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2006/11/05
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カテゴリ:カテゴリ未分類
僕にとって、
夢から醒めた時のような、
一瞬とも言えるような時間でもあり、
とても、
長い長い時を越えたような気もした三時間が、
ここから始まった…。

・。* 。 +゚。・.。* ゚ ・。* 。 +゚。・.。* ゚ ・。* 。 +゚。・.。* ゚ +

~《神様に近い場所…》~

~ル…ルル…ル…~

《この声!?…》

~ル…ルルル…ルルル~

《セソ!?》

その声…歌は、少し空の彼方の遠くの方から、
時に左側から、時には右側から…。
まるで僕の回りを飛びながら歌っているかのように、
とても心地良く届いていた。

あの歌…《さくらの唄》だ…。

《あの…。》

~私を呼んでるのかい…。~

《あの声は…セソですよね…。》

~さぁ…、
   どうだろう…。
   ただの錯覚かも知れん。~


歌声はピタッと止んだ。

急になんとも言えない沈黙が走る。
そして、また…。

~ル…ルル…ル…~

《あっ…やっぱりセソだ…!?》

~私には聞こえない…と誰かがお前に言ったらなんと言う。~

《えっ!?なんでそんな事言うんですか…?》

~いいから、
   何も考えずに、
   今は私と話をしよう…。

   その代わり、寒い想いはさせない。

   ベンチに戻ってみなさい。
   いい事が起きる。~


僕はキョトンとしながら、ゆっくり新聞紙を敷いてあったベンチに戻った。
そして腰掛けた時、
まるでベンチの下にストーブでもあるかのように、
暖かい風が優しく、僕の足元から身体に感じられた。
新聞紙はまるで、電気カーペットのようにホカホカして来た。
《!?う…嘘ぉ…!?》
僕は思わず口からそんな言葉を漏らした。

~嘘がいいかい…。~

僕は慌てて答えた。
《嘘でもなんでも、錯覚でも幻覚でもいいから、
 このままがいい…。あたたかい…。》
そして、すぐに、
心でこう思った。
心で今疑う事をやめよう。
そしたらこのまま、温かいままで居られるかも知れない。

すぐに、その心に答えが返って来た。
~そう、それでいいんだ。~

僕はゆっくり頷いた。

夢なら夢でいい。
なんだか、倖せな気持ちになって、
心はとても穏やかだった。

このまま時間が止まってしまってもいいと思った。
夢なら覚めないままでもいいと思った…。

一瞬でも今、
何も考えずに、
ただこの声と話しをしていられる。
その時間がずっと続けばいい…。

~書きなさい。最初の約束だった。~

薄明かりの電灯と、
柔らかな月の光…。

十分に筆記を出来る。
久しぶりにリュックサックから、ノート取り出した。
ゆっくり読み返す事もなかったノートには、
やっぱり不思議な絵と書きなぐった文章が、
今日まで起きていた不可解な現象の中の記録を、
少なくとも僕の紛れもない真実として、
証しとして残してくれていた。

さっさと捨てる事も出来た。
でも、僕にはどうしても、そうは出来なかった。
この声に対して僕は、何の期待もない。
僕にとって何ひとつ《都合のいい、便宜のいい現象》など、
絶対に起こしてはくれないと知っている。
…解った…ではなく、
僕は心でそれを《知っている》。

そう自分で言葉にした方が、
しっかり落ちた。

僕が突然の声にドキっとしないように、
まるでとても気遣ってくれているかのように、
遠くの方から少しずつ、
声が届いてくる…。
僕にとってその声は、
聞き易い、綺麗な発音の、
声優さんや役者さんが喋っているような、
とにかく心地いい男の人の声だった。
それが、
この現象が始まってからのまず、
芯と言える声。

姿、形は見えない。

でも、今では少しだけほっとする程、
人としてまるで出逢ったかのような感覚にもなっていた。

もし毎回様々な声だったとしたら、
考えて見たら、今の僕の精神状態はまた、
全く違っていたかも知れないと思う…。

幸い今は人が殆ど通っていない。
でも誰かが目の前を通り過ぎたとして、
僕が上を向いてブツブツ喋っていたら、
そりゃあ振り返って、変な人だとまたもう一度見るだろう…。

書いた方がいいに決まってる。

僕は白紙のページを開き、
筆記を始めた。

~話しを続けよう。
  流星…いいかい!?

  お前には人には聞こえない声がこうして聞こえている。

  そして子供のような歌声が、
  さっき聞こえた。
  動揺するお前はそれを伝えた。

  『女の子の歌声』が聞こえると…。

  しかし、私達には聞こえないと傍に居る子達は首を傾げた。
  さあ…なんと言う。
  正しい答えなどこの質問にはない。

  ただお前の答えが今聞きたいんだ…。
  深く考えなくていい。

  そのまま、私に質問の答えとして、
  お前が話せばいいだけだよ。~


《…その人が、大樹なら…、SHUNなら…そして、
 僕に起きている事を少しでも理解してくれてる人が傍に居るなら、
 僕は、もう一度伝えるかも知れません。

 『今、聞こえてるんだよ。女の子の歌声…!?』って…。》

~じゃあ、何にも知らない子が傍に居る時は…~

《言いません。聞こえても。》

~じゃあ、思わず口にしてしまったとしたら!?~

《…しません。しません…それじゃ駄目ですか…。》

~ならば、
  何かを感じると自分で自分を把握している子。
  つまり《霊感》があると言う、
  自らの認識の中で、
  その子が、何かしら感じ、
  『子供の霊』が居る…と口にしたら?~


僕は少しだけ考えた。

《…僕には歌声が聞こえる…》

~この土地で起きた天災で亡くなった子供の霊…そうその子が言ったら?~

《なんでもかんでも、霊と言う言葉と結び付けちゃいけない。そう言います。
 セソがそう教えてくれました。
 ほんとにそうだと…思いました。》

~そうか…。
   それはいい事だ。

   多過ぎる…あまりに多過ぎる。
   この日本に於いては、
   《霊感がある》と言う枠の中に自分を重ね、
   何の対処も出来ない上に、
   遊び半分でさえ口にする子が…。

   粗塩を持てば、なんでも祓えると思っている浅はかな子もね…。~


《僕もきっとそうでした…。
 余計に怨念みたいな怖いエネルギーを増幅させる事すら…あるんですよね…。》

~ならばそれはなんだい。
  その話しにある怨念の意を持つエネルギーは…なんだい…。~


僕は黙ってしまった。
霊…と言いそうになって、
でも何処で区別すればいいのか、
自分の中で言葉に出来なかったからだった。

~【烈】~

思考の中に、
この文字が飛び込んでくる…。
【れつ】…。

《【烈】…》

~怨念を持つ魂。憎悪の魂。輪廻を成せない魂。
  人間を脅かそうとする魂…。悲しみに満ちた魂…様々な形で火の意を持つ、目には映らない魂のエネルギーもまた、
  この世に残存している事もまた確かだ。

  それをまず、
  流星としての意識の中でいい、
  この言葉として囲いを作り、
  心の区分けをしなさい。

  そして烈と接刻(せっこく)を持つ事は、
  命さえ脅かし、破滅にさえ導く強い危険な事でもある。

  接刻を明ける事が、
  お前にもしここからの道の中であるとするなら、
  お前を守れるものは、お前の強さは、
  その心にある、
  揺ぎ無いその…~


聞き取れなかった。
僕は聞き返した。

《揺ぎ無い…なんですか》

その質問を無視するかのように話しは続いた…。

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.









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Last updated  2006/11/09 09:15:45 AM



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