バブル再来?
世間では、経団連が今年の春闘は4%近くの賃上げと胸を張り、日経平均はとうとう30,000円を超え、バブル以来の高値。その一方、電力各社は来月分から20%前後の値上げ。気がついて見れば、軽自動車の新車が200万。異次元の金融緩和は当面維持される方針で、世の中には金が余っている。G7でのゼレンスキー来日、広島アクションプランの採択、と自由主義諸国の政治的成功も盛んに報じられる。コロナの5類移行で、インフルエンザの感染率と比べると依然として非常に高いのだが、「行動制限」なしという「自由」を市民は満喫し始めている。「リベンジ消費」という言葉に踊らされて、旅行や高額商品、あるいはまだまだ値上がりしそうなマンション購入を低金利のうちに、という動きも始まりそうだ。といっても、年金は物価ほどには上がらず、高齢者は賃上げの恩恵を受けているとは言えない。この世代が依然として消費の中心であるということが、バブル時代とは決定的に異なる。90年前後は、団塊世代はバリバリの現役で、終身雇用、年功序列賃金に守られつつ、ブイブイものを買っていた。もう一つ、決定的に違うのは、人口減少期に入ったことで、国内消費は普通なら減少していく。それが減少しないのは、コロナの反動や、賃上げの効果だろうが、それがそう長く続くとは思われない。また、地方都市は地価の低迷が続いており、地上げ屋が活躍?した80年代とは状況は違う。地方では、賃金は当然のことだが、そう上がったとは言えず、高齢化率も高く元気がない。というわけで、このバブル的状況は、おそらく1年もたないというのが自分の予測なのだが、さてどうなるか。