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カテゴリ:雑記
rikoけさカナダの先輩からメールが入っていた。 リコちゃんというのは猫である。リコちゃんとマーがいて、リコちゃんの正式名はリコリス。黒いからリコリス。マーちゃんの本名はマーマレード。マーマレード色だから。 この二匹が、私の「猫派」転向を決定付けたコンビでした。 先輩は去年までは長くロンドンに住んでおり、そこで同居してたのがリコちゃんとマーである。 初対面は互いに緊張であった。相手もなかなか寄ってこないのである。が、マー殿さま(マーくんは男である)はわりと最初から堂々としており(先輩はよく「えらそーな奴」といっていた)、かわいい顔してるわりには――ほんとにかわいいのだ、憎らしいほど――あるいは、かわいい顔してるからこそなのか、なかなか傍若無人であった。いきなり殿ご乱心状態でサーカスまがいのことをしたり(テーブルからさがってるクロスに絡まったままテーブルの下を疾走するとか・・・映像が浮かばないかもしれないけど)。 しかしリコちゃんはシャイだった。相当な長時間にわたりシャイだった。 だが、いざ打ち解けてくると、これが。文字通り距離が狭まってくるのだが(まさに”遠巻き”状態からの変化である)、そのうち横に座り、膝に乗り、いっしょに眠り、起きては長年連れ添った老夫婦のごとく、ただ並んで外を見たり・・・ ほんとに猫というのは不思議だ。 そして、とどめはおそらく、これである。 とんとん、と、少し遠慮がちに、こちらの膝を叩くのである。 見ると私の膝に、黒白の足が。 「はい?」 床にリコちゃんがちょこんと座っていた。 猫というのは、まずその座り方が絵になる。そろえた前足。まっすぐに伸びたその前足の後ろに伸びる体のカーブ。あくまでやわらかい、ふんにゃりひょうたんの曲線。 その状態から、ちょうど招き猫の格好で前足の片方をあげて、 「とん・とん」。 ほんとに、「とん・とん」なのである。 ”あのね?”という感じなの。 そして、「とん・とん」(あのね)のあと、 「みゃ~あ」 鳴くのだ。これぞまさしく”甘い声”。喉を鳴らして。 これぞ猫なで声。これが猫なで声。これ以外、ない。 か、かっわいいぃ・・・・・・~!!! 完全にやられました。一発。悩殺。 若い娘にころりと騙されるオヤジのごとし。 テキは単に「ゴハンちょうだいな~」と言っているだけなのである。 ちょっとゴハンには早いけど、いいか・・・ すると早速、どこからともなく現れるのがマー殿様である。 こらあ。 マーくんは今つまらないだろう。ネコババする相手がいなくなってしまった。 イギリスにもずっと行っていないけれど、ロンドンに行けば当然ヒメとトノに会えると思っていた。 そしてその後もいっしょに寝た。時々重かったけど嬉しかった。 もう会えないのか。 なんとなく、またイギリスが遠くなったような。 ついこの間、当時のクラスメイトからメールが来て、もうあれから7年だというのでびっくりした。7年? うそ。もうそんな? 石の上にも3年。チベットにも7年。何もしないでも7年。 そして相変わらず英国的にシニカルな元クラスメイトは、 10年も待ってちゃいけないよ。 リコちゃんのかわいい写真が添付されてたので、 ・・・追記。
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Last updated
2009.09.18 20:20:15
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