茶仏 お茶と寺廟のある風景
先日、お茶の本が発売されました。茶仏 お茶と寺廟のある風景著者は、しのわずりさん。私の先輩に当たる方でして、何度かインストラクター向けの勉強会(現地の論文を読んだりするマニアックなのがあるんです)や、お茶会でご一緒したことがあります。↑でも、実はあまりお話をしたことがありません(^^;)内容は、お茶とゆかりの深い場所(特にお寺など)を辿っていくという紀行文です。お茶は宗教と結びついて広まってきたこともあり、お茶の名産地には必ず古刹があるものです。そして、お寺には大体美味しいお茶があります。それを尋ねて歩くという、なんとも羨ましい旅行記です(笑)行き先は、日本の日吉茶園から出発して、韓国(智異山など)を経由し、中国各地(杭州、武夷山、普陀山、貴州省、雲南省、青海省などなど)からチベット、ミャンマー、さらにはトルコ、イラン、中央アジアまで!中には、少数民族の住む村を訪れてみたり、イベントで会ったお坊さんを尋ねてお寺を突撃したり、というエピソードもあり、お茶への探求心の強さが窺えます(^^;)1つ1つのお話は、4ページから8ページ程度の分量で、これが36話。どこからでも読める・読み返せる手軽さがあります。そう書くと、かなりあっさりした内容に思えますが、とにかく文献を色々と当たっている方なので、1話1話がとても読みごたえがあります。お茶に対しての知識のバックボーンがなければ、こうはいきません。読んでいて、「なるほど~」と勉強になることも多く、単なる旅行記ではなく、茶産地と歴史をより深く知るためのきっかけ・手がかりになる本だと思います。フィールドノートとでも言いましょうか。それでいて堅すぎず、旅先の余韻がこちら側に伝わってくるような文章と写真。読んでいると、すぐにでも旅に出たくなってしまいます(^^)手元に置いて、お茶旅行の計画を練るにはピッタリの一冊かもしれません。『茶仏 お茶と寺廟のある風景』宝迫典子・著佼成出版社ISBN:97843330241481,680円(税込)オススメです(^^)