カテゴリ:随想
日本では、1月1日よりも4月1日の方が、社会生活の起点として感じられている。「年」ではなく「年度」で社会生活は動いていく。さらに、日本人にとって4月は季節としても「春」の始まりでもある。
「学校年度」と企業の「会計年度」が4月で一致するのは、世界的には多数派ではないのだが、日本社会のシステムは4月がスタートである。 ウィルス問題で、明日からの「新年度」は変則的なスタートにならざるを得ない。首都圏の大学の多くは「入学式」を中止し、講義の開始を延期している。新入社員は「入社式」は中止、とりあえず自宅待機、新人研修はネット配信で、というような会社が多い。小中高に関しても、文科省は「再開」を指示しているが、首都圏ではどうなるか微妙な判断となるだろう。おそらく「分散登校」「授業短縮」「部活の当面中止」などの変則的対応となるだろう。 さて、自分にとっても明日は新年度、職業生活のスタートである。職業生活といっても、定年後4年目、週20時間の再雇用ということで、明日は全体会議、教科会議などへの出席だけ。4年前の4月1日とは大違いだ。 トップとしては、3月中にいろいろな人事を決め、年間予定、授業配当、時間割作成などの指示をして、何とか4月1日を迎えるという感じだった。4月最初の全体会議では、前年度の教育活動の総括、新年度の具体的目標を挙げ、組織の一体化を図ることが職務であった。もし今年もそういう立場なら、ウィルス問題への対応という新たな課題があっただろう。 定年後は、そういうことには極力関与せず、関与しないために、3月はあまり出勤せず(出勤すると相談されてしまうので)、暇な月だった。週20時間といっても、いわば「見なし労働時間」で、裁量労働制に近い形なので、タイムカード管理もない。給与はそれなりのものでしかないが、年金と合わせれば、日常生活に支障はない。 昨年の7月、65歳からは老齢基礎年金が加わって、貯金の取り崩しも基本的にはしなくてもいい。今年3月からは妻の基礎年金も加わり、倹約すれば多少貯蓄にも回せるのだが(現に給与の8割くらいは、利率が銀行に比べれば高い共済貯金に天引きしてもらている)、あまりそういう気はない。共済積み立ての分は、普通預金から補填している。 息子の大学も新年度は入学式中止など、変則的な始まりで、いろいろと疲れると言っていたが、無事にスタートするようだ。娘のところは、新年度から孫の保育料が無料となり家計的にはかなり楽になる。なにしろ、マンションを去年買ったので、これは助かるだろう。 ともあれ、家族が無事に新たなスタートを迎えることを願っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.03.31 05:57:29
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