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鉄道ジャーナリスト加藤好啓のblog 国会審議集

2017.04.29
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テーマ:鉄道(10788)
カテゴリ:衆議院
本日も昭和49年3月の、衆議院運輸委員会からの内容をアップしたいと思います。
国鉄の昭和39年から続く赤字はその4年後には累積の黒字を食い潰し、赤字は膨れるばかりでした。
労使関係は悪化の一途をたどりますが、組合は合理化は認めるが要員は減らしてはいけないと言う何とも不可解な理由を交渉事項として持ってきたため、電化しても機関士と機関助士が乗務するといった不合理が続きました。
昭和42年春頃から始まったEL・DL一人乗務化交渉は、組合の反対も強かったが、2人乗務が必ずしも安全に寄与していない結果となっていると言う事実を当局がしめしたこともありましたが、昭和43年には、共同で外部の学識経験者に調査を依頼することで、国労・動労・当局が合意、専門家による調査を経て昭和44年4月には、総合的に判断して、国鉄の基本方針を二人乗務から一人乗務に切換えるべき時期に来ているとされたのでした。
これにより、
電気機関車等の一人乗務に備えてEB装置の設置等が行われたと言われています。
ただ、こうした合理化のための努力は続けられましたが、収入源である国鉄運賃に関しては、「国民の生活に密着している:ということで、その改訂は国会審議に委ねられており、タイムリーな値上げ等が出来ないと言う問題を抱えていました。
実際に、国鉄の赤字は膨大で30年経た今になってやっと目処が立ったと言われていますが、国鉄の赤字問題は、国鉄自身に帰する部分も多々ありましたが、こうした政府の都合で翻弄されたところもあったと言えます。
上記のような、反合理化運動等による合理化してもさほど費用が減少しないと言う矛盾を抱えながら赤字は累積し、最終的に国鉄は、政府・運輸省(当時)に頼らざるを得なくなる悪循環に陥ることになったことも事実でしょう。

今回の国会審議で注目すべきは、「国鉄再建」と「物価安定」のいずれに主眼を置くのかと言う点を強く指摘しているのですが、政府としては再建は後回しで物価の安定をメインにしたかったようです。
*****以下、国会審議議事録から抜粋してみます。****
加藤六月委員 
国鉄の財政再建という点からも、私たちはこの問題につきましてきわめて真剣に検討を重ねたわけでございます。運賃改定の実施が半年延びることによりまして、大体九百七十六億の収入見込み減となるわけでございますが、この点につきましては、いろいろとお骨折りをいただきまして、昨年の改正におきまして三月三十一日となりましたときに、特別利子補給金という制度を国といたしましてもつくったわけでございますが、今回の九百七十六億の収入減に対しましては、全額これを財政融資で補てんする、そういたしまして、その利子は新しく負担となるわけでございますが、これにつきましては、再建期間中その利子分を国におきまして特別利子補給金という制度で補てんしていくという制度をとったわけでございます。
****中略
国鉄運賃が物価に及ぼす影響というもの等も議論にはなったわけでございますが、要は、国民の足として、げたではない、くつではない、ほんとうの足だ、この足を国民のために国鉄の重要なる使命を認識して、再建しなくてはならないという立場が骨子であったと思うわけですが、今回運賃改定を延ばす理由は、物価対策だということになるとしますと、再建というものはどうなるのかということについて、そういう点等も政府は考慮して、この十月一日案というのを出したのか。もう再建問題はたな上げして、物価だけを押えなくちゃならないという立場でやったのか。そこら辺の気持ちをまず承っておきたい、こう思います。
 
ここで出てくる「特別利子補給金」と言うのは、今回の措置で不足する九百七十六億を借りるにあたリ発生する利子を一時的に貸与しようというもので、助成金とは性格が異なります。

本来は、国鉄の設備投資は、国なりによる直接投資(国からの委託事業)等にすべきであったと思うのですが、当時はあくまでも国鉄の責任で行う形となっており、積極的に国が補助を行うようになるのは昭和五〇年以降でした。



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**************************以下国会審議録***************************
 
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議
○三池委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。加藤六月君。
○加藤(六)委員 先ほど運輸大臣が提案理由の説明の中に、昭和四十九年十月一日に延期するこの法案の趣旨として、「物価対策の一環として、国鉄の運賃改定の実施期日を昭和四十九年十月一日に延期することをその内容とするものであります。」こういうことでございます。私たちは、物価対策の問題ももちろん重視し、この運輸大臣の提案理由の説明の前のほうに、「政府といたしましては、物価の安定を最優先の課題とし、総需要の抑制をはかる等総力をあげて物価対策に取り組んでいるところであります。」そこで、物価対策の一環として、国鉄の運賃改定の実施期日を、三月三十一日であったものを、十月一日に延期したい、こう提案理由の説明で言われておるわけであります。
 昨年の特別国会におきまして、われわれ当運輸委員会は、あらゆる方面から、あらゆる角度で百数十時間の審議を、国鉄再建法並びに運賃改定についてやったわけであります。その中の各委員、いろいろな質問の内容等あったと思いますが、はたしてこの案で国鉄が再建できるかできないかという問題も、非常に重要なる骨子として、大部分の時間はこの問題に注がれたわけであります。
 もちろん、国鉄運賃が物価に及ぼす影響というもの等も議論にはなったわけでございますが、要は、国民の足として、げたではない、くつではない、ほんとうの足だ、この足を国民のために国鉄の重要なる使命を認識して、再建しなくてはならないという立場が骨子であったと思うわけですが、今回運賃改定を延ばす理由は、物価対策だということになるとしますと、再建というものはどうなるのかということについて、そういう点等も政府は考慮して、この十月一日案というのを出したのか。もう再建問題はたな上げして、物価だけを押えなくちゃならないという立場でやったのか。そこら辺の気持ちをまず承っておきたい、こう思います。
 ○秋富政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、昨年の国会におきまして、きわめて異例な長時間の御審議をいただいたわけでございます。その一番ポイントは、御指摘のように、国民の足でございます、国民の経済社会生活にきわめて緊要な国鉄の財政を再建するということが究極の目的でございました。今回これをさらに半年延ばすということは、国鉄の財政再建という点からも、私たちはこの問題につきましてきわめて真剣に検討を重ねたわけでございます。運賃改定の実施が半年延びることによりまして、大体九百七十六億の収入見込み減となるわけでございますが、この点につきましては、いろいろとお骨折りをいただきまして、昨年の改正におきまして三月三十一日となりましたときに、特別利子補給金という制度を国といたしましてもつくったわけでございますが、今回の九百七十六億の収入減に対しましては、全額これを財政融資で補てんする、そういたしまして、その利子は新しく負担となるわけでございますが、これにつきましては、再建期間中その利子分を国におきまして特別利子補給金という制度で補てんしていくという制度をとったわけでございます。しかし、これだけの借り入れ金がふえるということはこれは事実でございます。この点につきましては、今後さらに運輸省といたしましても、国鉄といたしましても、万般の措置をとるとともに、企業努力によりましてこれに対処いたしたい、かように考えております。
○加藤(六)委員 そこで私は、昨年、特別国会において、政府側が十カ年の長期計画を委員会にお示しになり、そしてまた、それぞれその十カ年計画の収支試算の大前提として、まず再建期間、その次に輸送量としての旅客と貨物、それから運賃改定、工事費、工事費補助金、政府出資、過去債務対策、公団借料、要員数、こういったものを十カ年の再建計画を立てる場合の長期収支の大きな基礎として、十カ年間の計画を委員会にお出しになった。また、昨年二月二日の閣議了承の内容も当委員会にお出しになったわけであります。あれらはすべて昭和四十八年四月一日から運賃改定が行なわれるという前提で、いろいろのものがあったわけであります。
 それが具体的には一年半変わってきまして、四十九年十月一日ということになりますと、一年半の食い違いが出てくるわけです。これは運輸収入の面において大きく食い違いが出てくるわけですが、こういった問題等に関連しまして、あの法律の中に、政府は基本方針をきめる、国鉄は政府の基本方針に従って基本計画を策定して、先ほどの使命である国鉄再建というものを果たさなくてはならぬということになるわけであります。そこで私は、これに関連する問題を中心に、与えられた時間内ちょっと御質問いたしたい、こう思うわけであります。
 まず、政府は基本方針、国鉄当局は基本計画というものを昭和四十八年の閣議了承並びに国会へお出しになった長期収支というものを基礎にして、運賃改定に一年半という大幅な狂いがあるわけですが、それをどういうようにこなして基本方針並びに再建計画をお立てになるような気持ちがあるんだろうかどうだろうかということを、運輸省並びに国鉄のほうに承りたい、こう思う次第です。
○秋富政府委員 まことに深刻な問題でございますが、まず私たちといたしましては、昨年の二月二日に閣議了解をいたしました線、並びにこの国会におきまして、国鉄が試算いたしました長期試算というものを中心といたしまして、長時間御審議いただいた次第でございまして、私たちの基本的姿勢といたしましては、あくまでもこれをもととして再建の基本方針並びに国鉄の再建計画というものを策定いたしたいと思いまして、現在鋭意検討中でございます。
 ただ、御指摘の一つの問題は、運賃改定が一年半延びたという問題でございますが、これにつきましては、昨年の補正予算におきまして、四十八年度分につきましては手当てをいたしましたし、また今回御提案いたしております半年延ばすことにつきましても、ただいま国会において御審議いただいております四十九年度予算におきまして手当てをいたしておりますので、この限りにおきましては、四十八年度並びに四十九年度の収支ということにつきましては手当てをしたわけでございまして、再建計画の最終目標でございます五十七年度の損益には関係ないわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、長期借り入れ金がふえるということは事実でございます。これに対しましては、一方におきまして、長期計画におきましては一兆五千億の政府出資をするという予定でございましたものを、四十八年度並びに四十九年度におきまして約八百八十億というものをさらに上積みいたしまして政府出資をしたわけでございまして、この利子効果といいますものはやはり再建計画にプラスに響くものでございます。こういったことにつきましては、それぞれ措置をとった次第でございます。
 いま一つ出てまいりましたのは、昨年の後半以来、石油問題を契機といたしまして出てまいりましたいわゆる異常なる物価騰貴の問題、これがどういうふうに影響してくるか、あるいは省エネルギー対策という面からまいりまして、産業、経済、社会の見通しというものはどうなってくるか、こういう点につきましては、私たちも深刻に受けとめておる次第でございます。これと昨年の国会において御審議をいただきました長期計画とのからみ合わせの問題、あるいはすべての数字的な問題もあるわけでございますが、現在、長期計画につきましては、新しい見通しというものは、政府におきましてもまだいろいろ模索中でございまして、そういったときに国鉄の長期収支計画を出すということのその辺の関連性の問題につきまして、私たちといたしましてもいろいろと苦慮しているということが率直なる立場でございます。
○井上説明員 この問題につきましては、ただいま鉄監局長から御説明申し上げたとおりでございますが、国鉄といたしましても、従来もそうでありますけれども、今後につきましても緊密な連絡をとりながら、運輸省の御方針に従いつつこの問題を処理してまいりたい、かように考えております。
 それで、申し上げることはいま鉄監局長が申し上げましたことと重複いたしますのではしょりますけれども、考え方といたしまして、長期収支計画というものは一応はやはり計画的な数字でございまして、現実の数字と必ずしもそれがぴたりぴたり、びた一文狂うことなく合っていくということはあり得ないと思うのでございます。現実に四十八年度、四十九年度すでに数字が変わっておるということは事実でございますが、そうかといいまして、すでに二年変わっておるからというので、先般お示しいたしました、また御説明申し上げました長期収支計画を根底から変えるということは、まだその変えるほどの材料もない。たとえて申し上げますれば、あの計画の基礎になりました経済社会基本計画にいたしましても、まだあれは変わってはおりませんし、やはり現時点におきましては、先般お示ししました長期収支計画を骨子といたしまして、ただ四十八年度、四十九年度に受けました収支上の悪影響、これが五十年度以降に残らないように、累積的にそれが増加していかないように、そういう措置をおとりいただくということが私どもの念願であり希望でございましたが、その点は関係御当局の御努力によって達成されております。確かに四十八年度、四十九年度の数字は変わっておりますけれども、五十年度以降については、それが累積的な悪影響を及ぼさないという措置をとっていただいておりますので、現時点におきましては、長期収支計画を根底から変えるという段階ではない、かように考えておるところでございます。
○加藤(六)委員 鉄監局長がちょっと触れられ、また副総裁も少し触れられたわけですが、私はこれから個別に少し突っ込んでお聞きしてみたいとも思っておったんですが、基本計画――もちろん副総裁がお触れになりました経済社会基本計画の見直しがまだ行なわれてないわけだから、長期収支の問題についての抜本的に手を加える要因にはならない、こうおっしゃったんですけれども、昭和四十八年の、去年のあの時点における問題と、すでに今日いろいろな問題で再建計画に疑問が投げつけられております。先ほど鉄監局長がお触れになりましたけれども、たとえば人件費のアップ、われわれはあの計画の五十一年までは一二・三%という読みをしておりました。四十八年度自体においても、すでにそれに対する狂いは相当出て、たしか五百八十何億というものに対する特別な処置をせざるを得なくなった。したがって、あの長期収支計画における人件費の増という問題はどうなるかわからない、あるいは物件費の伸び率あるいは物価のアップ率というものも相当考慮はいたしておりましたが、卸売り物価が安定しておる時点における長期収支の計画を入れておったわけであります。あの時点からことしのきょうの時点に至るまでの物価の狂乱というものは非常に激しいものであります。そうすると、そういう問題が収支計画にどういう影響を及ぼすか、あるいはまた、工事費において十兆五千億という内容を相当厳重に、きびしく当委員会において――当委員会ですよ、当委員会において追及し、それが十兆五千億という金額は適当であるかどうか、またその投資金額がはたして国鉄再建のためにどうなるのかという問題等も議論いたしました。ところが、昭和四十九年度の予算における工事量の押えという問題が現実には起こってまいりました。この問題が再建計画にどういう影響を及ぼすんだ、その他一つずつ先ほどの「長期収支試算前提」というものから見ていっても、その間の狂いというものは何やかんやで私があげるだけでも十三項目ぐらいあると思うわけであります。その内容をとにかくいま言ってもどうかと思うわけでございますが、けさの新聞にたとえば「新幹線公害国鉄が具体策」「買い取り・防音推進」ということでいろいろ出ておりますね。あの十兆五千億の工事費の中に騒音対策というのは、局長、たしか八百億ぐらい入れてあったと思うのですが、あれは十カ年間で八百億であったのですか。それとも三年間、あれは五十一年、五十二年ごろまでに八百億は使うというつもりで十兆五千億の中に入れてあったのですか。どういう御判断ですか。






最終更新日  2017.04.29 15:39:03
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