|
カテゴリ:カテゴリ未分類
明けましておめでとうございますm(__)m。今年も多少、世の中を良い方向に転がせるよう、微力を尽くしたいと思っております。
さて、標題の件。少々前回の補足をば。 10年ほど前だったでしょうか、「レギュラーガソリン仕様車にハイオクを入れると調子が悪くなる」と言われていた時期がありました。実際、プラグがかぶったり、燃費が悪くなるという現象が起こりましたが、これには2つの理由があります。 ひとつは、燃料噴射のフィードバック制御がプリミティブであったことと、ハイオクのオクタン価向上剤にMTBE(メチルターシャリー・ブチルエーテル)という物質が使われていたからなんです。 MTBEとは、名前から想像できる通り、アルコールの仲間です。となると、分子構造中に酸素を含んでいるんですね(だから含酸素燃料などと呼ばれます)。 そして、かつてのプリミティブな燃料噴射制御というのは、排ガス中の酸素の量が、燃料の噴射量を決める大きな要素となっていたのです。 排ガスを浄化する3元触媒は、ガソリンと空気の比率が14.7プラスマイナス0.2ぐらいのところに無いと、十分に能力が発揮できません。この比率は「理論空燃比」と言って、ガソリンが完全燃焼(酸素と化合)したときに、酸素分子がひとつも残らない状態を言います。 そこで、排気管の途中に酸素センサーを付けておき、排ガス中に酸素が検出されると「空気の割合が多すぎるのだな。ガソリンの噴射量を増やさなくちゃ」という制御が行われるわけです。 ところがMTBEが添加されるようになると、それを想定していなかったコンピューターに狂いが生じてしまいました。「酸素が余ったから」と思って燃料の噴射量を増量しても、実はその酸素はもともとガソリン中に含まれていたもので、決して燃料の噴射量が足りなかったわけではなく、誤って増量された分だけ、燃費が悪化したりプラグがかぶったりということが起こってしまったわけです(確か最大で15%ぐらい添加されていたはずです)。 その後MTBEは、アメリカで発ガン性が問題となったり、製造コストが高いこと、排ガス中に酸素が出るためNOxの浄化がうまくいかないことなどを理由に、日本では2001年9月以降、添加されなくなっています。 (JIS規格では今でも7%まで添加が認められていますが) というわけで、現在はレギュラーガソリン仕様車にハイオクを入れても、MTBE時代のような不具合は起こらない、という話を補足しておきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 3, 2007 03:21:13 PM
コメント(0) | コメントを書く |