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土手をでんぐり返って転がり落ちて死にそうになる夢を見まして、その際に大声を上げたのが寝言で妻に聞こえたらしく、今朝、「どんな夢を見とったの?」と言われてしまいました。転がり落ちながら、これは夢だきっと夢なんだーと思って、目が覚めて夢で良かったとホッと胸を撫で下ろしたんですが、実にリアルだったなあ。夢とは本当に不思議です。
『ユメ十夜』は夏目漱石の小説を映画化した作品です。タイトル通り、十編の夢の物語ですが、その各編を新進気鋭から巨匠まで、十人が監督した面白い試みとなっています。作家の妻が「もうすぐ死にます」と語る話、背中で重くなる子供の話、仏像を彫る話など、シュールで幻想的な世界が展開します。
とにかくぶっ飛んでます。ワケがわかりません。寓話に教訓を忍ばせるような意味もまったくありません。でも、ワケがわからなくても面白い、十人の監督の技量と言うか、性格趣向がよくわかるのも面白いですが、原作を知らない私には、次はどんな不思議な世界が描かれるのかと思いながらわくわくしてみてました。ただ、このテの作品は、このワケのわからなさが許せるかどうかで評価が大きく変わるでしょうね。理論整然と話の筋が通ってないと納得できない人は途中で見るのが苦痛になるでしょう。理論より感性で生きてる人には、面白いと思います。また、原作が夏目漱石なんですが、原作のある物語を映画化するのに、原作通り忠実に再現したものは意味がない、いかにアレンジ出来るか、映画でしかできない事にチャレンジしてるかが重要と思うタチなんで、そういう点では、原作厨のかたがたには評判が悪いようですが、これでいいんじゃないかと思います。タイトルも「夢十夜」ではなく『ユメ十夜』なんだし。