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みなさん、こんにちは。 警察による事故車両の検証が始まり、徐々に状況が明らかになってきましたね。今日の発表によると、ブレーキ系統に機械的な失陥はなく、ギヤがニュートラルに入っていた、ということです。 僕はこの報道にふれた時に、まず「そんな馬鹿な!」と思いました。いくら大型バスに慣れていなかったと言っても、小型や中型は運転していたわけですから、エンジンブレーキや排気ブレーキの使い方を理解していないはずはありません。だから、事故の衝撃でシフトレバーが動き、ニュートラルになっただけではないかと考えました。 しかしそうなると、暴走した理由が、いよいよわからなくなってしまいます。国交省が公表したビデオを見ると、ブレーキランプは点きっぱなし、すなわち、運転手はちゃんとブレーキを踏んでいることがわかります。ブレーキ系に故障がなく、ギヤも入っていたとすると、減速できないはずはありません。フェード(過熱)やベーパーロック(過熱による気泡の発生)も、事故現場が峠の頂上から1km足らずのところだったことから、可能性は非常に低いと言えるでしょう。そもそもフェードなら、パッド面やディスク/ドラムを調べればわかります。 残された可能性は、シフトミスです。峠を低いギヤで登ってきて、頂上で勾配が緩くなったので、ほっとして高いギヤに入れた。しかし、下りの勾配がだんだん急になり、エンジンブレーキの効きが悪くなってきた。そこで、シフトダウンしようとしてクラッチを踏み、ニュートラルに入れたら、シンクロの効きが悪く、低いギヤ段に入らなかった。慣れているドライバーなら、そこでダブルクラッチを使うなどで回転合わせができるでしょうけれど、不慣れなドライバーではそれもできず、その間にもバスはどんどん加速していき、パニックになってブレーキとハンドル操作に必死になってしまった。 そう考えれば、ビデオに映っていた状況や、路面に残された痕跡、事故車両の状況が、まったく矛盾なく説明できます。 まあ、今となっては、直接的な理由がわかったところで、失われた命が戻るわけではありませんし、本質的な原因が変わるわけではありません。こうした分析も、自己満足の域を出ないかと思うと、やるせない気持ちになりますね。 改めて、犠牲になられたみなさんに、合掌いたします。
1月22日追記 バスに詳しい知人から「車種は三菱のエアロクイーン2000年以降のKL-MS86M型だと思います(脱落したエンジンカバーとテールライトの形状から)。このタイプはミッションはフィンガーコントロール式6MTのはず」との指摘をいただきました。フィンガーコントロール(シフトノブはただのスイッチで、実際の変速は機械が空気圧で行う)ならば、シフトミスの可能性は非常に少なくなりますので、もしかしたら上記の考察も、適切ではないかも知れません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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