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テーマ:香水(935)
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とある輸入業者から一本の電話があり、「今度発売する香水の定価をどう考えれば良いのか」との相談を受けました。前々から日記で書きたかった部分の話だったので、私見も含め、本日の日記はそこから始めましょうか。(業者向けの長ったらしい話なので、飛ばしても良いでしょう)
まず、定価と言う概念。 むか~しむかしあるところに三井高利と言う者がおったそうな~。その男は「越後屋」と言う呉服屋を開き、いまでは当たり前になっている正札販売を世界で初めて実現したそうな~~(三越の歴史より)。 江戸時代の呉服屋と言えば、お客さんによって言い値で商売していたようですが、この越後屋は商品の基準によって価格が決定する「正札=定まった価格」と言うルールを決め、その歴史が今もなお受け継がれているわけです。 現在は主にメーカー小売希望価格を指しますが、香水という輸入品の場合、輸入代理店が設定した価格を「国内定価」として、デパートはこの価格を守っている訳ですね。 (ここまでは分かって頂けました?要は、輸入代理店になってしまえば、国内定価もその代理店が設定できる訳です) しかしながら、こと香水市場では今現在その定価と言う概念が崩壊しつつあります。大手ブランド(シャネルやグッチ)などは直営のブティックや百貨店のブースなどできちんと定価販売しておりますが、百貨店にまで並ばない商品、所謂、ディスカウント市場向けに供給されている商品までもが、メーカー小売希望価格を設定しており、定価と言う言葉の重みを薄めてしまっている訳です。現にみなさんも香水を買うとき定価なんか気になさらなくなったのではないでしょうか? では、何故後者のような商品までもが定価を設定しなければならないのでしょうか。私が考えるに、ディスカウント市場は、元々国内定価と海外からの並行輸入時の価格差を謳い文句にここまで市場を拡大してきました。その結果、並行輸入業者がどんどん力をつけてきて、輸入代理店にまでなったと言うのが流れ。しかし、幾ら輸入業者が力をつけてきたとは言え、流通経路(販路)はディスカウント店やドラックストアばかりなので、ディスカウントを謳い文句にしなければならず、メーカー小売希望価格を設定している訳です。 そしてもう一つの理由としては、宣伝の為でしょうかね。ここ最近いろいろな雑誌媒体に多くの香水が載っているかと思われます。雑誌を見ただけのエンドユーザーは、どの商品が百貨店に並んでいて、この商品はディスカウント向けだなんて分かりませんので、定価を書くことによって、商品に箔をつけたり、頭に刷り込易いわけです。(オープン価格にするとこの辺のインパクトが弱くなってしまうのですよ) 「それでも定価が必要な理由」皆さんついてこれていますか?で、最初の話に戻りますが、ディスカウント向け定価の設定の考えたなのですが、考える要素としてはこんなところでしょうか? ・ 商品の趣 これは単純に言ってしまえば、高級志向なのか、カジュアル志向なのか。また、EDTとEDPの違いによっても考える対象となってくるでしょう。 ・ 海外の定価 どこかの代理店みたいに、そのブランドが作成しているHPに8ユーロ(単純計算で1ユーロ140円ぐらいですから・・・)と記載されているにも関わらず、3,900円なんて言う為替変動を考慮してもありえない定価をつけてしまうようなおバカな事は止めましょう。基本的には、そのブランドの母国で幾らの定価が付いているのか(資生堂であれば日本定価・シャネルであればフランス定価etc)を調べ世界統一価格がベストと思われます。 ・ 店頭価格からの計算 これはサイズバリエーションに関わる話ですが、ディスカウント価格を設定した時に、1サイズ大きくなる毎に¥1,000UPがベストな形。例えば、(30ml ¥2,000)→(50ml ¥3,000)→(100ml ¥4,000)/(40ml ¥2,500)→(75ml ¥3,500)→(125ml ¥4,500)と言う具合にし、値引率は統一させる事が隠し味です。 また、定価を計算する上で、消費税込の場合の見栄えも考慮すべきです。エスカーダのパシフィックパラダイス等は良い例で、普通30ml 5,000円→50ml 7,500円と来たら当然100ml 10,000円としたくなるところですが、そこを敢えて税抜9,400円とし、税込9,870円と言う配慮を加えている訳ですね。 こんなところでしょうか。これらは私見と言うより、大手代理店が行なっている事を分析したに過ぎないのですが、いまだに感覚で定価をつけている代理店さんが多いので、今回書き出してみました。 で、私が問題視しているのは、国内代理店 直営のサイトが自分のところの商品をディスカント販売していると言う点。具体的な例を挙げると フレグランスガーデン夢工房 (ルズ) ![]() 国内参考価格5,400円 価格4,500円 (税込4,725円) フレグランスポイント(フィッツコーポレーション) ![]() メーカー希望小売価格5,775円 のところFP価格4,000円 (税込) ホッパードリーム (ホッパードリーム) ![]() 定価5,000円 のところをHD価格2,780円 (税込2,919円) fragrance-cosme (サンシャインインターナショナル) ![]() 何でもありの社会情勢かもしれませんが、その分、自社の倫理観が問われる時代に突入しているのにも関わらず、あまりにもお粗末ではありませんか?先行販売などは許されると思いますが、メーカー小売希望価格のメーカーとは何処なのか?一日も早く是正していただきたいものですね。 親しき中にも礼儀ありと言うことで、本日の香水をご紹介いたしましょうか?本日は「セリーヌディオン ノーツ」です。 ![]() セリーヌ ディオン ノーツ トップ:ネクタリン・ウォーターリリー・ミモザ ミドル:アマゾンオーキッド・ヘリオトロープ・キューカンバーフラワー ラスト:ホワイトムスク・ベチバー・サンダルウッド・ガイアックウッド 解説:「セリーヌデュオン」ではなく「セリーヌディオン」だったのですね。失礼いたしました。 セリーヌディオンと聞いて、「タイタニック」を思い浮かべた方は、それだけで歳がばれてしまいます。何せ映画公開が今から8年ぐらい前ですから、当時いくつだったの?って言う話です。 それはさて置き、セリーヌの2作目にあたる今作が、初めて国内代理店発売になり、実物を大阪出張時に試したわけですが、未だに判断が分かれております。 確かに、国内限定のスリーブは付きますが、般ピーは「ちょっと年喰ったきれいな外人さん」が写っているくらいしか思わないでしょうし、ボトルにしても、普通と言っちゃ~普通ですしね。マイナス要因ばかり見えて仕方ないのですが、香りの方を嗅いだ時にちょっと引っかかったわけです。 つけ始まりは、瑞々しくも甘い桃の香りにウォーターリリー等が合わさり抑え目ながらも広がりを見せます。やがてフローラルのスウィートな女性らしい部分と花々が開花する時の躍動感を併せ持ち、ラストのホワイトムスクを中心とした石鹸のような香りへと導かれていきます。 香りのポイントとしてラストに重点を置いている為、香り持ちは長く続くと感じる方が多いのではないでしょうか。 個人的な見解としては、フェラガモのプールフェムを真っ先に思い浮かべ、香りの印象なども共通する部分があり、価格的にも似たような設定にする事ができうるので、悩みますね。正直。 メーカー曰く「宣伝している最中は売れると思う」との事ですし、外国人客が多い店は雰囲気で良いかもしれません。どちらにしても、気になった小売店さんは早めにやるやらないのジャッジをした方が宜しいと思います。 本日はここまで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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