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テーマ:香水(935)
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はじめに断っておきますが、前文が長くなりすぎ、通常書いている香水のご紹介は今回打ち切りましたので、ご了承願います。
さて、デパート巡りの話の続きでもしましょうか。 初売りも終わり、冬物バーゲン開催中のお店が数多く、それらを横目に見ながらも、今回廻ってきた店の順としては、わかばカウンター→サンローランカウンター→シャネルカウンター→ティファニーブティック→ブルーベルカウンター→アーデンカウンター→ジバンシィカウンター→ディオールカウンター→アラミスカウンター→ラルフブティック→ドラックストア・・・。もちろん買うつもりなど更々なく、情報収集に明け暮れておりました。 場違いなオーラを発しているのかどうか分かりませんが、今回は店員につかまる事も無く、短時間で効率良く廻れましたが、香りを試している私の隣で、他のお客さんと店員のやり取りを聞き耳たて聞いていると、人それぞれ接客ってこうも違うものかと感じました。では、どのような接客を行なっていたのか実況解説してみましょう。 お客さんがテスターを試していると、某カウンターの店員が近づいていき 店:「香水をお探しですか?」 と笑顔でご挨拶。サラリーマン風の男性2人組みのうち一人(客A)が「まぁ」と言う言葉を交わし、今まで嗅いでいたテスターを棚に戻す。 ※1 ここでの「まぁ」や「ええ」と言うお客さんの言葉は、店員の話を聞き入れる準備があると言う意思表示なわけで、店員さんはここで自分のテリトリーに持ってこないと、この後が辛い。 店:「こんな商品は如何でしょうか?」 とこの店で一番男性に人気のある●●●を試させる。 ※2 とりあえず、第一段階はクリアなようです。 客A:「これさっき試した」 と先ほど返事をした客Aが答える。 ※3 おーっと予期せぬハプニングと思いきや、これは想定の範囲内なのです。ここで、次の手をどう持っていくのか見てみましょう。 ※4 また、この時注意しなければならないのは、購入するのはこの「客A」かどうか定かではない事も付け加えて。店員とお客さんの話がかみ合う人。すなわち、話の主導権が「客A」にあるだけで、本当は「客B」が買うかもしれないので、その人にも話を振る事も忘れずに。 店:「この商品一番うちの店で人気のメンズなのです。いかがでした?」 と言った瞬間ムエットに香りを吹き付け、二人に試させる。 ※5 どうやら、この店員さん。ゴリ押しする気のようです。 客A「悪くは無いのだけど、もっと爽やかなのないかなぁ」 ※6 ここで、ようやく客Aが購入の意志ありと判断がつきます。(すなわち、客Bは付き合っているだけ)もし、客Bが購入の場合、客Aは客Bに話し掛けるものなので。 店:「では、このようなモノは如何でしょうか?同じメーカーが出した青空のように爽やかな●●●って言うのですが、こちらも発売以来人気を二分しております」 とそちらもムエットに吹き付け香りを試させる。 ※7 更に同じメーカーの商品をアピールする事によって、ますます興味を引かせる作戦です。 客A:「なんかちょっと違うかなぁ」 と返事を曇らせるのが日本人の美徳。 客B:「でも俺は好きだけどなぁ」 と客Bが初めて店員と言葉を交わす。 ※8 この時感じるのは、ひょっとしたら友釣りがあるかもしれないと言う事。つまり、客Aが購入に踏み切れば、客Bも買ってくれるかもしれないと言う憶測。 店:「いままでどんな香水を使っていましたか」 と客Aに話し掛ける。 客A:「ウルトラマリンとかブルガリブルーとか良く使ってますね」 ※9 どうやら客Aは、それ程香水にたいして知識はなく、流行りとか売れているモノが「良い香り」と察しがつきます。また、「ブルガリブルー」と言っても「ブルガリ ブループールオム」の可能性が高い事も合わせて考えておきましょう。 店:「では、こんな商品はいかがですか?この秋に出たばかりの新作で●●●と言う商品で、物凄く売れていますよ。」 ※10 商品名を書けば分かるのですが、全く話の展開を無視したバリバリのメンズものを店員さんはチョイス。 客A:「ちょっと臭いね」 客B:「俺もちょっとね・・・」 ※11 当然の反応である 店:「そろそろ鼻とか大丈夫ですか?」 ※12 選択肢を絞り込む為の殺し文句。 客A:「ちょっと鼻の奥が痛くなってきたかな」 と二人の反応は一緒のようだ。 ※13 このあと数本嗅いでも同じ反応なのだが、店員がこう聞けば、お客さんは大概こう答えものです。要はこれ以上嗅いでも無意味ですよとお客さんに認識させる為のことばであり、店員のさじ加減次第なのです。簡単に言えば、これ以上香りを試しても、更に混乱するだけなので、そろそろ決断しませんが?と言っているようなもの。 そして、決断のポイントはココ 店:「今まで嗅いだ中でどれが一番良かったですか」 ※14 クロージングに入りました。 客A:「一番最初に嗅いだヤツかなぁ」 ※15 緊張の一瞬でした。このタイミングで話が続けば、十中八九購入成立。逆に「ちょっと考えてみます」や違う商品に話が変わってしまえばこのお客さんは買わないでしょう。 店:「香り立ちもきつくなく、それでいて爽やか」 ※16 ゴリ押しが始まる。 店:「お客様のような方にはぴったりですわ」 ※17 会って間もない人に何が分かるのか。 店:「お試しに小さい方使ってみてはいかがですか?」 ※18 畳みかけ 店:「きっとお客様の周りの反応も違ってくると思いますよ」 ※19 何も言われなかったら、責任を取ってくるのか。 客A:「じゃあ、小さい方買ってみようかなぁ。」 ※20 いつの時代も女性の押しには、男性は弱いものである。 客A:「お前もそれ買えよ」と客Bに促す。 ※21 連れションか。 ※22 この場合、勝手に客Aが店員に代わり対応するので、店員は事態の推移だけ見ていれば良い。 客B:「じゃあ」 ※23 友釣り成功。 と、二人の男性客はレジへ案内されて行った。 客観的に見ると、このように見えてしまうわけですが、要はこの店員さんの場合、一番最初に案内した商品を絶対に買わせるよう導いた訳です。自ら商品を提示し、決め打ちと言うか、その商品に向かって押していく攻めの接客なのですね。もちろん、その分お客様が心理的に逃げていってしまうリスクはありますが、限られたアイテムでの接客方法としてはベストのようです。 私の場合は、どちらかと言うと、お客様の要望や今まで使っていた商品を聞き出してからの商品の提示となるので、購入する確率はより高くなっておりますが、その分商品のアイテム数が多くないと満足のいく接客はできませんし、接客に時間がかかります。故にメーカー直販のカウンター等は前者。香水専門店などは後者というように接客の仕方とって言っても過言ではないです。 香水を例えに話を繰り広げましたが、小売業全般で使える実戦的な「話術」なので、覚えていた方が良いかもしれませんね。 と言う事で、本日はここまで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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