裏山から戻って、午前10時。
法事の参加者が来始めた。
母の実家のある地方では、来客を迎える際の挨拶は、
必ずお互い正座をし、手を前に揃えて頭を下げるのだけど、
その時に
頭を床につけるまで低くして
「こりゃ~どうも。こん(この)度は・・・」
と挨拶をする。
小さい頃に見慣れた光景ではあるけれど、久々に目の前にすると。
大阪とは違う風習に、やはり、文化の違いを感じずにいられない。
母の妹の叔母に「アコちゃん、お茶だしちきて(出してきて)」と言われ
叔母が淹れたお茶を、お盆に載せた。
半分しか入ってない。
「こしこかい?(これだけなの?)」と私が方言で聞くと
「まっ!!」とケラケラ笑い(私が方言で聞いたのが面白かったらしい)
「こしこでいいよ(これだけでいいよ)」と答えた。
私は、お茶出し係りになって、来た人に出していった。
「お早うゴザイマス。お茶をどうぞ」と一人一人に。
正座はするけれども、床に頭をつけるまでの挨拶は、
やはり照れくさくて出来なかった。
失礼にならないかな・・・
でも私は大阪人だし。(勝手に開き直った^^;;)
「まあ~有難うございます」
お客さんは正座のまま少し深めに頭を下げた。
誰だっけ??
親戚のはずだけど、殆どが誰か分からない。
「あんた~どちらん・・・?(あなた~どちらの・・・?)」
と聞かれ
「あ、○○子(母の名前)の娘です。」
「あ~一番上の?」
「そうです。アコです。」
「あんた、なげ~こつ中国行きよった人ね(あなた長い事、中国に行ってた人ね)」
「そうです。」
「ま~戻ってきたとね」
「はい^^」
・・誰だっけ?^^;;
母を見つけて、
「なあなあ、あん人誰やったかの?」
「誰?(遠めに見て)ああ、キヨちゃんて」
「ふ~ん・・・名前聞いても、思い出せんわ」
「あんたんこつ、可愛がってくれよったつばい(アンタの事、可愛がってくれてたのよ)」
「そうね・・・」
商売人が多い父方の親戚と違って、母方の親戚は普段顔を見せない人が多い。
こういう時にしか会えない人が殆ど。
午前11時になって。
お坊さんがいらした。
皆、座敷へ移っていく。
あれ?お坊さんにお茶は・・・
叔母の顔を見ると 「法衣に着替えたりしてホコリ立つけん、後でいいよ」 と言う。
読経が始まった。
暫くして、
後ろに居た名前を知らない小母さんが
「お坊さんにお茶出さんやったね」 と怖い顔で、ささやいた。
え・・・!?
出さなアカンの・・・??
でも叔母ちゃんが出さなくていいって言ったし・・・
どうして良いやら分からず、そのまま座っていた。
読経は流れている・・・
また暫くして、斜め前にいた名前の分からない小母さんが少し振り向いて
「お坊さん、お茶は・・・?」とささやいた。
またか!?
「いや・・・あの・・・(叔母さんが・・・)」
叔母さんに聞こうかと思ったけど、場所離れてるし。。
どうしたものやら・・・
動くに動けんばい(汗)。
読経が終わって、お坊さんが、お話を始めた。
左隣のオバサンが
「お茶をね、出した方がいいっちゃろね。お話の途中でもいいからね」
また~!?(汗)
結局、叔母の指示でお話が全部終わってからしか出せなかったけど。
大阪の方じゃ、こういう席でのお茶出しは、した事ないし
タイミングが、全然分からなかった(汗)
こういう儀式は、各地方で色々やり方があって難しい・・・
中国じゃ「日本人だから」で済むだろうけど
日本じゃそうはいかないな(汗)
後で叔母に
「おて、お茶は?って三回言われたつばい!(涙)
(私、お茶は?って三回言われたよ!)」 と訴えておいた。
この叔母は福岡に嫁いでいます。。
法事は無事終わり、夕方から、
この叔母夫婦と私の両親&私で、天ヶ瀬の温泉に移動。
つづく。
←是非1票お願いします!(別窓)
よろしければ 【壱】大分…母の実家 もどうぞ^^
今から母が「がめ煮(九州郷土料理)」を作るらしい。
我が家では毎年お正月に食べます。
手伝ってきます!!