カテゴリ:カテゴリ未分類
第5章 最後の戦い
最後の勝者となった蓮は神崎に連れられ、戦いの場に着いた。そこは神崎邸であった。 屋敷の窓に映るオーディンの姿。 蓮はコートからデッキを取り出した、友のカードも入っているカードデッキを。 「俺の手で戦いを終わらせる」 窓硝子にデッキを映し、Vバックルを装着する。 「変身!!!」 ポーズを取り、仮面ライダーナイトに変身した蓮はオーディンと決着をつける為にミラーワールドに入った。 ミラーワールドではオーディンが既に待ち構えていた。 「一体、お前は何人いるんだ」 ナイトがそう言うと窓硝子に神崎の姿が映った。 「前にも言った筈だ、オーディンは実体のない俺の代わりだとな」 そう言うと神崎は姿を消した。 「掛かって来るがよい」 オーディンはデッキからカードを取り出し、ゴルトバイザーにセットした。 「ソードベント」 オーディンの手に握られるゴルトセイバー。その刃はどんなものをも斬り裂く強力な武器なのだ。 ナイトもオーディンと戦う為にデッキからサバイブ-疾風-のカードを取り出した。 戦いの場に吹きすさぶ風・・・ナイトの召喚機・翼召剣ダークバイザーがダークバイザーツヴァイへと進化する。 ダークバイザーツヴァイもカードスロットが二つあり、シールド部に当たるスロットにサバイブのカードを装填した。 「真司・・・俺達でこの戦いを終わらせるぞ」 ナイトは更にデッキからカードを取り出した。そのカードは死んだ友が蓮に託したカードだった。 「ほう・・・もう1枚のサバイブか」 ナイトがサバイブ-烈火-のカードを取り出すと、辺りに炎が渦巻いていた。 ナイトはそのサバイブのカードをブレードとなるスロットに装填した。 「サバイブ」 「行くぞ・・・真司!!」 ナイトはナイトサバイブへ進化し、オーディンに最後の戦いを挑む。 「烈火と疾風の力を持ってしても私は倒せんぞ」 元々、サバイブのカードはオーディンの持つカードであり、実は三枚存在するのだ、左翼の疾風をナイトが持ち、右翼の烈火を龍騎が持っていた。 そして、オーディンが持つサバイブのカードはその翼の胴体となるカード・・・無限を司るサバイブのカードである。 無限の力を持つオーディンにナイトサバイブは勝てるのだろうか・・・。 「俺は絶対にお前を倒さねばならん!それが死んだ友との約束てもある!!」 ナイトサバイブはデッキから取り出したカードを召喚機にセットした。 「ソードベント」 「行くぞーっ!!」 引き抜いたダークブレードの刃を炎が包んだ。これも真司からもらった烈火のサバイブのカードの能力を使ったからである。 「ハアッ!!」 ナイトサバイブは炎の刃をオーディンに振り下ろしたが、オーディンは瞬間移動でナイトの背後に回り込み、ゴルトセイバーで斬りつけた。 「うわっ!!」 「そんな動きでは私を倒すことは出来んぞ」 「黙れ!!」 ナイトサバイブは新たなるカードを装填した。 「シュートベント」 「ハアッ!!」 ダークボーガンを放つナイトサバイブ。一発目は光の矢、二発目は炎の矢が発射されたが、全てかわされてしまう。 これ程までにかけ離れた戦闘力・・・だが、ナイトサバイブは諦めるわけにはいかなかった。 死んだ友の為に・・・愛する者の為に・・・ナイトサバイブは倒れても何度も立ち上がった。 しかし、立ち上がる度にオーディンにナイトサバイブに打ちのめされてしまう・・・。 「そろそろとどめを刺してやろう」 オーディンはデッキからカードを取り出し、ゴルトバイザーに装填した。 「ファイナルベント」 その音声と共に幻のモンスターと呼ばれているゴルトフェニックスが出現した。オーディンの最強の必殺エターナルカオスがナイトサバイブに炸裂した。 屋敷中で神崎は鏡を通して2人の戦いを見ていた。 「優衣・・・もう直ぐでお前を・・・」 そう呟く神崎の脳裏に昨日の優衣の姿がフラッシュバックした。 「こんな事をしても・・・あいつは・・・あいつは喜ばない・・・!!」 頭を抱え、膝をつく神崎。神崎がいる部屋はいつの間にか・・・黒い羽根で覆われていた。 「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~っ!!!!!」 神崎は気付いた・・・自分のしてきた過ちに。妹の為と思ってやって来ていた事は全て・・・妹を傷つけてきたものだと知った時、神崎は悔恨の叫びを上げ、消滅していった。 その頃、外ではエターナルカオスを受けたナイトであったが、何とか持ちこたえていた。しかし、その強力な一撃はナイトからサバイブの力を奪い、もはや立つ力さえも奪っていたのだ。 「終わりだ」 ナイトは死を覚悟したその時だった。目の前のにいるオーディンにも異変が起きた。 「うおっ!!」 「何だ・・・?」 神崎の消滅に伴い、神崎の分身でもるオーディンは実体を保てなくなっていた。 「最後の勝者は・・・お前だ・・・」 神崎の消滅と共に消えたオーディン。ナイトの前に現れた光の球体・・・・これこそ最後の勝者の願いを叶えてくれるものなのだ。 その光に手を伸ばすナイト・・・その心に願うものは・・・。 神崎の消滅と共にミラーワールドも崩壊した・・・それはまるで割れた鏡の破片が飛び散るように崩れ去って行った。 崩れ去った世界・・・真っ白の無の空間に神崎は居た。その神崎の前に優衣が現れた。 「お兄ちゃん」 「ごめんな・・・優衣」 「・・・・・」 「もっと早く・・・お前の気持ちに気付いてやれれば・・・」 「もういいよ」 優衣は笑顔を浮かべ、士郎の手を握った。 「今度は2人で、みんなが幸せになれる世界を作ろ・・・・」 「ああ・・・」 そして、2人は消えて行った・・・。 その頃、現実の世界に戻っていた蓮は病院に来ていた。蓮が訪れてた病院は恋人の小川恵理が入院している病院だった。 蓮が戦いを始めたのは眠りから覚めない恋人を目覚めさせる為・・・・最後の勝者となった蓮が願ったのは・・・愛する人を目覚めさせる事だった。 戦いのダメージが激痛となって蓮を襲う・・・だが、蓮は恋人の為にその痛みに耐え、恋人が眠る病室までの階段を登って行った。 病院のベッドで眠り続ける恵理、蓮はその眠り続ける恋人の病室に辿り着いた。 「恵理・・・」 愛する人の頬に触れ、微笑む蓮。彼女の指に自分がネックレスとして加工していてた指輪をはめた。 数分後・・・ベッドで眠っていた恵理はゆっくりと目を開けた。静かに起き上がった視線の先に蓮が壁にもたれ眠っている。 「蓮、そんなとこで寝てたら風邪ひくよ」 優しく話しかける恵理だが、蓮は応えなかった・・・いや、応えたくても応えれなかった。 オーディンの攻撃を受け続けた蓮の身体は既に限界だった・・・もう一度だけ愛する人の顔が見たい。 その強い想いが蓮をここまで突き動かした。 蓮に後悔はなかったかもしれない・・・愛する人の顔を最後に一目見れ、自分の願いを叶え、友の頼みを成し遂げることができたから・・・。 仮面ライダーナイト・秋山 蓮・・・死亡。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.01.05 23:27:23
コメント(0) | コメントを書く |