところ。39日目セミナーがある。

  2006.11.26

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• 【Science/Medicine】VISA 面接　後編

  不備発覚。というか、わからねぇよ。そんなことということ。その前に書類の準備で勘違いしていたのが、面接費用100ドルとSEVIS費用100ドル。同じ金額なのでてっきり同じモノと思っていたけど、違うモノなのね。面接費用はともかくSEVISにお金が必要ということがイメージできなかったので…あわや再度後日面接し直しになるところでした。総領事館の説明では3 buisiness day前に振り込みが必要とのこと。実際は間違いに気付いて振り込んだのは2 buisiness day前。間に合わないと分かっていつつも、書類の返送方法を3週間かかるものでなく、30ドル払って1週間で届く方を選んだ。実際は5日で届いたのだが、その書類は特に必要なかったようだ。で、今回の不備。13歳以下と80歳以上は面接を受けなくて良いと書いてある。そして、100ドルは「面接」費用と書かれている。そのため、J-1である私と嫁さんの分は支払っていたが、J-2VISAである娘は面接も受けないし、請求書も来ていなかったので払っていなかった。どうやら私の番号を使って二人分支払わないといけないようなのだ。そこの銀行で支払ってくださいといわれ、一時的に国外退去（領事館内はアメリカ領ｗ）して支払ってきました。それで遅くなった部分もあるのですが、その後の面接は待っているヒト０嫁さんは一人で英語の面接を受けるかもと当日知らされ、ドキドキしていたようですが、結局、二人揃って、しかも外人から日本語で簡単な質問をされて終わりでした。その後、VISAは3日後くらいに送られてきました。

  2006.09.09

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• 【Science/Medicine】VISA 面接　前編

  徳島で幼なじみと夕食を共にした翌日、VISAの面接のため一路大阪へ。その友人との話。高校生の時、一緒につるんでいたもう一人の友人は今アメリカで働いているのですが、この夏心筋梗塞を起こしたらしい…(^^;;確かに高校生の時から恰幅がよかったが、こんな年齢で基礎疾患もないのに心筋梗塞になれることにビックリ(^^;;肉好きの幼なじみには病気にならない方法を教えておいたｗさて、VISAの面接です。3ヶ月以上アメリカに滞在するにはVISAが必要。種類も沢山あるのですが、私たちはJ-1 VISA。体験談を読むと、1,2時間待たされるが、子連れは早く済ましてくれるという話も。子供は連れて来てはいけないという話も聞きましたが、預ける場所もないので子連れで行きました。予約は8:30-10:30の枠があったのですが、遅れる可能性も考えて10:30にしました。実際行ってみると、予約時間を確認されることもなかったので、予約時間は関係ないようです。最初、総領事館の前である程度並ばされるのですが、前に並んでいるのは3人程度。更に手荷物検査、X線検査（搭乗前と同じ）の後、書類のチェックを受けます。ここでも前に並んでいたのは10人くらい。窓口が5つあるので、10分くらいで自分たちの番が来ました。しかし、書類チェックで事件発生！！（つづく）

  2006.09.09

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• 【Science/Medicine】本気で治すアトピー性皮膚炎

  効果が高いであろうモノから挙げていく。アトピーではないヒトもこれを実践すると、体脂肪が減ってダイエットできるし、疲れもほとんどたまらなくなるはずである。牛乳、卵を食べない。但し、皮疹が悪化しないようなら、卵は少し食べても構わない。牛乳は代わりに豆乳を使うこと。母子共にオーガニックの食事。就寝4時間前になったら、何も食べない。水を一日2リットル程度飲む。断乳。肉も食べない。食べても2-3回/週。少なめに良質の肉を選ぶこと。油は少なめにして、魚を食べること。良く嚼むこと。回数を数えるのは面倒なので、固まりがなくなるまで嚼むと決めておけばよい。野菜ジュース、おかし、コーヒー、ジュース、たばこ、酒は飲まない食べない。夜更かしはしない。規則正しい生活をすること。甘いモノは果物で摂取すること。基本的に風呂は入らない。但し、汗をかいたときはかなりぬるめのお湯をかかる分には良い。その際、青森ヒバを2-3滴たらしたものを浴びると良い。夏であるならば、日焼けに注意して早朝か夕方、30分程度海水に浸かると良い。ミネラルが補給されて肌が綺麗になるはずである。塩水だから傷にしみそうと考えるかもしれないが、塩水だからこそ一切しみることはないので大丈夫。部屋の掃除。掃除機はオキシジェンのものが望ましい。ふとんは毎日掃除機をかけること。外用に関して当然ステロイドは使わない。塗るならワセリン系だがそれよりもダイオキシンの発生しないラップを体表面の半分くらいまでまいておいた方が肌はwetで綺麗になり、鱗屑も減るはずである。掻破により、浸出液がでている部位には青森ヒバ油の入った水で洗った後、亜鉛華デンプンを外用。

  2006.08.30

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• 【コラム】XPについて　後編

  次に分裂していない状態の細胞のDNAに変異が入る場合である。原因は色々あるが、活性酸素による酸化だったり、紫外線による塩基修飾だったりする。余談だが、活性酸素は悪者みたいに思われているが、ミトコンドリアがエネルギーを作るときの副産物であり、酸化された物質そのものがシグナルとして働いている場合もあるので必ずしも不要なモノではない。また、DNAに変異を導入することで環境により適応したmutantを作るという意味で生物学的には非常に重要な働きをしている。こういったDNA傷害を修復する機構としては主に大きく分けて三つの機構がある。一つはBER、損傷塩基修復機構。これは酸化されたりした一塩基を切り出して、適切な塩基を再挿入する機構である。この切り出す酵素をマウスでノックアウトしてもそれほど顕著な表現型は出ない。もう一つはNER、ヌクレオチド除去修復機構でこれにXPAが含まれる。BERのように一塩基だけでなく、20-30塩基くらいをまとめて切り出し、さらに切り出した穴を埋める機構である。道路を掘り起こしてまた埋めているのを想像して貰ったらよい。当然、反応としてはかなり大がかりで関わってくる蛋白質も多い。また、mRNAを転写している途中に修復するモノとそうでないもの二つに大別されている。XPAノックアウトマウスは紫外線で皮膚癌が出来やすい。BERとの大きな違いは複数の塩基を同時に切り出せるので、チミジンダイマーなど複数の塩基にまたがったDNA傷害を修復できるのが特徴。一塩基だけの傷害なら、DNA情報の読み間違いだけで複製も転写も可能な場合があるが、複数の塩基にまたがると複製も転写もストップしてしまうのが、BERとNERの対象の大きな違いだろう。最後はRecQ（ヘリケース）ファミリーで修復機構ははっきり分かっていないが、早老症の原因遺伝子であることが知られている。ヘリケースとはDNAのもつれを修復する活性と思って貰ったらよい。中には精神遅滞など脳神経系の症状を示す場合もある。あと染色体が2本同時に切断されたときに修復する組換え修復が大きく分けて2種類あることが知られている。

  2006.07.26

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• 【コラム】XPについて　前編

  タイヨウのうたの主人公の病気がXP、色素性乾皮症。ドラマでは記号論的脚本のカードの一つとしてしか機能していないので、本当の病気の深刻さはあまり伝わらないが、実際はもっとシビアな病気のはず。私は実際の患者さんに会ったことはないが、ドラマと実際の患者さんでは症状が全然違うのは誰が観てもわかるだろう(^^;;詳しい病状などはググれば色々落ちているだろうから、そっちは省略。病気の原因遺伝子について書いておこう。資料なしで書いているので間違いがあるかもしれないがご了承下さい。ちなみにドラマの主人公はXPAタイプとのこと。XPとは基本的にあるDNA修復酵素の一群のうち、一つに変異が入って生じる病気の総称である。その前にDNA修復について書いておく。DNAはご存じのように遺伝情報を伝える設計図で二本の鎖がジッパーのように結合している構造を取る。ジッパーのかみ合う部分として四つの塩基G-Cペア, A-Tペアが繰り返し配列されている。そのDNAに変異が入る機会は二つある。一つは細胞が分裂するとき、分裂する二つの細胞に同じDNAを分配するためDNAは複製されるのだが、その複製時、コピーを作っているときに入る変異である。この変異の修復はミスマッチ修復酵素という一群の蛋白質が担当している。これらのおかげで変異のないコピーが作られる。

  2006.07.25

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