カテゴリ:天文
撮影方法をASiairのライブスタック方式にしてから、カメラとして一眼レフをほとんど使っていませんでした。広い視野角で撮影する際は、やはりフルサイズを使いたくなります。かと言って使用頻度が余り高くないフルサイズのCMOSカメラの購入はコスパが悪すぎます。天文の趣味に入門したての頃、天体改造のEOS6Dを準備しておいたので、それを試運転してみることにしました。対象はSh2-240のレムナントでしたが、子午線を越えたレムナントは明るさがイマイチで諦め、近くにあった勾玉星雲付近を試写してみました。
ライブスタックの様子は下の動画にまとめています。 EOS6Dでの勾玉星雲付近のライブスタック動画【写真クリックで動画へ】 今回の使用機材は下のとおりです。 使用した機材 120秒露光で24回ライブスタックを実行して自動保存された画像が下の写真です。ライブスタック終了直後に自動保存されたスタック画像は、画像処理を実行後の画像と当然のことながら同等であった。 自動保存された勾玉星雲付近のライブスタック画像 撮影日:2023/3/15。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + F3.9 レデューサー (ファイナル f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS6D (天体改造、ISO6400)。ガイド鏡:SVBony D=30mm (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。120秒露光、フラット、ダーク、バイアス有り、ASiairにて24回ライブスタック。画像処理:自動保存されたライブスタックFitsファイルをASiFitsViewにてヒストグラム調整のみ。 自動保存された24枚のシングルフレームを以下の工程にて画像処理した。 1.フラット、ダークとバイアス有りで、ASiDeepStackにてスタック。 2.FlatAideProでシェーディング補正。 3.Topaz DeNoise AIでデノイズ処理。 4.ViX.exeにてクロップ 5.ASiFitsViewにてレベル調整 最終画像が下の写真です。 勾玉星雲付近の最終画像 撮影日:2023/3/15。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + F3.9 レデューサー (ファイナル f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:EOS6D (天体改造、ISO6400)。ガイド鏡:SVBony D=30mm (f=120mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Pro。フィルター:2インチOptolong L-eXtreme。120秒露光、フラット、ダーク、バイアス有り、ASiairにて24回ライブスタック。画像処理:自動保存されたシングルFitsファイル24枚をフラット、ダーク、バイアス有りの条件でスタック。FlatAideProでシェーディング補正後、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。ViX.exeにて若干クロップ。ASiFitsViewにてヒストグラムのレベル調整。 参考のために、上記画像処理各工程のBefore、Afterの画像を示します。 a) 24枚のシングルFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス無しでスタック後 24枚のシングルFitsフレーム → フラット、ダーク、バイアス無しでスタック後 b) 24枚のシングルFitsフレームをダーク、バイアス有りでスタック後 24枚のシングルFitsフレーム → ダーク、バイアス有りでスタック後 c) 24枚のシングルFitsフレームをフラット、ダーク、バイアス有りでスタック後 フラット補正が見事に効いているが、右側の端にかけて背景が明るくなっている。 24枚のシングルFitsフレーム → フラット、ダーク、バイアス有りでスタック後 d) フラット、ダーク、バイアス有りでスタックした画像をFlatAideProでシェーディング補正 フラット、ダーク、バイアス有りでスタック → シェーディング補正 右側端にかけての背景の明るさは FlatAidePro によるシェーディング補正によって効果的に取り除くことが出来ました。 e) FlatAidePro でシェーディング補正画像をTopaz DeNoise AIでデノイズ処理後 シェーディング補正 → デノイズ処理画像 EOS 6Dでのライブスタックの感想 1.初めての EOS 6Dでのライブスタックは、当初予想していた以上に鮮明なライブスタック画像が得られた。 2.この EOS 6Dは異常な程のダークノイズを持っていますが、フラット、ダーク、バイアス補正が見事に奏功していた。特にライブスタック時、画像処理時、共にフラット補正が良くフィットしていた。 3.詳細なことは不明だが、一眼レフカメラでの画像処理は、CMOSカメラの画像に比して素直に処理が進む気がしました。 4.一眼レフによるライブスタックは、慣れればミラーアップの頻度を少なくすることが可能になり、ミラーアップのストレスを感じることなくCMOSカメラと同様に実行できた。ミラーレス一眼であれば、さらに快適に使えそうな気がします。 5.少し前まではフルサイズのCMOSカメラが45万円もして高価だなと思っていましたが、いつの間にか10万円以上も跳ね上がっており、60万円近い価格になっていました。マーケットの異常さに着いて行けません。天体改造一眼カメラのEOS6Dであれば約1/10くらいの価格で入手が可能であり、冷却機能がなくともCMOSカメラと違って、ノイズ対策機能が万全に付与されていると考えられるので、一眼カメラでの天体撮影やライブスタックも有りだなと言う感じがします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 1, 2023 06:41:28 AM
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