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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Mar 5, 2010
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みなさん、こんにちは(^^)/

 トヨタの公聴会も終わり、ようやく落ち着きを取り戻しそうですね。トヨタの姿勢も、おおむね安藤が書いた通りになりました。

 もちろん、だからといって「それ見たことか」とか「俺の言った通りじゃないか」と言うつもりはありません(^_^;。少し冷静になって考えれば、誰でも到達しうる結論しか書いておりませんのでね。

 さて、公聴会後、共和党のアイサ筆頭理事は「急加速対策は業界全体で取り組むよう指導を求める」との書簡を、ラフード運輸長官に送ったそうです。内容は、『トヨタ以外のメーカーの急加速事例の分析状況をただした上で、ブレーキオーバーライドシステムを11年から米国内で販売される全車に導入できないかの確認を求めている』ものだそうです(毎日新聞)。

 『分析状況をただした上で』というのが、『質した』のか『糾した』のかわかりませんが、これはトヨタ以外にも同様の事例があったことを示唆していると言えるでしょう。そりゃそうです。この手のシステムをメーカー自身が設計することは希で、たいていはサプライヤーが作ってメーカーが承認するだけですから、同じサプライヤーを使っていれば同様の問題が起きるのは当たり前です。 

 さて、では”意図せぬ急加速対策”は、ブレーキオーバーライドシステムだけで万全でしょうか?  答えはNOです。

 ブレーキオーバーライドシステムは、「アクセルとブレーキが同時に踏まれた場合、ブレーキを優先するシステム」です。が、ほとんどのクルマはブレーキの倍力装置に吸気管内負圧を利用するマスターバックを使用していますから、アクセルペダルがひっかかったり、電子制御スロットル(電スロ)が失陥して全開から戻らなくなった場合、吸気管内負圧は減少しており、通常に減速するときのようなアシスト力は期待できなくなりますから、ブレーキの効きが鈍って、ドライバーが「踏んでいるのに減速しない」と感じてしまう状況が発生することは避けられません。

 アクセルペダルが物理的に引っかかってしまっていては、電子制御を介在させてもスロットルバルブを閉めることはできませんし、電スロが失陥して暴走したのなら、電スロのフェイルセーフ系を当てにするのは誤りなのです。

 すなわち、ブレーキオーバーライドシステムが有効に機能するのは、

1.電子制御スロットルが装備されたクルマで、

2.電スロのフェイルセーフ系が失陥していないか、

3.ブレーキの倍力装置に吸気管内負圧に頼らないハイドロブースターを使用しており、

4.ハイドロブースターが失陥していない場合

  に限られるんですね。

 しかもブレーキオーバーライドシステム自体が”電子制御装置”ですから、失陥する確率は電スロと変わりません。確率は”積”になりますから大幅に低減するとはいえ、「100%パーフェクト」になることは、電子制御である以上、ありえないんですよね。 

 僕が不思議でならないのは、なぜ「意図せぬ急加速が起こったら、素早く『N』レンジにシフトするようドライバーに周知を促す」という話が出てこないのかということです。シフト・バイ・ワイヤー(変速レバーは単なるスイッチで、トランスミッションとは機械的には繋がっていない)では電スロ同様の失陥が起こる可能性はありますが、今のところ圧倒的多数は機械ケーブル式ですし、既に走っているクルマへの対応策にもなります。にもかかわらず「ドライバーの責任において対応する」という話がちっとも出てこないのは、不思議というほかありません。

「便利な機械は誰もが安全に使えるよう、フールプルーフであるべきだ」

 というのは、一見、民主的な真理のように思えます。しかしその装置が、操作を誤れば人を殺してしまう可能性がある場合、操作する者の責任が問われてしかるべきであり、それがための運転免許ではないのかと思うのです。が、今回の騒動が起きたにもかかわらず、日米両国でこのような議論がまったく出てこないことに、どこか釈然としないものを感じてしまうのは、僕だけなんでしょうか?

 

 






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Last updated  Mar 5, 2010 10:16:48 AM
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