黒パグ・ふぶきの失踪騒動
以前、自転車ですれ違った面識も無い年配男性に、突然声を掛けられた。「そこにタヌキがいるよ!」すごく得意そうな弾む声。ちなみにタヌキの存在は、以前から知ってはいた。散歩途中に、川沿いの土手をトコトコ歩く姿を見かけたり雑木林の中へ駆け込む動物が、明らかに犬でも猫でもなくあ、ここいらにもタヌキはたくましく生きているのかと思っていた。ただ、その時。自転車で「そこに」と言われても場所が特定出来ず結局「そこにいたタヌキ」には遭遇出来なかった。今朝方のこと。暑さでバテ気味の中をゴミ捨てに出ると、何かが道をやってくる。細身で黒い体だけど、猫ではない。犬にしては顔がちょっと変。逆光でよく見えないその生き物を、半瞬タヌキかと思ったが正体は我家の黒パグ・ふぶきだった。「オマっ、ドッ?エェッ?!」(訳・お前、どうやって?えぇっ?!)本人はこちらを見下す様なへの字口。何を驚いてるんですか?と言った風でアスファルトの熱さに散歩を諦めて、勝手に部屋に戻って行った。以前にアップした画像ですが、我家の黒パグ・ふぶき。ペットショップで1年半過ごしたフォーンパグ・はなに比べて怖いもの無しで天真爛漫・自由を希求して止まない性格。実はほんの少しでもドアや門が開いていると、猫の様に引っ掻いて隙間を作り、体を押し込んで外へ出るのがお得意。しかも現在、1年程前から続いている皮膚病の為に首輪類をしてない。それが半年程前に、我家からこつ然と姿を消して行方が分からなくなった。私は体調不良で寝室で横になっていて、当然犬達は旦那仕事部屋かとさして気にしていなかった。夕方頃、どうにか起き上がってさぁ夕飯の支度をして、犬達にもエサを・・・と呼んだ時に初めて家出の事実を知った。一体、何時からいなくなったのかどこから出て行ったのかも分からず、私はパニック。夕飯そっちのけで当ても無くほぼ徹夜で探しまわり、警察へ電話し翌朝一番で管轄保健所と、最悪の事態を考え清掃局への連絡。そうしたら、すぐに保健所で保護された事が分かった。旦那仕事中、娘は保育園入園前、私が鬱最悪の時期。それでも罰金5000円を支払い、始末書にサインをして無事にふぶきを迎えることが出来た。鑑札を着けていれば良かったのだけれど、実家にいる姉妹犬と一緒に鑑札を貰ったので、新居の方へ犬の籍を移すのを忘れていた。大失態。恐らく普段室内飼いがメインの人は、あの銀色の鑑札を着けないでいる事も多いだろうけど、いざという時の為に首輪でなくても肌に負担にならない物で身分を証明出来る何かを必ず着けておくべきだった。今ならばエリザベス・カラーに連絡先をデカデカと書いてやるのだけれど。ところで。保健所で私は「知らせて下さった方にお礼を」ととにかく連れ去られないで戻って来てくれた喜びから職員に申し出ると「保健所に連絡してくる人は、少なからず犬に関わりたく無い人」だからお礼の必要なんてありませんよ、と苦笑された。でも、迷い犬がいた場合。犬好きの人でも、いつ名乗り出るか分からない飼い主が現れるまで預かれるのは、稀だと思うのだけれど。私自身、小型犬とは言え犬2匹がいて、ここに迷い犬か捨て犬か分からない犬が目の前にいたら、どうしてやるのがいいのか、正直分からなかった。で。良く聞く話だけれど、貰い事故等で飼い犬が亡くなった時に保険会社と事故相手との間でトラブルになるのは、その扱われ方。愛玩動物の「玩」が意味する様に、日本で犬は物扱いに等しい。結局、減価償却にも似た計算法ではないけれど、甚だしい血統の損失でもない限り、お見舞金にもならない様な額が上乗せされる程度。でも物扱いを逆利用して、警察に届けられると遺失物扱いとなって保健所よりもわずかに長く、保管しておいてもらえる訳です。良く爬虫類系の捕獲騒動で、警察が動くのは勿論住民の通報で安全確保もあるのでしょうが、恐らくこの遺失物にも関連してくる。ペットで逃げたというのであれば、遺失物取得になるんでしょうね。その後、保健所を含めて、しかるべき対応機関へ移動されるんですが移動後の処置は、各地の状況によって3日で処分されるとか1週間保護されるとか、諸々の様です。ただ遺失物保護法が14日と6ヶ月だったのが、3ヶ月へと改正結局、愛犬がいなくなったら迅速かつ的確な行動を起こして網を張っていないと、保護出来ないということになります。保健所も管轄地域外でも近隣地域を含めて連絡しておく方がいいし警察への連絡も市内警察署以外にも、近所の交番へ連絡する方が良いかもしれません。ただし、小型犬・特に流行犬種・・・犬に流行って言葉を使うのは大嫌いなんですが、人気小型犬種は連れ去られる可能性の方がはるかに高い。結局、愛犬の管理責任は全て飼い主になるというのを改めて突きつけられた出来事でした。さて、問題のふぶき脱走劇。それ以降、神経を尖らせて二の舞を犯すまいと気を付けていたのに、一体どうして?もう一度、ふぶきを偽フリーダム状況にして監視していると門の横に置いていた三輪車に飛び乗り、お隣との堺にある大人の腰程度の低いフェンスを飛び越えて、お隣の庭へ移動。更にガレージの間を抜け出て、自由の世界へ!という次第。門に鍵をしていたのにも関わらず表へ出ていたふぶきは後ろの百太郎に出てくる「ゼロ」の様にワープでもするのかと真夏の怪奇現象だったのですが、正体見たり枯れすすき。もうドアや網戸を開けておくのも禁止になりましたとさ。今、パグ2匹は28度の室内で大いびきです。耳栓していても響いてくるイビキは、さすが。