ウオーター・ナイツー聖なる水の僕■第17回■
ウオーター・ナイツー聖なる水の僕■第17回■作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 聖水紀第17回聖水紀[8]『聖水騎士団の諸君、本日をもって聖水騎士団は解散する』水人のひとりが発表した。聖水神殿の中央大広間に,聖水騎士団が結集していた。「何ですって」「どういうことです」聖水騎士団の中から、驚きの声があちこちからあがっていた。「まさか、『みしるし』を手にいれたからではないでしょうね」発言したのは聖水騎士団隊員の一人、レオンーフガンだった。『そのとうり。我々が『みしるし』を手にいれたからだ』「じゃ、やはり、あの『みしるし』は歌姫ベラだったのか」「そう、そのとうりだ。我々が探していた『みしるし』は、ベラの体の中にあった」「それで、あなたがたが地球での役割を果たしたので、我々聖水騎士団はご用済みという訳ですか」隊長のアマノが冷たく言う。「そうだ。我々は『みしるし』を手にいれたことで、地球にきた目的の一つは果たした」「一つですと、まだ、何か」アマノがつづける。「アマノくん、まだ、わからんのか。君ですら」「我々、地球人が宇宙意識をもつというという、、事ですか、、」「そういうことだ。それには一番必要なことが残っている」「まだ、何か、望んでいるのですか」「そう、肝心なことがまだなのだ」「一体、それは」「地球人全体を我々、聖水の仲間にすることだ」「あなたがたは、いったいまさか」「アマノくん、君の思うとうりだ」「隊長、いったい聖水は」隊員から罵声が起る。隊長アマノ,アマノ博士の顔は、気色ばみ、聖水騎士団の隊員たち皆の方をふりかえった「聖水と水人を滅ぼせ。こいつらは人類を完全に溶かし、飲み込もうとしている」「何ですって」「そんなことが」聖水騎士団より、驚きの声があがる。『今頃、きずいたようだね。そのとうりだよ。皆、君たち運命というものに従いたまえ。我々は宇宙を代表している。ありがたく思い賜え。君たちは最初に聖なる水になれる選ばれしものだ』騎士たちは目の前にひろがる聖水プールにたいして攻撃をしょうとする。が、いかんせん聖水と水人の敵ではない。 集合していた広間の四方の壁が崩れる。聖水があふれる。聖水の波は、聖水騎士団の全員の体を持て遊び、波間に飲み込んだ。『これが、宇宙の意志というものだよ』水人はそう告げた。「わたしは」聖水騎士団の一人レオン・フガンの意識がもどる。「なぜ、私はここに」『ふ、聖水騎士レオン・フガン。君には、使命がまだある』水人がいった。「私があなたがたにしたがうとでも」『そうせざるをえんだろうね』水人はいいはなった。「聖水騎士レオン・フガン。生きるも地獄、死ぬのも地獄。それならば、すこしばかり人間として生きながらえてみますか。この人体としてわづかな生命を、楽しんでみましょうか」(続く)■聖水紀■改題・聖なる水の僕(1990年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/