会場は不思議な味わいのまち
大分県別府市(JR日豊線・別府駅周辺)で6月14日(日)まで、別府現代芸術フェスティバル2009「混浴温泉世界」と題した国際的なアート・イベントが開かれている。海外から参加しているアーティストの多くは韓国、台湾、イランなどのアジア出身者だ。 別府は温泉のまちとして知られるが、聖と俗、移民文化などの特色もあり、不思議な味わいのある港町だ。このまちで、作風も国籍も多様な8組のアーティストが、それぞれ場所を選んで、その場所でしか成立しない作品を発表している。 その場所とは、明治時代のモダンなたたずまいを残す旧旅館、築100年の長屋、昭和初期の住宅兼迎賓館、航海する人々を守ってきた神社や港など。このまちを訪れた人は、パスポート(入場券)と地図をもって点在したアート作品を見て回るとともに、別府のまちのさまざまな魅力にも触れられる、という仕掛けだ。 そうした場所と作品を見て回る体験を、このイベントでは「アートゲート・クルーズ」と名付けている。アートゲートとは、作品やまちとの出合いといった、精神的な旅へ誘う別世界の門という意味を込めているようだ。 アートゲート・クルーズの参加アーティストのうち、アジア出身者は、イラン生まれのホセイン・ゴルバ、フィリピン生まれのラニ・マエストロ、トルコ生まれのサルキス、台湾生まれのインリン・オブ・ジョイトイ、韓国生まれのジンミ・ユーン、韓国生まれのヨンヘ・チャン(ユニット「チャン・ヨンヘ重工業」のメンバー)だ。 パスポート(アートクルーズを楽しむためのチケット。2日間有効)は一般1,800円、学生(高校生・大学生・専門学校生・大学院生)1,500円、フリーパスポート(アートクルーズを会期中、何回でも楽しめる)は3,400円。 会期中はほかにベップダンス(ダンス公演)、ベップオンガク(音楽ライブ)、「わくわく混浴アパート」と題した参加型国内展もある。 混浴温泉世界のサイト http://www.mixedbathingworld.com/ イランの手織りギャッベ(羊毛で織る草木染めの絨毯)赤い大地にたたずむ羊たち 37(40)×42cm 7,600円