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カテゴリ:女子映画部
このところ、遊び通しのせいかぐったりというか、マッタリしていたら、また連休になってました
連休前に文楽仲間の藤紫さまと観に行った文楽(通しなので朝から晩までぶっ続けという過酷なスケジュール)を振り返ってみました。 アタクシは特に記憶に残ったスゴイ場面のみ記録しようと思いますので、ちゃんとしたあらすじを知りたい方は藤紫さまのレポートをご覧ください。 第一部は文楽版ロミオとジュリエットとでも言うか、代々不仲な家柄の息子久我之助と娘雛鳥ちゃんのお話。 出会いの場面《小松原の段》がアタクシは大好き。何が好きって、若い2人のいちゃつきぶりと、侍女の行動が・・・ (ナゼか)吹き矢の筒を携えて休憩していた久我之助。どうも人目惚れしたらしい雛鳥ちゃん(お姫様なので奥手)の気持ちを察した侍女が気を利かせて、 「あなたの持っている長い筒は何でしょうか?ちょっと貸してくれないかしら?」と久我之助に話しかけたことがきっかけで、めでたく(?)雛鳥ちゃんと2人打ち解けて相席になって、吹き矢の筒で内緒話をしたり、扇のかげでチュッチュしたり、まぁ「どこが奥手の姫様なんじゃ?」とつっこみたくなるようなイチャつきぶりで盛り上がっているわけです。 と、そこへ通りがかった(両家の不仲を知る)玄蕃という小憎たらしい男が 「親には黙っていてやるから、雛鳥をオレによこせ。」とけったいなことを言ってくる。 侍女は「何を寝ぼけたことを言っちゃってるんだ?この男。うちの姫様をアンタの嫁にしろだなんて、笑っちゃう~」と相手にしなかったら、ますます逆切れ(?)して騒ぎだすものだから、仕方なく 「ま、今のは貴方の気を引くための冗談で・・・」と立て直すと、調子に乗った玄蕃は「じゃあ、返事はさっき2人がやってたみたいに、筒電話(っていうのかね)でこっそり聞かせておくれ♪」と言うから、 侍女・・・アタクシはあの体勢になった瞬間「やるだろうな。」と確信しておりましたが、本当に奴の耳めがけて吹き矢をピュっとやっちまいましたよ(爆) ぬぬぬ、やるなぁ侍女。←感心している場合ではない。っていうか、吹き矢の使い方、確実に知ってたよね? 案の定、耳を射抜かれた玄蕃はイタイイタイと大騒ぎしていると、久我之助は 「女のやったことだ。大騒ぎしては君の恥になることだし・・・」と穏便に(?)事を収めちゃったよ。 たまたま最近の新聞で見かけたのですが、こういう状態のことです。 そして、あれやこれやあって(大幅に内容を端折った)、 妹山と背山という急流に隔たれた2つの領地に分かれて居留している雛鳥ちゃんと久我之助。(実は病気と偽って、雛鳥は謹慎中の久我之助を追いかけて来ている) 吉野川っていうのが、すごい急流な上、入鹿のせいで船も出せない為、離れた川越しにしか姿を拝めない2人。←この切ない雛鳥ちゃんの感情を表現した動き(@蓑助さん)がスゴイ!後ろ髪引かれる身体のひねり具合というか。 久我之助は帝の愛妃を逃がした罪がかかっているし、雛鳥は入鹿のところへ入内させられそうになるし、行き詰った恋人たちは各々「死」を選択するのです。 あっという間に久我之助が切腹しているし、雛鳥は入内するくらいなら久我之助を想ったまま母の手で打ち首にされたほうがいいと、あっけなく生首になってもうた お互いの親は「相手の子供が無駄死にしては無念」(←今さら?)ということで、「死んでませんよ」の合図として花のついた枝を川に流すのでした。ちなみに「死んでしまいました」の合図は枝だけを川に流す。でも、実際2人とも死んじゃってるんだけど。(途中で互いの親は子供の命がないことに気付く) いや、久我之助は腹は切ったものの、まだ(しぶとく)生きていたんだった ひな祭りの道具と共に、死んだ後にでも祝言を挙げさせてやりたいという親心(今さら?)で首だけの雛鳥ちゃんの籠(生首サイズなので小さい)を川に流して向こう岸に渡したのです。 それを久我之助の父親がしかと受け取って、久我之助とかための杯を交わさせた後、助太刀をして2人とも生首状態に 生首2つを抱えた父親が泣き崩れ(ながらもああだこうだと語り続け)る・・・ という、なんとも残酷というか、つまらない両家の喧嘩&入鹿の恐怖政治のせいで儚く散ってしまった若い2人の命のやるせなさというか。 なんか、しょうもない話なんだよねぇ。冷静に考えると(;一_一) しかし、あまりに流れが速すぎて泳ぎが達者な人でもおぼれ死ぬという吉野川のわりに、雛道具やら合図の枝やらが、うまいこと向こう岸に届くんだよなぁ・・・ あれなら無理して泳ぎ渡ろうとせずに、プカ~っと水面に浮いてみたら上手いこと向こう岸にたどり着けた(そして久我之助と再会できた)んじゃないかと思うのでした。 打ち首にされる(=結局死んでしまう)くらいなら、死ぬ前に一度試してみればよかったね、雛鳥ちゃん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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