カテゴリ:書く
今日、ふとイギリス人のエディターが声をかけてくれた。
彼は、日曜日の「Time Out」を担当するベテラン、部内の最年長だ。 その日曜日の紙面に、今月末初めて小さな記事を書かせてもらえることになっている。 昨年末までに取材は全部済ませていたが、どうも今回は書き出すまでの心理的ハードルが高くて、 まだまとまっていないのだ。 「ところで、例の記事どうなってる?」 「はい…今、初稿を書いているところです。まず、日本人の記者に見てもらって 来週にはお見せできる予定なんですが」 彼は「そうか、わかった」と言ってから、たぶん私が不安気に見えたからだろうか、 こんなことを言ってくれた。 「心配することはないよ。書くときには、自分が村の中にいると想像するといい」 「?」 「村の水道ポンプを思い浮かべるんだ」 「なんで水道ポンプなんですか?」 「そこに、村人達が水を汲みに集まってくるからだよ。そして、みんなあれこれしゃべってる。彼らに語って聞かせているつもりで書くといい。何万部なんて新聞の部数を考えると身がすくんでしまうからね。僕は自分が書くときにはいつもそうしているよ」 へえーえ。井戸端会議ってことですね! イギリス人が、そういうシチュエーションをたとえにするのがとても興味深かった。 思わず、村の石造りの井戸の周りで村人達がガヤガヤしゃべっている ノスタルジックな場面を想像してしまう。背景にはイギリスの美しい田園風景が― どうも語学力コンプレックスと日常のルーティンワークに押しつぶされそうになって、 私なんかが記事を書くなんてと思われてやしないだろうか? という気持ちになりがちだったので、そうやって気にかけてもらえるだけで嬉しかった。 「書くときには、keep元気でね。タノシンデ!」 最後は英語と日本語をちゃんぽんで笑っていた。 励ましのアドバイスをありがとう。 さあ、書くぞ! Thank you! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年01月12日 10時01分18秒
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