カテゴリ:松文館わいせつコミック裁判
月曜日。旦那から頼まれたものを届けに行く様になっていましたが
体が重く、動く気が全く起こりません。 午前中は何もせず、ぼんやりと座り続けて時間直前まで過ごしました。 「アルジャーノンに花束を」がどうしても見付からないので 買わなければなりません。少し早めに出掛けなくては。 そう考えても行動が伴わず、私は身支度一つに2時間近くかかりました。 幸いな事に「アルジャーノン」はテレビドラマ化の時期に重なり 店頭で平積みされていました。その一冊を買い、家から持って来た本 厚手のトレーナー、靴下と一緒にカバンへ詰め込みます。 前回の荷物より格段に小さくなりましたが、それでも重いのです。 体がひどくバテていた様でした。 松文館へ1時間かけて出掛け前回通された窓口となる事務所へと 顔を出します。その時には、担当社員の方は誰かとお話をされていた様で 女性社員が対応してくれました。弁護士に言われた荷物を届けに来たので 預かって欲しい旨を伝えすぐに帰ろうとすると、その女性の方は 担当を呼ぶからと私を少し引き止めました。 担当の方は少し怪訝な顔でこちらを見ましたが、挨拶をしながら こちらに来てくれました。挨拶は何と交わしたか、忘れる程の儀礼的な ものだったけれど次の一言は良く覚えています。 「一般接見は禁止という事で面会の制限はされていても 身内の方であれば、衣類等の差し入れを受け付けてくれるそうですが?」 国語のテストであれば、こうなるでしょう。 問題:「文末は省略が用いられています。この続きを補いなさい」 解答:「こちらも忙しいから、自分で直接行ったらどうですか?」 私はへこみながら、電話で弁護士から指示された事を説明しなおします。 自分で渡したくても、本は弁護士経由でないと受理されない旨も合わせて。 「ああ、そうなんですか。それじゃぁ渡しておきます」 私はお手数掛けますと頭を下げますが、正直不愉快でしたし 相手も接客中だったので、そのままさっさと帰りました。 朝からのだるさは、虫の知らせだったのでしょうか。 こんな事を言われるのなら、来なければ良かった。 帰る道々、泣き言が膨らみます。 自分で差し入れる事が出来るなら、今日の朝一番に出掛けて渡したのに。 自分で差し入れる事が出来るなら、こんなにペコペコしなくてもいいのに。 一歩ごとにそんな言葉が浮かんで、目の前にいない相手に対して、 自分で出来る事を、わざわざ頼みになんて来ませんと文句をぶつけました。 この時、会社は会社で営業に支障が出る程の混乱が出ていたそうです。 普通に考えて、社長と編集長が不在になれば、様々な決定事項が滞ります。 それだけでなく、いつ戻って来るか分らない状態でしたし、 逮捕という汚名もかかります。松文館は、取引き金融機関全てから一斉に 融資打切りの連絡が来たのだそうです。諸々のトラブルが噴出する中 私はそれらを知る立場に無いので、担当の方がどれ程の心労を 味わっていたのか、ある程度は想像していましたが、会社倒産の危機にまで 直面していたとは、全く考えも及びません。 居心地の悪い疎外感しか、感じられなかったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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