好きな作家さん。関西が主体で男の物語が多くていつも感動です。
連作短編集でした。
始まりは、京都で時代劇の役者を目指す男と女優を目指す女の話
堀尾葉介という物凄いアイドル上がりの役者の存在が、
男に役者として挫折を 女と田舎で、と思ったら女は諦めきれず。
男は田舎が四国の大洲、大洲で一人で家業でほそぼそと…。
そこで偶然、アイドルグループの中に…。
廃れた商店街の玉子屋、評判のだし巻き卵。スター堀尾葉介が
好きだ ということで一時ブームに。そして父の死。
息子が継いで、再び…。
奈良の赤目滝らへん、人があまり寄らない釣り堀を経営する男。
いじめられっ子を助け、その母親と愛し合うことに。
そして別れ。男は夢をおってアメリカへ
別荘地であまり流行らないレストランを経営する女。
その女性のヒモ、として転がり込んだ、元潜水士の男。
ちょっと助けた老夫婦がお客さんとなり
その老夫婦に好感を持ち関わっていくも…。
最後は すべての物語に影響を与えてきた男、堀尾葉介の話。
重たい、ドヨーンとした過去、生い立ち、
そして。
連作短編、全部、しっかりと面白かったと思いました。
男の哀愁、というか、怒涛のような不幸というか
それでも、強い感じ、希望があり
絶妙で良かったと思いました。