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カテゴリ:観照
22日の午後2時頃から祇園祭・後祭の宵山巡りをしてきました。 とは言えど、正確には宵々山の昼間です。ここ10年位は宵山の夜に巡ることはしていません。 会所飾りを昼間に写真に撮りたいことと、混雑を回避したいためです。 冒頭の画像は後祭の山鉾の配置図です。宵山巡りの途次に入手したチラシを部分拡大しました。 今回は、三条通を西行し、室町通を北に入り、役行者山を見た後、三条通に戻り、鷹山を眺めて、新町通を南に入ります。新町通を下り、山鉾を巡りつつ、四条通を渡った先の大船鉾まで行きます。その後一筋東の室町通に移り、室町通を上りつつ、東入ルに見える山2基に立ち寄ります。室町通を上り黒主山を最後に巡って終わりました。鈴鹿山をうっかり巡り忘れましたので、10基の山鉾巡りとなりました。 烏丸通を渡り、三条通を少し西にすすむと、こんな休憩所(たぶん)を特設しているのを初めて目にしました。 三条室町の辻で北を望むと、「役行者山」が見えます。この辻の北側に横断幕が張られ、提灯も立っています。室町通北入ルの役行者町に建てられた役行者山と駒形提灯。駒形提灯が宵山の風情です。 駒札 埓(ラチ)の格子の間から前懸を撮りました。 見送 会所の入口には例年の如く、この夏越しの茅の輪が設けてあります。 役行者山の特徴は、会所飾りが会所への通路壁面が展示ケースになっていて、懸装品等が展示してあります。役行者山保存会のホームページを見ますと、常設展示形式にされて、見学会の開催をされています。(資料1) 間近に見られるメリットがありますが、網入りガラスと照明の関係で、写真を撮るという観点ではデメリットもあります。会所を訪れる人が多いと写真を撮るゆとりすらありません。訪れた時は見物者が比較的少なかったので、少し撮ることができました。 「金地唐美人園遊図綴錦」の原本(中国明朝官工場製)と復元新調品が左右に並べて展示されています。(資料1) 懸装品の手前に置かれた欄縁の見事な飾り金具です。 (鏡面反射して私の脚部も写っています。正面から撮るとどうしても・・・・) 隅飾り金具と房 掛幅が展示されています。ある時代の役行者山の姿なのでしょう。 金色の御幣 水引「唐子遊図」 前懸は牡丹胡蝶図と雲龍文様との三枚継ぎで、これは左右両側の雲龍図。 山の四隅の房掛金具と房 古き時代の「祇園会山鉾分布図」が展示されています。 祇園祭の歴史がわかる史料です。 会所の常設展示を兼ねた通路を通り抜けると、 山に搭載される御神体(人形)を安置した蔵があります。 左から一言主神、神変大菩薩(役行者)、葛城神です。 これは、役行者が一言主神を使って葛城と大峰の間に、橋をかけたという伝承を題材にしているそうです。 「葛城神は女体で手に台つきの輪宝を持ち、一言主神は鬼形で赤熊をかぶり手に斧を持って」います。 役行者 役行者は、巡行の折は、座した姿で山に安置されます。帽子を被り、袈裟をかけ、左手に経巻、右手に錫杖を持っています。 その先にはもう一つの蔵があり、蔵の扉の側に、「役行者腰掛け石」があり、二つの蔵の間には井戸があります。「行者神水」と記した駒札が側に立ててあります。 「この石は今より1300有余年前、役行者神が金剛葛城の峯々や大峯山で捨て身の修行に励んだ後、生地茅原の里から井戸伝いにこの地に駆け上がり、この石に座し精神修行をされた有り難い石です。また役行者神は、この石に手を当て全身の凝りを解したとされています。皆様もこの石に手を当てて、役行者神の精神と御徳をいただかれ、全身の凝り、特に肩の凝りなどを解される事を心よりお祈りいたします。 平成24年7月 公益社団法人 役行者保存会 」(全文転記) 二つ目の蔵の北側に出口が設けられていて、会所内を一方通行で通り抜け、姉小路通に出られるようになっています。 室町通に戻り、山を再度眺めてから、鷹山に向かいます。 三条通に戻る途中で、ビルの前に二宮金次郎像が設置されているのが眼にとまりました。 なぜ、ここに・・・・? 今回初めて気づきました。何時頃から設置されているのでしょう。不詳です。 町中で見るのは珍しいので、覚書として。 三条通に戻り、西に進むと、 「鷹山」が建っています。所在地は衣棚町です。 反対側からの眺め。 駒形提灯の手前に、テントを設け、さらに手前に「鷹山」と墨書した赤提灯が吊されています。 こちら側に「鷹山」の駒札が立っています。 鷹山は令和2年(2022)に、何と196年ぶりに山鉾巡行に復帰しました。 応仁の乱以前から山鉾巡行に参加していた山です。当初は舁山(カキヤマ)で、江戸時代に曳山(ヒキヤマ)となり、元治元年(1864)の蛤御門の変に伴う大火により、ご神体の一部を残すだけで焼失してしまったのです。それ以降、居祭を継続してきたのです。 平安時代、光孝天皇(在位884~887)のお供で在原行平が鷹狩りをする場面を表すとされる山です。御神体は、鷹匠、犬遣、樽負の三体です。 駒形提灯 山の懸装品には透明の保護シートが被せてありましたので、細部は撮りませんでした。 この後、新町通に入り、山と会所飾りを拝見しながら、通りを下っていきます。 つづく 参照資料 *祇園祭案内チラシ *祇園祭 祇園祭山鉾連合会 ホームページ *図録『京都 祇園祭 町衆の情熱・山鉾の風流』 京都文化博物館 2020 1) 役行者保存会 ホームページ 補遺 京都・祇園祭 役行者山「護摩焚き」(2024年7月23日 京都市中京区) 京都新聞 YouTube 役行者山 :「HIRAMATSU HOTELS] 鷹山保存会 ホームページ 祇園祭後祭 鷹山の山建て(2024年7月18日、京都市中京区) 京都新聞 YouTube ネットに情報を掲載された皆様に感謝! (情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。 その点、ご寛恕ください。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.07.27 11:14:05
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