不妊治療の培養室から

最近、胚盤胞移植についてご質問が多いので、最近の事情（胚盤胞培養液の成績向上、原則移植胚数が１個になったこと）を踏まえて、私が考える胚盤胞移植適応条件を列挙してみます。

１．受精卵が複数個ある場合（最近では原則１個の胚移植なので、複数個の受精卵を厳選するために胚盤胞期まで培養し、最良胚を選ぶ。胚盤胞到達率は個人差、年齢差はあるけれども1/３から１/２個程度）

２．年齢が40才未満（一般に若い患者様のほうが胚盤胞到達率が高いため、移植がキャンセルになりにくいという理由で）

３．「胚盤胞まで到達しない場合は妊娠しにくいので、到達しなかった場合、移植しない！」というふうに、割り切って考えられる方

４．初期胚を移植する際、いつもグレードが似通っており、最良好胚１個が選びにくい場合

もちろん、この適応でないと胚盤胞移植してはいけないという意味ではありませんが、上記に当てはまる場合などはやってみても良いかも知れませんね。