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カテゴリ:日本諸国漫遊記
京都で下車し、近鉄で西ノ京に向かいます。 実に30年以上ぶり。 駅のすぐそばにある薬師寺も、大好きな唐招提寺も、伽藍が修復されたり、復元されたりして、かつての華麗な姿をよみがえらせました。 お寺、というと、モノトーンで侘びさびの雰囲気。というのは後世の好みで、古代のお寺はキンキラキンの華やかなもの。朱塗りの柱がずらりと並ぶ回廊は白鳳時代の宮殿もこんな感じであったろうと。 薬師寺は、天武天皇が、皇后の持統天皇の病気回復を祈って発願したもの。天武天皇の死後、持統天皇がご本尊を開眼させました。古代史上一番有名なセレブ夫妻の、いわば愛のシンボル。う~ん、さすがに超セレブのやることはゴージャス! とはいえ、名もなき庶民の我々も、そのご利益に預かれるのは言うまでもありません。 ご本尊薬師如来さまは、病気を治してくださる仏様。世界中のすべての人が健やかに生活できますようお願いしてきましょう。 さて、薬師如来様の脇侍(おつきの仏様)日光・月光両菩薩は、おととし東京国立博物館までお出ましになっています。でも、やはり仏様はお仏殿の中にいらっしゃるのが馴染みます。 別殿の東院堂にいらっしゃる聖観音菩薩さま。興福寺の阿修羅さまが仏像界NO1の美少年アイドルなら、こちらは二枚目のイケメンスター。持統天皇の息子で若くして亡くなった草壁皇子をモデルにしたとも言われるように、りりしい観音さまです。きっと、出家する前の若きシャカ族の王子、ゴータマ・シッタルダもこんなお姿だったに違いありません。 玄奘三蔵院伽藍では、平山郁夫先生の壁画も拝見。玄奘三蔵は、西遊記の三蔵法師のモデルとなった中国・唐の高僧。三蔵法師が旅した地を平山先生が描かれた壁画は、それ自体がご本尊としておまつりされているそう。確かに平山先生渾身の絵からは、道を求める先人たちの想いが伝わってくるようです。
悟りに程遠い我が身を省みつつ、一服(笑)。 勧進所でお抹茶セットをいただきます。お菓子は「白鳳の飛天」。吉野葛を固めたお干菓子。飛天とは、国宝の三重塔の最上部水煙に刻まれた仏法の天人。
一見、よくある落雁ですが、さすが吉野葛。なめらかです。大変美味。 箱入りをお買い上げ。これは、かなりおすすめのお土産です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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