カテゴリ:天文
1.SkyMAX180でM100をライブスタック
今回も口径18㎝のマクストフカセグレン鏡筒のSkyMAX180を使ってのM100のライブスタックと画像処理のはなしです。M100は、端正な渦巻銀河であり、以前より撮影してみたいと思っていた対象のひとつでした。今回のトライは3回目のトライであって、過去はオフアキシスガイドでのガイド星が見つからず失敗の連続でした。今回は、時間の余裕があったので、時間をかけて主鏡をマニュアルで少しづつ動かして、ガイド星を探してみました。すると見事にガイドに適した星を見つけることが出来、ライブスタックと撮影を実行することができました。 ガイド星のサーチやライブスタックと画像処理の様子は下の動画にまとめています。 ![]() 使用した機材や、撮影条件は下の通りです。 ![]() 2.ガイド星を探す M100は、焦点距離2,700mmではガイド星がなかなか見つからなかった。通常、ガイドの星が見つからない場合は、ガイドカメラを回転させるとガイド星が見つかることが多いが、M100の場合は、どうしても見つからなかった。 ![]() 過去2回のトライでは、主鏡をASIAirの方向キーで少しづつ動かしてガイド星を探したがダメであった。今回は、時間に余裕があったので、腰を据えて主鏡を動かしてみた。 ![]() M100をプレートソルビングした後、方向キーで主鏡を右側と下側方向に動かして、やっと下の写真のようにガイド星が見つかりました。 ![]() ただちにオードガイドのキャリブレーションを実行し、ガイド精度を見てみた。ガイド精度は、おおむね 0.5秒 付近を維持できていた。 ![]() 3.M100:ミラー銀河の最終画像 合計16 コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。撮影時のM100の高度が低くなっていたせいなのか、ライトフレームの画像のノイズが多く、WBPPのスタックにおいて6コマくらいの脱落者が出た。今回、初めてFBPPを使ってみたが、脱落コマはWBPPより少なかった。尚、ASiDeepStackやDSSではスタックが出来なかった。画像の質が良くないようであった。 ![]() 撮影日:2024/6/29。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で16コマ撮影。画像処理:16コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.3回目の挑戦で、やっとオフアキシスガイドのガイド星が見つかり、無事M100の撮影ができた。しかし、M100は西に傾きかけた低高度の状態であり、ライブスタック映像やライトフレームの画像の質はあまり良いものではありませんでした。また、来年高度が高い季節に再挑戦したいと思っています。 2.今回、PixInsightで画像処理をしようとすると多くのアップデート項目があったので指示に従いアップデートを実行した。いつもの様に画像を処理をしていると、次の致命的なエラーが発生した。 1)ScriptのStarReductionにおいてStarNet2が効かなくなっていた。 2)BlurXTerminatorをいつものように実行するとエラーが出て実行できない。 いずれもPixInsight本体のアップデートによる関連アプリの欠落によるものらしい。StarNet2を再インストールし、BlurXTerminatorのbinフォルダーある tensorflow.dll を新たにダウンロードしたdllを上書きし、さらにtensorflow.libをペーストすることにより回復した。いろいろなアプリを総合して使うPixInsight、ここにきてそのデメリットを経験することとなりました。安定的に使えているときは、むやみにアップデートしない方がよいのかも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 8, 2024 05:32:16 PM
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