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第1章 残り3日 後編
あと3日でライダーバトルが終わる・・・この神崎の言葉に皆、驚きを隠せなかった。 「お前達の戦いは思ったよりも長引いた。残りの3日で決着をつけなければ、お前達の願いは叶わない」 神崎の言葉は更に4人に衝撃を与えた。 「決着を急げ。そうしなければ全てが手遅れになる」 そう言い残し、神崎は4人の前から姿を消した。 残された4人に沈黙の時間が流れた・・・重たい空気が漂う教会内。その中で浅倉が笑い出した。 「簡単な話だ。今直ぐここで決着をつければいい。俺が勝てばこのライダー同士の戦いを続けられる、こんな楽しいゲームは他にないからな」 浅倉は残忍な笑みを浮かべながら真司、蓮、北岡を見た。 だが、今は誰も浅倉と戦う気にはなれなかった。 「どうした?戦えよ」 3人を挑発する浅倉だが、誰一人としてデッキを手に取ろうとはしない。 「悪いけど、今は戦う気分じゃないんだよね。帰らしてもらうわ」 そう言うと、北岡は教会から出て行った。 「蓮、俺達も今は行こう・・・取り敢えずこれからどうするか考えようぜ」 「そうだな」 真司と蓮も教会を後にした。残された浅倉は誰も自分と戦わないことに苛立ち、目の前にあったマリア像を破壊した。 「ふざけやがって!!何故、誰も戦わない!!!」 浅倉は苛立ちが治まるまで教会の物を破壊し、暴れ続けた。 その頃、北岡は自分の事務所に戻っていた。帰って来た北岡を秘書の吾郎が出迎えた。 「お帰りなさい、先生」 「ただいま、吾郎ちゃん。今日は何か疲れちゃったよ、美味しいものでも作ってくれる?」 「分かりました!」 吾郎はキッチンに向かい、料理の準備に取りかかった。 北岡は部屋の奥の机の椅子に座り、スーツの胸ポケットから自分のデッキを取り出した。 「残り3日・・・ねぇ・・・」 険しい表情を浮かべながら、北岡はこの3日をどうするか考えていてた。 真司と蓮も花鶏に戻ってきた。玄関を開けると神崎の妹である優衣が出迎えてくれた。 「おかえり!真司君、蓮」 優しい笑顔で出迎えてくれた優衣に真司も笑顔で「ただいま!!」と言い返した。 蓮は何も言わずにそのまま自分の部屋へ入って行った。 「ねぇ、真司君。何かあったの?」 「何にもないよ!蓮の奴、腹でも痛いんじゃないかな?」 優衣に余計な心配はさせまいと笑いながら真司はそう答えた。 「それならいいんだけどね・・・」 優衣は心配そうな表情で蓮の部屋の方を見た。 「じゃあ、俺ももう寝るね!おやすみ~」 真司もそう言って部屋に戻って行った。 残り3日・・・3日以内に決着をつけなければライダーバトルは終わり、願いを叶えられなくなる。 真司、蓮、北岡、浅倉はそれぞれの思いを胸に1日目を終えることになった。
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最終更新日
2015.12.18 22:23:53
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