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2011年06月22日
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カテゴリ:心の中
水道近くで、床に落ちた水でできた小さなみずたまりに一匹の蚊を大きくしたような虫が寄ってきていた。

やっぱり虫ってのは水に寄ってくるものなんだろうか。

蛍が水に寄る童謡があったのを考えながら、違う種類のこの虫にも同じことを当てはめて考えていた。

「殺すのもなんだろう」

田舎で虫が多い生活をしているから、ちょっとくらい殺しても変わらない。

殺すことも好きじゃないから放っておいた。




次の日、起きるとまだ虫はそこにいた。

・・・死んでいた。

小さなみずたまりの上に浮くように、死んでいた。

水に近寄ってきたら、長い足に水が付いて重さで沈んでしまったのだろうか。

そこらを飛んでいたら邪魔に思える、そんな虫が死んでいた。




虫は予想外のことで死んでいた。

好んで寄った水溜りに、命の無いものに殺されてしまった。


なら代わりに、私があの虫を私が殺していればよかったんだろうか。

それならばあの虫にとって、死は人間の近くにいるという死の危険の予想内のことであって、正しいシナリオで死んでいったのだろうか。


私があの虫を「逃がす」可能性はきっとなかっただろう。

放っておくことがきっと私にできた、虫にとって最大のことだったろう。



となると虫にとっては死の運命しかなかったのだろうか。

私が殺すか、水が殺すか、その二つであの虫の運命は詰んでいたのだろうか。


虫に「どちらの死に方がよかった?」と聞けるわけもない。

そもそもやつらに意識があるのかもわからない。

なら死の方法を選ぶ必要もなく、考える必要もないのだろうか。



わからない。

私が干渉しうることでないのはわかっているが。



私たち人間は少なくとも意識があるから物事を選べる。

「水難事故」を「水難事故」と解釈できる。

死の運命に対して、それが宣告されたものなら自分が、宣告されないにしても死という結果に周囲は何かしらのことを考えたり、行動したりする。


虫にとっては「水難事故」を「運命」と解釈するしかない。

本人も気づかず、周りも気づいてはくれない。

虫の死は、感情も行動もない、ひょっとしたら出来事自体も発生したことに含まれないことかもしれない。



なら私たちと虫なんかを隔ててるものはなんなのか。

「意識」、これなんだろうか。

私たちの死に意味が生まれるものが「意識」なら、私が儚さを感じたのもそれなんだろうか。


命の重さとか、そんなことは考えない。

ただ「ある」か「ない」か、それが考えるべきところだと思う。

虫の死に5人、10人の人が胸を痛めるようなことは起こり得るのだろうか。





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最終更新日  2011年06月23日 00時03分41秒
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