「イシのヒト」飛鳥京香●manga-agency山田企画事務所

2007/05/02(水)02:35

イシのヒト■第11回

フアンタジー小説「イシのヒト」(28)

イシのヒト■第11回  作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com 第11回 ■ 第3章 光二 「おまえが最愛の姉をなくし悲しむのは、いいんだけれどね」あてつけがましく、アキヨシが言う。 「なんだよ、アキヨシ、文句でもあるのか」  光二はこのアキヨシがおねえにちょっかいをだしていると聞いていいた。 「今、我々Bグループがどうなっているのかわかっているのだろうな 」詰問調だ。 「アキヨシよ、ヘッドは俺だぜ。俺の言葉が法律なんだ」 光二の言葉は怒りをふくんでいる。 「わかったよ、おまえがボスだよ」 アキヨシはホースをドームの中央に去っていく。  光二はコアで少し考えていたあと、 ホースに乗って外にでた。 気分をまぎらわすためだ。 といって、Bグループの仲間のキッズと顔を合わせる気にはならない。 ドームの中を目的なく飛んでいた。 ふと気付くと、あの場所だった。光二はそこに降り立つ。  光二が有沙が死んでいた場所にたたずんでいる のを上空から見ている二人がいた。Vグループキッズのハーマンとローレルだった。 「あいつがいったとうりだな」 背が高いハーマンが言う。 「またとない、チャンスじゃないか。あいつはひとりだぜ」 にきび面で、だるまのようなローレルがいった。 「おまけに考え事をしているぜ」 「よーし、いこう、ハーマン」 「めにものみせてくれる」 ハーマンがほくそえんだ。  光二は急に後ろから捕まれ、上空につりあげられる。 光二はあらがう。姉の事を考えて いて、注意力がそがれていたのだ。 「光二さんよ、我々におとなしく、ついてきてもらおうか」 えらく背の高い奴がいっていた。 「くそっ。おまえ達は」 光二の足元は、地上10mの空気なのだ。 「いわずとしれたVグループのキッズよ」 「Bグループのヘッド光二を捕まえたと、あっちゃあ、大手柄なわけさ。おっと、光二よ、あまりあばれると、俺たちの手から、地面へ落ちるぜ。ちょうどおまえのあねきみたいにな」 にきび面がいう。 「くそう、おまえか有沙を殺したのは、」 「おいおい、人違いだぜ、俺はおまえのアネキなど、殺しちゃいない」 「じゃ、おまえか」 高い奴にいう。 「知らないぜ、光二、少なくとも、俺たちじゃないぜ」 「おい、ちょっとだまらそうか、これほど暴れられると、体をもちにくいからな」ローレルがハーマンに同意を求めた。 「そうだな、連れて行きやすくするか」 Vグループのキッズは話しあっていた。 「やめろ」 光二はさけんでいた。 ローレルは腰のベルトにはさんであった電撃銃を取り出す。光二の 体に当てる。 「ぐう」 光二は気絶していた。 二人は光二を一度地上に降ろす。 ローレルとハーマンは、ホースの後ろに光二の体をしばりつけようとしていた。 そこに、突然、一人の男が出現していた。 (続く) SF小説■イシのヒト■(1989年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com

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