散歩道

「おはよ、久しぶりだね」

「私は会いたくなかったのだが」

「俺は別に。」

「あなたはどうでもいい、私は会いたくなかった。」

「じゃあいいよ、別に。最近どう？」

「ますますダメですよ。」

「ふーん、どんな風にさ？」

「私の人間としての価値がなくなってる。」

「またバカげたこと言うものだね。」

「事実だ。」

「そんなこと、他の人に知られたらバカにされるんじゃない？」

「事実だ。それ以外なんでもない。」

「お前はそういうけどさ･･･大体の人は一言キモイで終わるな。」

「わかってるからそれが悲しいがな。慣れた。」

「周りにバカにされることは慣れちゃったみたいな？」

「いつになったって慣れやしない。嫌なことに慣れるも何もないはずだ。」

「ふーん。なら明るくすれば？」

「バカが。」

「愛情とか、そういうもの感じないでしょ？」

「人間的感情がないつもりだからな。」

「俺は人間じゃないやつは勘弁だなあ。」

「私は別に。個性だと思ってる。」

「そうかい。」

「私は当分ここに居ることにしよう。」

「じゃあ俺が行くね。そこに居てね。」

「ああ、待ってる。あなたを。」


また明日が始まる。