カテゴリ:松文館わいせつコミック裁判
一通り話しが終わると、分りましたと言って舅は手帳をしまいます。
何だか事情聴取を受けた気分ですが、無事終了したようでした。 そして「マスコミへの対応は気を付けるように」と言いました。 マスコミは事実ではなく、事件を面白おかしく報道するから 余計な事は言わずにいるようにと忠告するのです。 窓口は全て会社になっているから、私がマスコミ対応する事は まず無い事を伝えました。 舅のこの言葉は、自身の辛い体験から出たアドバイスでした。 舅がある場所で責任なる立場に就いていた時に、事件が起きました。 事件の原因は、直接舅に関係が無かったものの、立場上説明責任が生じ 対外的な対応に追われて大変だったと言います。 きちんと説明をしても、マスコミは事実を正確に書くというよりも 尾ひれをつけて話しを大きくしていった様です。 下手に対応しようとしない事だと、舅は重ねて言いいました。 私も後で思い返し、事件を何となく記憶していましたから 当時は相当大きな騒動だった事でしょう。マスコミ対応なんて 私には現実味の無いアドバイスに感じられましたが 舅にとっては起こりうる事態であり、大事なアドバイスだったのです。 次ぎに、姑が口を開きました。 「これ、家にあった物をかき集めて来たんだけど、食べてちょうだい」 どさっと出されたビニールの中には、かき集めたという言葉そのままに 色々なお菓子が、ばらばらと入れられていました。本当に手当りしだい 持って来てくれたのでしょう。続いて厚みのある茶封筒が出されます。 「当面の生活費にして下さい」 貯金もあるし、会社の方から弁護士費用等を負担してもらっているから 心配頂かなくても大丈夫だと辞退しましたが、あって困るものではないし この先どうなるか分らないのだから取っておくように そう言われて封筒を受け取ります。 この先、もしかしたら普通の生活が出来なくなるのかもしれない。 ついこの間まで、海外旅行の計画をしていたのが嘘の様です。 旦那が戻って来たところで、諸々の状況がきっと一変してしまって それどころではなくなるだろうと思うと、哀しくなりました。 先行きが分らないからと、お金を貰う身になってしまった。 とても有り難いと思う反面、惨めな気持ちが沸き上がって来るのです。 意外にもと言っては失礼になるかもしれませんが、舅は 「人を殺した訳ではないのだし、大きく構えている事です。 バタバタしても仕方が無い事なのだし」 そう言いました。本当に救われたと思いました。 私は反省して、何か分かったら、すぐに連絡する事を約束します。 9時を回ったところで、お二人は帰りました。 こちらが心配していた反応が無かった事もそうですが ようやく一息入れられる事に、私はほっとしました。 とにかくひどい頭痛で、体が重く感じます。 姑が持って来てくれたお菓子を摘んで、その日はすぐ横になりました。 良く眠れるだろうと思っていたのに、何度も眠りが中断されます。 旦那に早く会いたいなぁ。頭に浮かぶのは、そればかりです。 私はまるで、ホームシックの子供の様でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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