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カテゴリ:文芸
上巻を受け、「第三章 白秋」の昭和22年から28年までと、
「第四章 玄冬」の昭和28年から49年までが描かれている。 日本の石油業界を牛耳ろうとする外油と、それに与する国内石油会社が、 鐵造率いる唯一の民族資本・国岡商店をつぶしにかかるところからスタート。 鐵造は東京銀行やBOAから多額の融資を受け、 石油タンクを購入したり、日本最大のタンカーを建造したりして、 アメリカ、そしてイランから石油を運び込み、販売することに成功する。 特にイランからの石油輸入は、このお話の中でクライマックスと言えるもの。 そのイランでクーデターが起こり、契約解除と価格通告を受けた鐵造は、 またしてもBOAから多額の融資を受け、 全米一の石油精製技術開発会社UOPに依頼して、 徳山に世界一規模の環境と調和する美しい製油所を、短期間で建設する。 その後、鐵造を支え、見守り続けた日田が逝去し、 石油業界の生産調整が廃止され、鐵造は社長の座を退く。 さらに、武知が去り、弟・正明が社長を退き、東雲が三代目社長となる。 その東雲が社長を退いた後は、四代目に姉・ミツの息子・落合隆が就任。 そして、昭和56年3月、鐵造は95年の生涯を終えた。 お話しも、きっぱりとした潔い終わり方で、好感が持てた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.01.17 19:40:37
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