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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Apr 30, 2012
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みなさん、こんにちは。

 だいぶ長期間、放置してしまい申し訳ありません。

 ここ数日、小学生の列にクルマが突っ込むという痛ましい事故が続いていますが、今度はバスの大きな事故が発生してしまいました。今日はこれについて、考察してみたいと思います。

 まず端的に言うと、これは「起こるべくして起こった事故」ではないかと思います。観光バス事業者(あるいは物流事業者)が提供できるサービスは、「A地点からB地点まで運ぶ」ということです。道路は制限速度が決まっていますから、「運ぶ速さ」では競争できませんし、バスやトラックの車体も選択肢は多くありませんから、「快適さ」での競争も、限られたものにならざるを得ません。

 このように、提供できるサービスに差異は付けられませんから、あとは価格で競争するしかなくなってしまいます。

 しかし、燃料費や車体の償却費など、固定費はほとんど決まってしまいます。となれば、削減できるのは人件費のみで、安い賃金・少ない人数で過酷な労働をさせせなければ競争に勝つことはできなくなるわけです。今回の事故も、545kmを一人で運転していたとのことで、法令違反(上限670km)ではないにせよ、過酷な勤務だったことがわかります。

 ただしこれは、特段、新しい視点ではありません。従来から、大型トラックなどで大事故が起これば、必ず指摘されて来たことです。別のジャンルですが、ツアー登山でも、同様なことが起こっていますね(ex;トムラウシの大量遭難事故等)。

  にもかかわらず、なぜそれが改善されないまま、今日まで来てしまったのかといえば、これはもう「自由競争経済の欠点」というほかありません。合法的な範囲内でなら、どこまでも競争は激しくなりますから、行政が規制・監視を強める以外に、防ぐ方法は無いのではないかと思います。

 今回の事故で、RJC時代にお世話になった小口泰平先生が、車体強度に付いて言及されていました。最近のバス車体は、低燃費化・低価格化のために車体が軽量化され、衝突に対する強度が低くなっているという指摘です。

 確かにこれも、一面の真理ではありますが、衝突安全試験というのは、ある程度の面を持った物体に衝突させて行っており、今回のように「薄くて倒れ剛性の高い物体」への衝突は、想定されていないわけです。 なぜかと言えば、そういう被衝突体が稀な存在であり、衝突する確率が非常に低いからなんですね。

 今回の事故現場の写真を見た限りでは、バスは防音壁が始まるところに、ピンポイントで突っ込んでいるように見えます。もし、防音壁が連なっている途中に突っ込んでいたら、跳ね飛ばされて車線内に戻され、せいぜい横転程度で済んだのではないかと考えられます(そういう意味では”不運”でした)。

 このことから言えるのは、インフラ側での対策として、「防音壁の始まりを”逃げ”構造にすべきである」ということです。たとえば高速道路のトンネルの入り口には、斜めにガードレールの付いているところがほとんどですが、あれはトンネル入り口の壁面に直接、衝突するのを避けるために設置されているのであり、あれと同じ構造が防音壁に取られていれば、今回のような「突き刺さる事故」には至らなかったはずなんですね。

 運転者の労働環境の改善、車体構造の対策も大切ですが、ぜひ道路施設側の対策にも、目を向けていただきたいと思います。

 最後になりますが、亡くなられたかたのご冥福をお祈りいたします。 






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Last updated  Apr 30, 2012 08:40:17 AM
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