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遊心六中記

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2022.11.27
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カテゴリ:観照 & 探訪

観流橋を渡って朝霧橋まで戻ります。どちらも朱色に塗られた橋です。
  
橋上から宇治川に流入する放水路の水が絶えることなく激しく白波を立てています。

 
朝霧橋東詰の目の前に、宇治神社の朱塗りの大きな鳥居があります。
宇治神社を通り、宇治上神社に向かいます。

 
                    
鳥居を潜り、石段を上り始めると、社務所入口が参道の左側にあります。
その前に、左右ともに阿形の口を開いた狛犬が置かれています。少し異風な狛犬です。


社務所より少し先、参道の右側に手水舎があります。
                      
              「桐原水」と刻された水鉢に注がれる水口は​兎(うさぎ)像​の口です。
                なぜ兎なのか? 

石段を上りきって境内地に立つと、目の前に

「桐原殿」の扁額が掲げられた拝殿があります。
入母屋造の檜皮葺きで、正面に唐破風が設けてあります。桁行3間、梁間3間の大きさです。
「桐原」とはここの地名だそうです。

拝殿を回り込みます。

 
 
その先は一段高い境内地への石段があり、手前に狛犬が石段の左右に配されています。
この狛犬と上掲の狛犬を対比すると、異風な狛犬と記した感じをお解りいただけるでしょう。
こちらの狛犬は阿吽形の像です。

 
石段を上がると、社殿の手前に「智恵の輪」が設えてあります。
調べてみますと、神社からは、11月のお知らせとして、ホームページに次のメッセージが載っています。
収穫された稲穂により調製しております。
 智恵の輪をくぐり稲穂の実のように、たくさんの智恵を授かり、
 実りのある生活をお過ごし下さい」と。

つまり、6月に行われる「夏越しの祓い」である「茅の輪」くぐりとは異なった位置づけです。
祭神が学問の祖神として信仰されていることに由来しているようです。

 
南側から眺めた社殿本殿は瑞垣で囲まれています。
     
                正面の拝所から眺めた本殿
祭神は菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)です。第15代応神天皇の皇子。

『日本書紀』には、次のように記された箇所があります。
「15年秋8月6日、百済王は阿直岐(あちき)を遣わして、良馬二匹を奉った。・・・阿直岐はまたよく経書を読んだ。それで太子菟道稚郎子の学問の師とされた」と。
応神天皇が阿直岐に、お前より優れた学者がいるか、と尋ねらると、王仁(わに)の名を挙げて応えたそうです。
「16年春2月、王仁がきた。太子菟道稚郎子はこれを師とされ、諸々の典籍を学ばれた」と記されています。

ここから、「学業成就・受験試験合格の神様」として崇敬されているとか。

     
     本殿の手前に、置かれた(うさぎ)です。上掲の画像で気づかれましたか?
拝所の右側に、「みかえり兎」と題した案内文が置かれています。
「御祭神『菟道稚郎子命』が河内の国から、この土地へ向かわれる途中、道に迷われてしまいました。
 その時、一羽のうさぎが現れ、振り返りながら、後を追う『菟道稚郎子命』を正しい道へと案内し、お助けしました。
 この御由来のうさぎを当神社では『みかえり兎』と呼び、人々の人生を道徳の正しい道へと導く神様の御使いとして伝わっております。
 また、宇治という地名は、この云われよりついた名前といわれています。
                                 宇治神社」 (案内文転記)

 
         
本殿の周囲を反時計回りに巡ってみました。
本殿(重文)は三間社流造、檜皮葺屋根、高床の建物。扉が3つあり、中央の扉の内側にはもう一つの扉があり、その内部に御神体として、菟道稚郎子命の木造坐像が祀られていると言います。
 
             側面からズームアップで撮れた蟇股
  
                
   東側には、境内社が並び、「伊勢神宮遙拝所」の駒札を設置した場所があります。
  本殿背面 
  本殿西側面
 
      猪の目懸魚           大斗・肘木・巻斗・木鼻

 
本殿の西側にも境内社が並んでいます。

本殿の境内地から一段降りて、拝殿の境内地に戻ります。
 
狛犬像の西側には、どこかが少しずつ異なる石灯籠が並んでいます。寄進の時期の違いや寄進者の思いの違いが反映しているのでしょうか。詳細な対比はしていません。印象です。

         
   狛犬像の東側にも石灯籠が並んでいますが、こちらには​大きな石碑​が建立されています。
        
              近くで見ると、喜撰法師の歌が刻されています。
            わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり
                      「百人一首」にも入っている有名な歌です。

宇治神社境内では、紅葉がほとんど見られませんでしたので、久々の探訪に重心がかかりました。

宇治橋の上流宇治川の右岸のこの辺りは​応神天皇の離宮「桐原日桁宮(きりはらひげたのみや)」跡​であり、皇子の菟道稚郎子命の宮居跡との伝承があるところです。

宇治神社と次に訪れる宇治上神社は、『延喜式』神名帳には「宇治神社二座」と記載されていて、上社・下社とも称されていたそうです。かつては二社一体の関係にあったようです。
1052(永承7)年に平等院が建立されたときには、両社はその鎮守社として藤原一門の厚遇を受けたとのこと。

さて、それでは境内の西側の入口を出て、「さわらびの道」を歩み、宇治上神社の紅葉を眺めに参りましょう。

つづく

参照資料
*宇治神社  ホームページ
*『京都府の歴史散歩』 京都府歴史遺産研究会編  山川出版社 p64
*『全現代語訳 日本書紀 上』 宇治谷 孟 訳 講談社学術文庫 p217-218

補遺
菟道稚郎子​  :ウィキペディア
菟道稚郎子​  :「コトバンク」
王仁​     :ウィキペディア
宇治神社の「智恵の輪」くぐり 11月中設置 季節はずれの「茅の輪」??
             :「あんなところ?のお掃除」

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Last updated  2022.11.29 12:50:27
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